「M-1グランプリ2017」優勝の実績を引っさげてNSC東京の稽古場に姿を見せた2人は、生徒たちにとって気になるネタ作りの方法や芸人としてのキャラクター、漫才のスタイル、東京と大阪の笑いの違い、「M-1」への思いなどについて一問一答形式でトークを展開。自身の体験談を踏まえ、芸人の卵たちにアドバイスとエールを届けた。
ネタ作りについては久保田が「『他人が言うより自分が言ったらウケるやろうな』ということを考えてます。鏡を見て自分がどんな人間なのか再認識したらいい。僕は汚い言葉が好きなので言い続けるようにしている。本を読むと強いワードが入ってくる。お前らはワードのウエイトを上げてこい!」と鼓舞。さらに自身のバイト経験から「生きざまでエピソードを作る」ことを提案し、「一番辛い時代に一番濃い労働をしてください」と呼びかけた。
芸人としてのキャラに関する質問には、村田が「こいつは裏も表もない。“リバーシブル・ブス”」と久保田の人間性を解説すると、久保田は「底辺を味わってきたから」とそれを否定しない。さらに久保田は「キャラは無理して作ることじゃない。生きていて自然ににじみ出るキャラのほうが強い」と持論を繰り出す。村田はこれに同調し、「ネタでキャラを作りすぎて、フリートークで苦戦している芸人をたくさん見てきた。ネタと同じようなキャラのほうがいい。違いすぎるとしんどくなる」と付け加えた。
「漫才のスタイルをどうやって見つけましたか?」と聞かれた際には、久保田が「客前で20分ネタをやったら、どこか1個はウケる。そこがスタイルになる。いろんなものを試して」と回答。一時期とろサーモンにとっての代名詞となった「すかし漫才」に関して話が及ぶと、久保田が「そんなに好きなシステムじゃなかった。面白いと思ってないから、オファーが来てもストレスを感じた」と振り返り、村田も「俺らも苦しめられた。今は自然でやりやすい」と打ち明けた。
そのほか芸人としての生活や心境を尋ねられるたび、久保田は「ダルそうに見えるけど、ネタ中にウケたワードは頭に入ってるよ」「面白いことを常に考えている。脳みそがそうなっている。職業病」と真摯に返答し、「アドリブでスベるのは怖くないですか?」と問われると「生きながら怖いことを経験しているから、スベるのは怖くない。その悩みはちっちゃすぎる。いいんじゃない? ぶち込んで」とその生徒を鼓舞する。今ひとつ自身と噛み合わないやりとりをした生徒に対して久保田が「こいつをつまみ出せ!」と叫んで現場の笑いを誘うなど、2人が笑いを交えてNSC生と正面から向き合う授業となった。
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