お笑いナタリー Power Push - NSC・YCC・YOEC特集
博多華丸・大吉×YCC出身マネージャー ちゃんとお笑いが好きな人と築く信頼関係
よしもと総合芸能学院(NSC)、よしもとクリエイティブカレッジ(YCC)が、2017年4月の入学生を募集している。お笑いナタリーでは「M-1グランプリ2016」王者の銀シャリに登場してもらったNSC特集(参照:NSC特集「M-1」王者・銀シャリインタビュー)に続くYCC特集として、博多華丸・大吉とYCC卒業生で現マネージャーによるインタビューを実施。3人には芸人とマネージャーの信頼関係や、優秀なスタッフ像などについてざっくばらんに語ってもらった。
文 / 狩野有理 撮影 / 辺見真也
よしもとクリエイティブカレッジ(YCC)とは
お笑い業界だけでなく、音楽、映画、各種コンテンツ制作など、さまざまな分野においてノウハウを築いてきたよしもとが東京・大阪に展開しているスタッフ養成所。座学型、実践型で授業を実施しており、番組制作やイベント制作をモノづくりの現場で学べる。芸人や構成作家、放送局のプロデューサーといったプロを講師に迎えた特別講座も多数。卒業生は吉本興業グループ関連会社をはじめ、テレビ局、広告代理店、制作会社、芸能プロダクションなど、エンタテインメント業界で活躍している。
YCC東京校6期生 黒田優太マネージャー
もともとお笑いが好きで、よしもとに入社するのが夢だった黒田マネージャー。新卒時に一度よしもとを受けるが採用されず、大手コピー機の会社で営業マンをしていた。結婚を決めたタイミングで一念発起し、「よしもとに入れる確率が1%でも上がるなら入学金なんて安いもん」とYCCに入学。当初から「芸人さんの一番近くにいられる職業」としてマネージャーを目指す。現在は博多華丸・大吉のほか、アップダウン、なかやまきんに君、ジャルジャルらを担当。
優秀な前任からプレッシャーと共に引き継いだ博多華丸・大吉の担当
──黒田さんが華大さんについてどれくらい経ちますか?
黒田優太マネージャー ちょうど1年くらいです。
──博多華丸・大吉のお二人にとって、黒田さんの第一印象はいかがでしたか?
博多華丸 前のマネージャーが小柄な女の子だったんです。なので、(黒田マネージャーは)とにかく「かさばるなあ」と(笑)。タクシーの空気がもう薄くて。
博多大吉 テレビでも紹介したことがありますが、前のマネージャーのおかげで僕たちは世に出られた。で、後任がこれか、と(笑)。どのマネージャーが担当してくれるかということに、芸人の人生ってものすごく左右されるんです。初代マネージャーのときに華丸さんが「R-1ぐらんぷり」で優勝できたんですが、それから僕らはちょっと合わないマネージャーが続いて、8年ほど潜りました。ようやく引いた“当たり”がその小柄な女の子。彼女と3年くらい仕事したあとに黒田くんがやってきたので、最初は不安しかなかったです。
華丸 前は女の子だから身辺も小綺麗でしたが、見てください、黒田のiPad。バッキバキに割れているんですよ。
(無言でiPadを取り出す黒田マネージャー)
華丸 あれ? 買い換えよった!
大吉 新しくしてる(笑)。
──前のマネージャーさんは「アメトーーク!」(テレビ朝日系)の「マネージャーと二人三脚芸人」に出演するなど、“優秀なマネージャーさん”としてお笑いファンの間でも有名でした。黒田さんはそのあとに華大さんを担当することになって、プレッシャーはありませんでしたか?
黒田 大吉さんもおっしゃっていたように、前任は芸人さんから見ても、僕らから見ても優秀なマネージャーだったので、正直、プレッシャーはありました。でも逆にチャンスでもあるなと。ありがたい機会なので、僕は僕でがんばろうと思いました。
──華大さんを担当するにあたって、どんなところを意識していますか?
黒田 もうすでに実力も、知名度もあるお二人なので、さらに1ステップ、2ステップと上っていけるような仕事を取ってくることです。また、お二人が望む何年後かの像に向かっていけるような仕事の取捨選択を心がけています。
マネージャーって個体差がすごい
──最初は不安なお気持ちもあったということですが、1年一緒にやってきていかがですか?
華丸 女性だと、「ちゃんとやってください!」ってキーキー言われる場合もあるじゃないですか。今回は男同士なので、「休みたい」とかは言いやすくなりました。
大吉 キャリアで言えば僕らは27年目で彼より随分長い。普通に考えたら遠慮してしまいそうなところですが、そこはマネージャーとしてしっかりやってくれています。それに僕らは今年47歳なので、若い世代とは感覚がどうしてもずれてくる。そういう部分は30代の黒田くんを信頼して、彼がやったほうがいいっていう仕事はやりますし、いい関係性は築けているんじゃないですかね。話す機会も多いですし、いろいろと共有できていると思います。前はコピー機の会社で働いてたんだよね?
黒田 はい。
大吉 よしもとで働くことが夢で、諦めきれずに会社に行きながら夜はYCCで勉強したっていうんです。なんでそんな夢を持つんだろうって不思議でしょうがないですけどね。
──よしもとで働きたいっていう方は多いと思います。
大吉 1回水で顔洗ったほうがいいですよ(笑)。でも、黒田くんからそういう話も聞いていて、やる気はすごくあるんだなと。マネージャーって個体差がすごいので、やる気がある方がついてくれているのはありがたいです。
──個体差というと?
大吉 単純に言えば、連絡がつくマネージャーとつかないマネージャーにまず分けられるんです。連絡がつかないマネージャーが仕事を疎かにしてるとは思いませんが、彼は連絡がつく。それだけでもう!
華丸 辞めた子ですが、土日は絶対に電話を取らないっていうマネージャーがいましたよ。なぜかというと、踊りに行っているから。
大吉 「週末はクラブに通いたいので、すみません」って言われて(笑)。
華丸 だから僕らはどの現場でも自分で行っていました。
大吉 営業へ行くのに電車の切符をもらってないとか、集合場所に誰もいないっていうときは連絡をするんですけど、やっぱり午前中は出ない。なぜならクラブ帰りだから。
華丸 踊り疲れてるからね。仕方ない!
大吉 そういう意味では黒田くんはよくやってくれていると思います。
華丸 フットワークが軽いですから。重量挙げやってたんやね?
黒田 パワーリフティングです。重量挙げではないです。
大吉 どっちでもいいやん(笑)。
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スクール案内
2017年4月入学生募集中
- よしもとクリエイティブカレッジ(YCC)
- よしもとクリエイティブカレッジは2008年度にNSCの姉妹校として誕生。各種番組やイベント、ライブなどに携わるスタッフや、クリエイター、構成作家の養成を目的としている。芸人や構成作家、放送局のプロデューサーといったプロを講師に迎えた特別講座多数。卒業生は吉本興業グループ関連会社をはじめ、テレビ局や制作会社、芸能プロダクションなど、エンタテインメント業界で活躍している。
- 第3次募集締切:2017年2月末日(必着)
- 第4次募集締切:2017年3月末日(必着)
- 吉本総合芸能学院(NSC)
- 吉本総合芸能学院(NSC)は1982年に大阪校が開校して以降、さまざまなタレントを輩出。2015年には東京校出身のトレンディエンジェルが、2016年には大阪校出身の銀シャリが「M-1グランプリ」王者に。新人オーディションなど芸人としての実力を試すチャンスが豊富で、成績優秀者は在学中から舞台やテレビなどで仕事の現場に立つ。
- 第3次募集締切:2017年2月末日(必着)
- 第4次募集締切:2017年3月末日(必着)
- よしもと沖縄エンターテイメントカレッジ(YOEC)
- よしもと沖縄エンターテイメントカレッジは2011年4月に開校。独自の芸能文化が根付いている沖縄での新たな才能の発掘を目指す。「沖縄から世界に発信するコンテンツを」という志を掲げてタレントやスタッフ志望者によしもと流のノウハウを教えている。沖縄国際映画祭など県内各所で行われるイベントにて実践を積む機会も多数。
- 願書受付締切:2017年4月末日(消印有効)
博多華丸・大吉(ハカタハナマル・ダイキチ)
左 / 博多華丸(ハカタハナマル)
1970年4月8日生まれ。福岡県出身。
右 / 博多大吉(ハカタダイキチ)
1971年3月10日生まれ。福岡県出身。
1990年結成。福岡で活動したのち、2005年に上京した。「THE MANZAI 2014」優勝者。漫才を主としながら、華丸は「R-1ぐらんぷり2006」で、大吉は2015年に「IPPONグランプリ」、2016年に「ダイナマイト関西」で優勝するなど、個々でも活躍する。
2017年3月16日更新