プロレスをちゃんと勉強しとかなきゃいけないってやっと気づいた

──パートナーとなるRGさんについてはどうですか？

山里　大喜利に関してはね、さっき話に出た「ダイナマイト関西」なんかでもすごいのが、RGさんは答えが3つくらいでピタッと止まるっていう（笑）。

ディーノ　出なくなっちゃうんだ。

山里　そう、スンと止まっちゃう（笑）。でも、あの人のワードセンスとかって、めちゃくちゃすごいものがありますから。

ディーノ　そうなのよね。

山里　「あるあるネタ」であの人は評価されていますけど、それも言葉のチョイスが絶妙だからなんです。RGさんの「あるあるネタ」って、Twitterとかで文字だけで見てもすごくいいですから。

──さらにRGさんはハッスルでのプロレス経験もありますしね。

山里　また、それがけっこうすごい人と闘ってきてるじゃないですか。天龍源一郎さんとかタイガー・ジェット・シンとか。RGさんって、プロレスの試合のあと楽屋でムダに服を着ないで歩くんですよ。すごいアザとかができてて、みんなの「どうしたんですか？」待ちをするんですよね。

ディーノ　あははは！

山里　いちおう「どうしたんですか？」って聞くと、「（指差しながら）ここ、天龍。ここはタイガー・ジェット・シンに……」って説明しだして（笑）。それを、足が骨折しても平然と歩いているHGさんが「ちょっと出渕（RGの本名）、そういうのやめろよ！」ってたしなめて。

ディーノ　まあ、基本的にはレスラーは弱みを見せるもんじゃないしね。

山里　なのに、めっちゃうれしそうに言ってましたもん、RGさん。それで、ケンコバさんにもすごく怒られてました。「……たとえそうだったとしても、そこは『転んだ』って言うところちゃうんか!?」って。

ディーノ　みんなプロレス、好きすぎるわ（笑）。

山里　芸人になって、昔から不思議だったんですよ。なんで、こんなにプロレスが好きな人が多いんだろうって。とくに40歳前後の先輩たちがみんなプロレス好きだから、はじめは世代的な問題なのかなっていうのも思って。テレビでも毎週プロレスをやってた時代の人たちだし。でも、やっと気づいたんですよ。エンタテインメント業界に関わる人間は、プロレスをちゃんと勉強しとかなきゃいけないんだなってことに。

ディーノ　そこまで言ってくれるんだ（笑）。

山里　僕だって、もともとは「なんでジャイアント馬場さんのゆっくりとしたキックで、みんな倒れるの？ 意味わかんない」とか言ってるような人間だったんですよ。でも、あのキックで相手をすっげえ倒して、それを会場にいる何千人が「わー！」って歓声を上げることのカッコよさに、ようやく気づいちゃったんですよ。「ああ、先輩たちはプロレスを観て、このすごさや面白さを昔から知ってたのか。だから、ああやってすぐミニコントに入れたり、とてつもない笑いをつくれたりするのか！」って。

さあ、あとは何を見せてくれるんでしょうね

──ちなみに山里さんのプロレス参戦はこれきりというか。今後のことはまだ……。

ディーノ　いや、今回の結果次第でしょうね。この潰し合いでどちらが生き残るか？っていう。

──事務所の看板も賭かってますからね（笑）。

山里　「オレ、できるのかな？」みたいな弱気なことを言っていたら応援してくれる声もあって、本当にありがたいですよ。

ディーノ　みんな、山ちゃんに「本気のプロレスを見せろ！」とは思ってないのよ。ただ、「いったい何を見せてくれるんだ？」っていう、そういう期待はあるわよね。

山里　本当にそう。だからこそ、怖いんですよ。

ディーノ　まあ、私はリングのことに関しては全部サポートはするんで。

山里　お！ ホント？

──つきっきりでコーチングして（笑）。

ディーノ　いやいや、山ちゃんとはそういう関係には絶対ならないけど。

山里　ははは、何それ（笑）。ムダにフラれるんだよなー、毎回。

ディーノ　私、しずちゃんの気持ちがわかるもん。山ちゃんとはビタイチ恋愛には発展しないだろうな、みたいな。

山里　ここで「ちょっと、そんなー！ 待ってよー！」っていうのも、おかしいしなっていう（笑）。そんなのばっかですよ、もう。

ディーノ　男性としてはどうかなとは思うんですけど、まあそれは置いといて、表現者としての山ちゃんに対するリスペクトは持ってますからね。さあ、あとは何を見せてくれるんでしょうね。楽しみだなー。

山里　怖いけど、がんばりますよ！