お笑いナタリー Power Push - 大阪オクトパス2015
南海キャンディーズ山里×男色ディーノ DDTが見せる “お笑いの先”の表現
南海キャンディーズ山里が、レイザーラモンRGとタッグを組んで11月28日(土)開催のDDTプロレスリング「大阪オクトパス2015」に参戦する。闘うのは最近、松竹芸能に所属したスーパー・ササダンゴ・マシン。「松竹 VS よしもと全面戦争」と銘打ち、互いの看板を背負って1対2のハンディキャップマッチを展開する。
お笑いナタリーでは大会に先立って、2014年の両国大会で“肛門爆破”を受けて以来2度目のDDT参戦となる山里と、彼の盟友・男色ディーノの対談の場を用意。お笑い、プロレスそれぞれの表現、そして来る対戦への期待について語ってもらった。
取材・文 / 九龍ジョー 撮影 / 笹森健一
僕にとっての教科書がそこにあった
男色ディーノ しずちゃんがボクシングを引退するそうだけど、山ちゃんがプロレスのリングに上がることはどう思ってるのかしらね?
南海キャンディーズ山里 あの子はね、驚くほど僕に興味ないから(笑)。ただボクシングを4年半もやってたから、「リング」っていう単語が細胞に染みついてて、その言葉を聞くとビクッとするみたい。
ディーノ 完全にアスリートの反応ね(笑)。
山里 「リングを舐めないでほしい」的なことも言ってた。
──というわけで今回、山里さんがプロレスのリングに上がることになったわけですが、まずはそもそものきっかけからおさらいできればと。
ディーノ 最初は、私が山ちゃんのライブにお呼ばれしたのよね。
山里 そう、僕がMCをやってる「スタモン」っていうカードゲームバトルのイベントがあって、ディーノさんにプレイヤーとして出てもらったんです。そしたらもう、感動しちゃって。僕らお笑い芸人って、舞台上で表現して、その場で笑い声が起きることがゴールであり、正解だと思ってたんですけど、ディーノさんはさらにその先を見せてくれたんですよ。会場に入ってきた瞬間から退場するまで、そこにいたことを感謝できるっていうか。「そこにいるだけで楽しい」っていう感情を持ち帰らせてくれた。そういう空間を作ってくれるプロレスラーってすげえなと思って。
ディーノ 私からすると、こちらがうすうす意識しながらやっていることを一瞬で見抜く山ちゃんもすごいんだけどね。
山里 それからDDTを観るようになって、さらにプロレスにハマったんですよ。ものごとを面白がる見方だったり、その「面白さ」そのものを増幅させる方法がプロレスには詰まってる。僕にとっての教科書がそこにあったんです。
──なるほど。最近、山里世代と呼ばれる芸人の方たちがプロレスにハマるケースが増えてますよね。
ディーノ オードリーの若林さんとかもね。
山里 僕らの世代って、思春期がPRIDEとかの全盛期で、一方でプロレスが低迷していた時期なんです。やらせとかにも敏感になっていて、テレビなんかでも、観る側に余裕がないっていうか、「川口浩探検隊」シリーズを一生懸命に観られる感じとかが失われていましたよね。それってたぶん、プロレスの面白さやすごさが見過ごされていたのと重なるところがあると思うんです。でもここにきて、プロレスが見直されて、ブームになってますよね。だからホント、「プロレスってどうなんだろう?」って思ってる人にこそ、DDTを観てほしいんです。僕自身がそうだったし、そこからガラッと変わりましたから。
──ものごとの面白がり方まで変わったわけですもんね。
山里 単純にお笑いライブのお客さんと比べても、プロレスのお客さんって、楽しむ姿勢が全然違いますよね。一戦一戦、一番いい状況で自分の中に取り込むにはどうしたらいいか?っていうのを念頭に、みんな、前のめりに観てますもん。
ディーノ でも、山ちゃんのライブもたまに観させてもらっているけど、そういうお客さんが育ってるでしょ? あと、これは「お笑い」としていいのか悪いのかわからないけど、山ちゃん自身のお客さんの引きつけ方も、完全にプロレスラーのそれよね(笑)。正直ビビったわ。
山里 ディーノさんにそう言ってもらえるとうれしいんだけど、そのスキルが上がったのは、確実にDDTを見たからですよ。見られる人間の立ち居振舞い、カッコよさとかを知って、お笑いの幅が広がりましたもん。
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DDTプロレスリング 大阪オクトパス2015
日時:2015年11月28日(土)15:00開場 16:00開演
会場:大阪・大阪府立体育会館第一競技場
席種:アリーナ席A※完売 / アリーナ席B 10000円(当日10500円) / 1F指定席A 7000円(当日7500円) / 1F指定席B 5000円(当日5500円) / 2F指定席A 6000円(当日6500円) / 2F指定席B 5000円(当日5500円) / 2F指定席C 3000円(当日3500円)
チケット:チケットぴあ(Pコード594-100)、ローソンチケット(Lコード59631)、イープラスほか
対戦カード
- KO-D無差別級選手権試合
坂口征夫(王者) VS 木高イサミ(挑戦者) - DDT EXTREME級選手権試合
アントーニオ本多(王者) VS ケンドー・カシン(挑戦者) - アイアンマン・バトルロイヤル
チェリー(王者)(11月4日時点)
大石真翔、マサ高梨、宮武俊、大鷲透、平田一喜、ヨシヒコ、勝俣瞬馬、赤井沙希、キアイリュウケンエッちゃん、伊橋剛太、菊タロー(いずれも挑戦者) - スペシャルシングルマッチ
HARASHIMA VS 竹下幸之介 - スペシャルシングルマッチ
入江茂弘 VS 岡林裕二 - ハードコアスペシャル6WAYマッチ
高木三四郎 VS KENSO VS 佐々木大輔 VS 樋口和貞 VS 宮本裕向 VS 大家健 - スペシャルハンディキャップマッチ~松竹vsよしもと全面戦争~
スーパー・ササダンゴ・マシン VS レイザーラモンRG&山里亮太 - 男色ディーノ&バラモンシュウ&バラモンケイ VS ジョーイ・ライアン&福田洋&遠藤哲哉
- 松永智充&岩崎孝樹 VS 内田祥一&鈴木大
- 彰人&ヤス・ウラノ&中津良太&梅田公太 VS 石井慧介&高尾蒼馬&井上麻生&渡瀬瑞基
南海キャンディーズ 山里亮太
(ナンカイキャンディーズ ヤマサトリョウタ)
1977年4月14日生まれ、千葉県出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。2003年6月、しずちゃんとコンビ・南海キャンディーズを結成。2011年頃からしずちゃんがボクサーとしての活動を本格化させる傍ら、自身は司会やナレーションで活躍する。2013年、「両国ピーターパン2013~プロレスの傾向と対策~」にて総合司会を務めたのがDDT初登場。2014年の両国大会では試合に巻き込まれ“肛門爆破”の洗礼を受けた。「JUNK 山里亮太の不毛な議論」(TBSラジオ)、「センニュウ★感」(テレビ東京)、「ヒルナンデス!」(日本テレビ)などにレギュラー出演中。
山里亮太の140~やっぱり12月の石川県に惹かれました~
日時:2015年12月5日(土)17:30開場 18:00開演
会場:石川・根上総合文化会館 音楽ホール
料金:2700円(全席指定)
託児サービスあり(要予約。TEL:03-5779-8366 SLUSH-PILE.)
チケット:チケットよしもと、チケットぴあにて販売中。
男色ディーノ(ダンショクディーノ)
1977年5月18日生まれ、広島県出身。DDTプロレスリング所属。2002年にデビューして以来さまざまなタイトルを獲得した、日本が誇るゲイプロレスの第一人者。男色ドライバー、リバースえび反りジャンプ、男色48手+裏筋48手を得意とする。南海キャンディーズ山里とは、山里がMCを務めるカードバトルライブ「スター妄想カードゲーム『スタモン』」で2012年に共演。2014年には2人でトークイベント「スラッシュパイル6周年記念特別興行『山里ディーノ』」を開催した。同年「両国ピーターパン2014~人生変えちゃう夏かもね!~」では、マッスル坂井とのDDT EXTREME級選手権試合で親友・山里の肛門を爆破されながらも王座防衛に成功する。