バナナマンが語る「赤えんぴつ in 武道館」コントを超えた感動と興奮がBlu-rayに完全収録 (2/2)

グッとくるひーとんの表情

──来場者にはおーちゃんが被っている赤いチューリップハットが配られ、会場全体が赤一色に染まっていました。

設楽 あの光景もすごかったです。中には、昔から見てくれている人なのか、コスプレしてくれている人もいたんですよ。ひーとんコスプレの人もいたよね?

日村 何人かいたね。楽屋のモニターに映ってて。

設楽 その人はちゃんとチューリップハット被ってなかったんですよ。ひーとんなので(笑)。

赤えんぴつ

赤えんぴつ

──ひーとんコスプレということは、赤いハチマキにタンクトップ?

日村 そうです。2月のめちゃくちゃ寒い日なのに(笑)。ありがたいよね。

設楽 前日まではリハーサル室で練習していて、ちゃんとしたセットは公演当日に初めて見たんですよ。ビビったよね、1日目。

日村 ビビった!

設楽 「マジ? これやばい、こんな大ごとになっちゃった」ってね(笑)。照明とかもすごいし。

──(特殊効果演出で)火も出ていますからね。

設楽 確かに、特効は映像でも楽しんでもらえると思います。1日目の“激しいゾーン”っていうのがあって、あそこカッコいいよね。

日村 4曲くらい激しい曲が続くところね。やってても気持ちよかった。

設楽 プロのスタッフの人たちがバックアップしてくれているから、本当にマジっぽいというか……もうマジだよね(笑)。

日村 マジなんだよ、これ(笑)。

「赤えんぴつ in 武道館」の様子。(撮影:RyuyaAmao)

「赤えんぴつ in 武道館」の様子。(撮影:RyuyaAmao)

「赤えんぴつ in 武道館」の様子。(撮影:RyuyaAmao)

「赤えんぴつ in 武道館」の様子。(撮影:RyuyaAmao)

──ほかにBlu-ray作品で特にここを観てほしいというポイントはありますか?

設楽 映像だと細かい表情を観られるのがいいよね。日村さんが激しいパートのときに感情込めて弾いてるんですけど、ああいうのがけっこうグッとくる。

日村 あ、そう?

設楽 日村さんって歌詞の内容でガッといくときあるじゃん。顔を歪ませてるというか、切ない顔。あれが俺は好きなんですよ(笑)。

日村 やってるときは撮られてるなんてまったく意識してないんだけどね。

設楽 キャラクターに入り込んでるからこそ、ああいう表情が出てるんだろうね。そういう意味でいうと、僕は「おーちゃんがやってる」っていう感覚だからあんまり緊張していないんですよ。

──自分ではない、みたいな感覚?

設楽 そうそう。だからめちゃくちゃ切なそうだったり、気持ちよさそうに歌ってますけど、おーちゃんがやっていることなので(笑)。1個離れたところにいるというか、素でやっているようで素ではない。

日村 普段俳優座でやっているときより絶対ミュージシャンモードは強いよね。

設楽 そうだね。この期間はもう完全にアーティストになってる(笑)。

「赤えんぴつ in 武道館」の様子。(撮影:RyuyaAmao)

「赤えんぴつ in 武道館」の様子。(撮影:RyuyaAmao)

「赤えんぴつ in 武道館」の様子。(撮影:RyuyaAmao)

「赤えんぴつ in 武道館」の様子。(撮影:RyuyaAmao)

赤えんぴつの曲作り

──物語性が高く、今回のバンドメンバーも「緻密で独特な楽曲構成」だと評価している赤えんぴつ楽曲です。普段はどうやって曲作りしているんですか?

設楽 いつものライブでは、例えば「Spicy Flower」(2007年開催)だったら“花”、「wonder moon」(2009年開催)だったら“月”とか、テーマによってなんとなくストーリーを考えて、ふんふんふん~♪ってワンフレーズ鼻歌にしたのを日村さんにギターで弾いてもらうっていう感じです。

日村 そのパターンで作ることが一番多いね。

設楽 だからプロの人からするとめちゃくちゃなんじゃないですかね? バンドのみなさんはそれを面白がってくれていましたけど。変なコードを使っていたり、そもそもチューニングが合ってないとか。ただ、武道館に関してはちゃんとチューニング合ってるよね?

日村 合ってます。過去作が合ってない。武道館は大丈夫です(笑)。

設楽 当時はなんとも思わずそのままやってるけど、昔の映像を観返すと全然合ってないんですよ。もう最初っから合ってない。でもいつも本番ギリギリまでチューニング合わせてるのにね?

日村 もちろん合わせてるんだけど、昔の作品になればなるほど合ってない。合ってもないギターでよく歌えてるなって(笑)。

設楽 確かに、今回はチューニング合ってるから歌いやすかった(笑)。日村さんは直前まで自分でチューニング合わせようとしていたんですよ。スマホのアプリで。

日村 「途中で音がズレてきちゃったらたらどうするんだろうね」っていう話をラジオでしていたときに、「大丈夫、任せてくれ。こっちはアプリ落してるから」って言ってたんですよ。

設楽 武道館でライブやるアーティストが途中でスマホ出してチューニングしてるところなんか見たことないよ(笑)。そしたらちゃんとプロが全部やってくれてね。

日村 そう。だからばっちりです、チューニングは。

設楽 曲に関しては、バンドのみなさんが赤えんぴつの世界観を崩さないようにアレンジしてくれていて。そこは“JxJx”さんがこだわってくれました。

赤えんぴつ

赤えんぴつ

赤えんぴつ

赤えんぴつ

そしてまたコントの中へ…

──赤えんぴつも立派な武道館アーティストですね。

設楽 俳優座の次がいきなり武道館ですからね(笑)。そもそも赤えんぴつだけのライブはこれが初めてですし。初単独ライブが武道館ってすごいですよ。

日村 2時間歌ってるんだもんね。

設楽 その次に「FNS歌謡祭」も出て。すごいグループ(笑)。

──「FNS歌謡祭」はどうでしたか?

設楽 「出ていいの?」みたいな感じでしたね。経緯としては、「FNS」をやっているスタッフさんと別の仕事を一緒にやっているんですけど、武道館ライブを観に来てくれたんですよ。ライブ後に「FNSぜひお願いします!」と言ってくれて、「またまたー」なんて言ってたら、本当にオファーしてくれて。本番ではちょっと失敗しちゃったけど、よかったよね。

──失敗というか、ギターから変な音が出ちゃったんですよね。

日村 ギターの調整不足でギャン!って音が鳴っちゃってびっくりしましたけど(笑)。

──世界観も赤えんぴつっぽくて、雰囲気をわかっているスタッフさんが演出しているんだろうなというのが伝わってきました。

設楽 そうなんですよ。当日はバックバンドの方たちもチューリップハットを被ってくれていたんですけど、カメラに映っていないスタッフさんたちも実は被ってくれていて。ありがたかったですね。あっという間に終わっちゃいました。

──武道館のあとに「FNS歌謡祭」への出演があって、今後も何か赤えんぴつに動きがあるのかなと期待してしまっているのですが。

設楽 もちろん赤えんぴつはこれで解散というわけじゃないので、今後もコントの中でやると思いますけど、今のところは具体的に「こうしよう、ああしよう」っていうのは特になくて。武道館以上のことはもうないんじゃないかな?

──でも、やれるならまたやりたい?

設楽 武道館終わった瞬間は気持ちよくて、またやりたいとは思いましたね。

日村 やりたいよね。やれたら最高です。

赤えんぴつ

赤えんぴつ

プロフィール

バナナマン

写真左 / 設楽統(シタラオサム)
1973年4月23日生まれ、埼玉県出身。

写真右 / 日村勇紀(ヒムラユウキ)
1972年5月14日生まれ、神奈川県出身。

1993年に結成し、「ラ・ママ新人コント大会」でデビュー。「YOUは何しに日本へ?」(テレビ東京)、「バナナサンド」(TBS)、「奇跡体験!アンビリバボー」(フジテレビ)、「沸騰ワード10」(日本テレビ)、「バナナマンのせっかくグルメ!!」(TBS)、「乃木坂工事中」(テレビ愛知)、「JUNK バナナマンのバナナムーンGOLD」(TBSラジオ)などに出演中。ホリプロコム所属。