「千鳥さんのコメントまでが作品です」総合演出・名城ラリータ氏が新たなネタ番組を語る

「千鳥のクセがスゴいネタGP」（フジテレビ系）が10月8日に木曜21時のレギュラー番組としてスタートするのは既報の通り。初回は2時間スペシャル。先日、この番組で総合演出を務める名城ラリータ氏の囲み取材が東京・フジテレビ内で行われた。

この番組は芸人たちが普段とは一味違う“クセがスゴいネタ”を披露するバラエティ番組。同じフジテレビの「全力！脱力タイムズ」チームが制作している。その「脱力タイムズ」でも総合演出を務めているラリータ氏が、新番組の見どころやMCを務める千鳥への思いを語った。

なお初回SPには、中川家、かまいたち、ジャルジャル、チョコレートプラネット、ハナコ、四千頭身・後藤、マヂカルラブリー、ロバート秋山ら多くの芸人が出演。霜降り明星のせいやと粗品はそれぞれピンでネタを披露する。

名城ラリータ氏 コメント

──2回の特番を経て木曜21時のレギュラーになることへ率直な思いを聞かせてください。

ビックリしました。ネタ番組は常々やってみたかったんです。本来はお客さんがいるところなんですけど、コロナ禍なのでVTR化したネタを千鳥さんに観てもらう形になっています。今までもある構造だけどそれに特化しました。千鳥さんのワードの「クセがスゴい」を引っ張ってきて、ネタもそういうものを選んでいます。狩野英孝さんが「大きな古時計」をクセ強めに歌う、番組のシンボルのようなネタがまさに狙いの形です。芸人さんには事前にそのニュアンスを伝えてネタを考えていただくこともありますし、芸人さん以外にも出演してもらう。“今”を切り取って構成しています。

──千鳥のお二人とラリータさんとの出会いは？

「脱力」のゲスト出演以外、ほぼ面識はないです。そもそも「クセがスゴいネタGP」も最初の案は今とちょっと違ってて、「脱力」にも出てもらっているスルメさんやコウメ太夫さんとのロケものを深夜番組として考えていたんです。それが形が変わって、千鳥さんに出てもらうのがいいのかと。そのあとに「クセがスゴい」というタイトルが付いた。その結果、番組の方向性が見えてきたので、全部千鳥さんのおかげです。番組の一番の狙いは「千鳥がネタをどう解釈するかというのを観てほしい」というもので、「エハラマサヒロがすごく器用ですごく面白いけど、なぜあまり笑えないのか？」というような話を熱くすることで芸人さんの人物像も見えてくるし、それが面白さをより増している。ちょっと王道ではないかもしれないけど、特に短いネタの中に発見や共感がいっぱい出てくると思います。千鳥さんがストーリーを作っていく番組。千鳥さんのコメントまでが作品です。

──木曜21時という時間帯については？

特に意識はしていませんが、その時間にお笑いが帰ってきたので、ぜひご覧いただければ。またそう思ってもらえるように努力しなきゃいけないなと。バラエティ、特にネタ番組ということで、テレビはこんなに楽しんだというのを僕らは表現したい。

──「脱力」も「クセがスゴいネタGP」も芸人さんが中心となって活躍するバラエティです。この方向性にはラリータさんの強い思いがあるのでしょうか？

もともとお笑いのことが好きで入ってきていますが、巡り合いの運がそうさせてくれたと思います。「脱力」はくりぃむしちゅー有田さん、「冗談騎士」（BSフジ）は鈴木おさむさん、そしてこの番組は千鳥さんにフィットしたものを提案したいなと思っていて。自分の中で「どうしてもこれを」じゃなく、「出演者の方に合っているのかどうか」を演出する上で大事にしています。タレントさんと接する中で信念やすごさを間近で見ているので、心中するつもりで作らないと嘘になる。自分の思いも大事だけど、シンプルに何が魅力的なのかと。皆さんと出会って仕事をさせてもらったのがディレクターとしての矜持になっています。

──特番で活躍されたトータルテンボス大村さんの息子さんなど、今後も新たなスターが生まれていきそうですね。

大村さんの息子さんのことは妻（ギャル曽根）に教えてもらったんです。普通は「お子さんの歌が上手い、表情がカワイイ」という感想なんでしょうけど、それを飛び越えて哀愁が出てくる。優秀な作家さんたちもこういう番組を待っていたみたいで、いろんな情報を提供してくれます。だいぶスピード感が変わったなあと。芸人さんもSNSが自分をプレゼンする場になっている。

──千鳥がクセがスゴい衣装を着ている理由は？

勝手な演出なんですが、千鳥さんが批評する形なので、批評してる人がスーツを着ていると単純に偉い人に見える。それがクセがスゴい衣装を着ていると「お前らに言われたくない！」となる。そのへんを飛び越えて、ただ邪魔なものにもなっているんですけど（笑）。衣装さんと僕らにアイデアがなくなったらスーツにします。視聴者の方から衣装の案をいただきたいです。

──千鳥のお二人にもネタをやってもらうという案はありますか？

千鳥さんはレギュラー番組を10本以上持っていて、ネタじゃないけどそういうニュアンスのものは、ほかの番組でもやられている。「クセがスゴいGP」は、なるべくここでしか見られないような千鳥さんの姿を提供したい。クセがスゴい衣装を着るのも、ほかの番組でもやっていますしね。やっぱりネタ、やってもらいましょうか！（笑）