今、知っておきたい超若手芸人 Vol.2 [バックナンバー]
現役大学生の「ABCお笑いグランプリ」ファイナリスト・友田オレ(前編)
お笑いの目覚めとLUDOの思い出
2023年8月17日 17:30 14
芸歴5年目以下の“超若手芸人”に注目し、ネタ以外のパーソナルな部分を掘り下げるこのインタビュー企画。芸人を志したきっかけ、デビュー時のエピソード、憧れの先輩などの話を聞く。
第2回に登場するのは、お笑いサークル「早稲田大学お笑い工房LUDO」に所属する現役大学生でありながら、今年7月に開催された「第44回ABCお笑いグランプリ」の決勝に進出した
取材・
フルーツポンチで爆笑する父
──お笑いに目覚めたきっかけは?
父がメディア関係の仕事をしていて、「M-1グランプリ」のDVDが実家にあったんです。小学生のときにそれを何回も観ているうちにお笑い好きになりました。2004年の
──お父さんもお笑いが好きだったんですか?
父はどっぷりお笑いに浸かってるわけではなかったんですが、家族で「爆笑レッドカーペット」(フジテレビ系)を観ているときは
──その頃のお気に入り芸人は誰でしたか?
──サイクロンZさんは小学生には堪らないですよね。
そうですね。大好きでした。
──自分も芸人をやってみたいという思いもその頃から?
いや、そのときはまったく思っていなかったです。クラスのお楽しみ会で出し物をちょっとやるくらい。芸人になるなんて現実感がなくて、「なれたら、そりゃいいけど……」みたいな感じでした。
──高校生のときは「ハイスクールマンザイ」(高校生向けのお笑いコンテスト)にも出たんですよね?
はい、友達と組んで出ました。そのときの相方がめっちゃ嘘つきで体が柔らかい子で(笑)。「このキャラクターがあれば絶対勝てるぞ!」と思ったんですけど、実際は2回戦くらいで敗退してしまいました。それもあって本気で芸人を目指そうとは思ってませんでした。
記憶に残る相方の言葉「うん、誰か困るんだっけ?」
──大学生になると、現在も所属しているお笑いサークル「早稲田大学お笑い工房LUDO」に入ります。これはどういう経緯で?
高校生のときには、まず「上京したい」という願望があって、そのための目標が「早稲田大学に行ってLUDOに入る」だったんです。
──LUDOに入るために受験勉強をしていたといっても過言ではない。
そうですね。お笑いサークルもいろいろあるんですが規模が一番大きいのがLUDOだと聞いていたので、そこを目標にしました。
──実際に入って勉強との両立はできましたか?
最初は不安だったんですけど、僕の学部がそこまで大変じゃなかったので、サークルの部室に入り浸ってても両立できました。4年生は就活を始める前にサークルを卒業すると思うんですけど、LUDOのシステムは特殊で、4年生の3月まで活動していいんです。最後に「3月ライブ」というものがあって、卒業ギリギリまで活動できるのも魅力です。
──LUDOで記憶に残ってる出来事はありますか?
僕が組んでる漫才コンビ「Let Me Show You THE まごころ」の相方・ピポット福田が失恋しちゃって、それがけっこう傷つくような別れ方だったんです。翌日、僕の家にサークルのみんなで集まって福田を慰めてたんですけど、彼が落ち込みすぎて「みんなの顔を見たくない」ってベッドの下に頭を突っ込んで寝始めて。福田のズボンのチャックが開いてたので、きやすく話しかけられない空気だったんですけど、恐るおそる「チャック空いてるよ」って言ったら、すぐに「うん、誰か困るんだっけ?」って返ってきたんです。「タフだな」って思いました。こんな状況でもみんなを笑わせてくれる。あれはお笑いサークルに入ってよかったなと思う出来事でした。ちなみに「うん、誰か困るんだっけ?」というセリフは自分のネタにも採用しました。オチのセリフにそのまま使っています(笑)。
──その後、友田さんは大学在学中に現在の事務所「GATE」に所属します。どのような経緯で入ることになったんですか?
編集部注:GATEは中島健太、ベッキー、森カンナといった面々が所属する事務所。芸人で所属しているのは友田オレとリンドバーグで、2組ともLUDO出身。
学生芸人の大会に出たときのネタ動画「私の彼は左きき」を何の気なしにYouTubeにアップしたら、お笑いフリークの方が見つけてくださって、芸人さんも話題にしてくれて、最終的に藤井健太郎さんがツイートしてくれたんです。ありがたいことにそこから僕の名前が広まって、3カ月後くらいにGATEに声をかけてもらいました。
──プロの道に進むのはそれなりの覚悟も必要だと思いますが、事務所に入ることを決めたきっかけは?
大学生だったので、単純に猶予があるというか(笑)。あと自分はがっつくタイプではないので、芸人がたくさんいる事務所に入っても埋もれてしまう気がしていて、だったらここ(GATE)に飛び込んでみようかなと思いました。
ロバート秋山や友近のカッコよさ
──大学生お笑いの同期で面白いと思う人を教えてください。
伝書鳩というトリオ。今はセミプロみたいな感じで活動してるんですけどネタが完成されていて、「UNDER5 AWARD」でも準決勝まで進んでいました。あとは青山学院大学のお笑いサークルに所属しているパトカーというピン芸人。ハウスミュージックのような曲をバックにして、本人はしゃべらずに動きで笑わせるネタをしていて、それがすごく面白いです。ネットに動画がアップされていないので、ぜひ生で見てほしいです。
──すでにプロになっている若手芸人だと誰が面白いですか?
吉本興業の3年目のシノブというコンビ。櫻井さんがLUDO出身の先輩で7期くらい上なんです。
編集部注:シノブ櫻井は「ホットパンツマン」という名前で活動しており、大学生お笑い界では名の知られた存在だった。村民代表南川は「頭に残る名前」としてホットパンツマンの名前を挙げている。
──シノブは「UNDER5 AWARD」の準決勝でもエキセントリックな漫才をしていて面白かったです。淡々としつつも狂気的な感じが友田さんのネタに通じるものがある気がします。
本当ですか? 確かにボケの(森山)社若さんに雰囲気が似てると言われたことがあります。シノブさんの漫才はすごく好きだし、ご本人としゃべっても楽しいので、うれしいです。
──さらに芸歴が上の先輩で憧れている人はいますか?
<後編に続く>
友田オレ
2001年生まれ、福岡県出身。お笑いサークル「早稲田大学お笑い工房LUDO」に所属する現役大学生のピン芸人。YouTubeチャンネルにアップされた動画がお笑いファンの注目を集め、「あらびき団」(TBS系)や「ぴったり にちようチャップリン」(テレビ東京)といったネタ番組に出演する。2023年7月には「第44回ABCお笑いグランプリ」の決勝に進出した。
お知らせ
「UNDER 25 OWARAI CHAMPIONSHIP」 準決勝 グループJ
日時:2023年8月27日(日)16:45開場 17:00開演
会場:東京・シアターマーキュリー新宿
料金:前売1800円
チケット:チケットぴあで販売中。
<出演者>
MC:真空ジェシカ
第1試合:ノコノコみさき / ガールズナイト
第2試合:赤にしん / 美魔女
第3試合:清水駿平 / 友田オレ
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