ぜったくん新曲に遅刻の神様・金田哲が降臨、異色コラボにあふれる睡眠欲と男子共通の妄想

ぜったくんが新曲「WAKE me UP!!! feat. はんにゃ金田哲」を配信リリースした。

東京は町田生まれの町田育ち、ラッパーでトラックメイカーのぜったくん。60'sのロックンロールっぽいギターリフの上で、「Wake me! Wake me! Wake me up!」と歌われるキャッチーなメロディとは裏腹に、この曲のテーマは、ずばり「遅刻」。いくら寝ても寝足りない、こんなうららかな季節にはかわいい幼馴染に優しく起こしてもらいたい……そんな妄想が炸裂する、ぜったくんらしい楽曲だ。

ぜったくんが今回のコラボレーション相手として選んだのは、お笑い芸人のはんにゃ・金田哲。“遅刻魔”を自認する彼に“遅刻の神様”を曲中で演じてもらうなど、遊び心にも満ちあふれた作品に仕上がっている。お笑い番組を観て育ったぜったくんと、最近は音楽活動にも興味津々だという金田の2人に、遅刻や寝坊に関するエピソードなどについてたっぷり語ってもらった。

取材・文 / 黒田隆憲撮影 / 梁瀬玉実

ぜったくんがスーパースター・金田哲にオファー

──お二人の交流はいつ頃から始まったのですか?

ぜったくん ホント、レコーディングの2、3週間前とかでしたよね?

金田哲(はんにゃ) たまたま僕がYouTubeの企画で「音楽に携わりたい」みたいなことを話したら、その翌日くらいにマネージャーから「ぜったくんさんからコラボの依頼が来ています」という話をもらって。もちろん、ぜったくんの存在はTikTok経由で知ってたんですけど。

ぜったくん それをあとから聞いて、本当にうれしかったです。

金田 いや、こちらこそです。それで初めて会ったのがレコーディング初日だったんだよね。お互いに知っていたというのもあるけど、なんだか不思議な感じがしました。

左からぜったくん、金田哲。

左からぜったくん、金田哲。

ぜったくん というか、僕らの世代は「爆笑レッドシアター」(フジテレビ系で2009~2010年放送)を観て育ったようなものだから、金田さんはスーパースターですよ。初めてお会いしたときは「本物だ!」って思いましたもん(笑)。

金田 「ピラメキーノ」(テレビ東京系で2009~2015年放送)とかを観てくれていたのが、小学生か中学生くらいの頃だったんでしょう?

ぜったくん 中学生の頃ですね。それはもう衝撃でした。当時の自分が今の状況を知ったらとんでもなく驚くだろうなと思います。

金田 当時は中学生かあ。大きくなったな!

ぜったくん あははは。

ぜったくん

ぜったくん

「ニートtokyo」も観ていた

──金田さんがYouTubeで「音楽に携わりたい」と発言したのはどんな心境からだったんですか?

金田 単純に好奇心ですね。これまでコメディアンだけでなく役者もやらせてもらい、さらに“アイドル”として吉本坂46のメンバーにもなったので「次はシンガーだろう」と。歌唱力にはそんなに自信がないけど、音楽は大好きだしチルヒップホップのラッパーにはなってみたいと思っていたんです。そういう流れで「ニートtokyo」とかも観ていて、実はそこでもぜったくんのことは認識していました。

ぜったくん ありがたいですよね。まさか「ニートtokyo」を観てくださっていたとは。

金田 なので、ぜったくんが会社員になった途端に辞めたエピソードも知っています。

ぜったくん あははは。金田さんにとっては「ニートtokyo」のときの僕の印象が強かったみたいで、初めてお会いしたときに「丸くなった?」と言われたんですよ。てっきり僕は「太った?」という意味でおっしゃったのかと思って(笑)。

金田 しばらくはボタンのかけ違いトークが進んでたよね。

ぜったくん しかも僕、当時もそんなに尖ってはいないんですよ(笑)。あの番組の編集の仕方でそういうイメージに見えただけで。

金田 いや、だからお会いするときは緊張してたんです。会っていきなり殴られたらどうしよう?って(笑)。でも実際は本当にいい子で、センスも素晴らしく「カッコいい男だな」と思いました。

ぜったくん 僕は金田さんと初めてお会いして、本当にテレビで観たまんまだと思いましたね。裏表がまったくないし、ものすごく優しいし。

金田 まだ裏の部分を出してないだけかもよ?

ぜったくん

ぜったくん

金田哲

金田哲

遅刻してよかったこと、それはただ1つ

──今回、ぜったくんが金田さんにコラボのオファーを出したのはどんな経緯だったのですか?

ぜったくん 新曲のタイトルが「WAKE me UP!!!」なんですけど、まずサビが最初にできて「テーマはどうしよう?」と思ったときに、「Wake me up!!」と歌っているから「遅刻にしよう」と。で、ゲストを呼ぶなら誰がいいのか考えたときに、真っ先に思い付いたのが金田さんでした(笑)。金田さんといえば、遅刻のイメージがすごく強くて。

金田 遅刻していいことなんて1つもないし、遅刻は絶対に本人が悪いんですけど、唯一遅刻してよかったと思ったのは、今回こういうオファーが来たことですね。この曲で“遅刻の神様”として降臨できたのは遅刻してきたおかげというか。「遅刻魔の金田」というイメージがようやく実を結びました(笑)。

ぜったくん そもそも“遅刻魔”のイメージが広まったのはどうしてだったんですか?

金田 確かキングコングの西野(亮廣)さんの番組で「遅刻でトチった」みたいな話をしたのがネットニュースになって広まったんだと思う。まあ、遅刻に関しては何を言ったところで言い訳になっちゃうんだけど、これだけは言わせてほしい。遅刻をしていたのは、毎日2時間睡眠が2年半続いていたときの話!

金田哲

金田哲

ぜったくん 2時間睡眠を2年半……その状況じゃ起きられなくなりますよね。言い訳とか通り越して生理現象として当たり前というか。

金田 “寝た”という記憶すらないんですよ、“落ちた”という感覚に近い。で、気付いたら遅刻していたという。でも、それを遅刻した側が言うとやっぱりダメなんだよね。第三者が言うことであって。なので、繰り返しになるけど遅刻は、絶対に、ダメです!