ぜんぶ君のせいだ。|7人で歌うことで生まれ変わるグループ歴代の楽曲たち

全員で歌うことに意味が出てきた

──再新録するにあたって、それぞれが改めてレコーディングしているのはもちろん、歌割りも大きく変わっていますよね。特にアルバムの1曲目を飾る「Cult Scream」にはそれが顕著に表れていると思います。

ぜんぶ君のせいだ。

愛海 特に大きく変わったのは「ひとりで戦って そう思ってきたけれど」のところですね。以前の音源では、まし(ましろ。2020年9月に脱退したメンバー)が1人で歌っていたんですが、今の体制になって、このパートを全員が歌うようになったんです。もともとライブではマイクを患いさんに向けて歌ってもらっていたんですけど、ここ最近のライブではそうもいかなくて。メンバー全員で歌うようにしていたら、音源でも全員で歌うことになりました。

十五時 「ましが歌うパート」という印象が強すぎて、再新録で誰が歌うのかすごく気になっていたところなんです。だから歌割りに「全員」って書いてあってちょっと鳥肌が立ちました。

メイ どのメンバーもぜん君。に入る前はそれぞれ1人で孤独に戦ってきた人ばかりなんですよね。だから「ひとりで戦って そう思ってきたけれど」という歌詞は、全員歌うことになっても全然違和感がなくて。むしろ全員で歌うことに意味が出てきたような感覚のほうが強いんです。

愛海 この曲に限らず、何年も前に書かれた歌詞なのに、今の世の中の状況とか、私たちの状況にすごく合ってる歌詞が多いんですよね。「Cult Scream」は特にそれを感じる曲かもしれない。

──「Cult Scream」で如月さんが担当する“語り”の部分も大きく変わったと思います。より感情的になったというか。

愛海 以前は少し淡々と、そこからテンションを上げていくためのパートだと思って歌っていたんですが、今回のレコーディングでは最初から熱く歌っていいなと思って、歌い方の根本を変えました。

 語りのパート、ちょっと長くなったよね。

愛海 うん。気持ちを入れたら長くなっちゃった(笑)。私の語りと喑の歌が被る瞬間があるんですけど、どっちも邪魔し合ってないんですよね。声量的に両方負けないタイプなので(笑)。だから歌が被ってもライブでやりやすいんですよ。

 私は十五時と喑の語りも好きだな。

十五時 まさか自分が語りをやるとは思ってなかったからビックリしました。十五時はゆっくり間を取って歌うタイプだから、畳みかけるような語りのレコーディングにけっこう苦戦して……。

 ねちはどっちかと言うと早口になっちゃいがちなので、十五時に感化されてちょうどいいペースで歌えたかもしれない。

愛海 十五時が低くてハスキーな歌声だからか、甘福氐が十五時に合わせていつもと違う歌い方をするんですよ。そこがすごくよくて。

 先に十五時がレコーディングをしてたから、何度も聴いて歌い方のペース感とか声の出し方を分析してレコーディングしました。

十五時 えー、すごい! ありがとう!

愛海 めちゃくちゃ聴きどころが多いんですが、実は歌詞になっていない遊びもたくさん入っていて。

ふふ 「蛍光灯」とかでしょ?

愛海 そう。後ろのほうで「ぼっこぼこー」とか。

 「なんか変な音鳴ってるなあ」と思ってよく聴いたら、レコーディングのときに録った覚えのない言葉が随所にちりばめられていて。細かく聴いてもらっていろいろ発見してほしいですね。

「唯君論」にピリオドを打つ

──これまでグループの変遷に合わせて歌詞を変えてきた「唯君論」は、今回の再録アルバムで「唯君論.」という曲名に変わりました。曲名にピリオドを打つというのは、特別な意味合いが込められていますよね?

愛海 「Q.E.D.mono」のインタビューのときにお話しした「この体制がぜん君。の最終形態」という思い(参照:ぜんぶ君のせいだ。7人体制での“再新録再定義”アルバム「Q.E.D.mono」発売記念インタビュー)は変わらないんです。この曲はオリジナルの「唯君論」のほかに「唯君論。」、「唯君論。(ZKS EDIT)」、「唯君論…」と多数のバージョンがあるんですが、7人になってついにピリオドを打ちました。この曲は7人全員の自己紹介が入っていて、ようやく「唯君論」が完結した、みたいな感覚があるんです。

十五時 7人分のソロに患いさんたちに向けて歌うパートまであるから、単純にボリュームが増した曲だよね。

ふふ ライブではソロが多いから大変だよね(笑)。すごく賑やかな曲になった。

ぜんぶ君のせいだ。

 やっぱり自分に宛てて歌詞を書いてもらえたのがうれしいよね。

 そこだけは絶対に自分の思う通りに歌ってやろうって気持ちになる。

个喆 自分にしか歌えない、歌わせない!って思っています。

ふふ 確かにほかの人が歌ったら変だよね。

愛海 ほかの人はふふの歌とか歌えないから(笑)。「笑った刻 それが名前」という歌詞は、ふふの笑い方が歌詞の元ネタになっているんです。現実のふふは「デュフフ」って笑うんだけど。

ふふ 自分の笑い方って自分では変だと思ってないから、この歌詞をもらってから「あ、こんなふうにいつも笑ってるんだ」と自覚して、以前よりもっと笑うようになった気がするんです。自分の笑い方に自信が付いたというか。この歌詞を書いてもらうことでようやく“雫ふふになれた”と思いました。でもどうしても「デュフフ」って笑っちゃう。

──名前が「雫デュフフ」じゃなくてよかったですね(笑)。

ふふ 本当にそうですよね。デュフフだったらいろいろぶち壊しちゃってただろうし……。

 もしそうだったらパンチが強すぎるから(笑)。