イントロは変えない
──悠馬さんにとっての処女作「カーテン」は今回、アーティストデビューにあたってブラッシュアップさせた形でリリースされました。制作はいかがでしたか?
レコーディング前にプリプロダクションの時間をじっくり取らせていただいたんですよ。そこでプロのクリエイターの方々と一緒に、細かい部分に手を加えていって。例えば、もともとの歌詞は助詞が多くて説明的すぎたので、そこをちょっと手直ししたり。メロディに関しても原曲はもっとラップ色が強くて、あまり抑揚がなく平坦な感じだったので、もうちょっとメロディっぽくしていきつつ、サビでの盛り上がりをしっかり作っていきました。
──クレジットを拝見すると、作曲はYAZZY BEATSさん、Ryota Saitoさん、Akira Sunsetさんとのコライトになっていますね。
はい。最初は譜面を見ながら意見を出し合ってたんですけど、「実際に歌いながらやってみたほうがいいよね?」という話になって。緊張しながら皆さんの前で僕が歌って、それをもとにいろいろ手を加えていった感じでした。自分の作った曲がどんどんよくなっていくのが感じられて、プリプロの時間は本当に楽しかったです。いろんな面で勉強になることばかりだったし、毎日でもしていたいです(笑)。
──アレンジもそのお三方がコライトで手がけられています。悠馬さんからリクエストしたことはありましたか?
最初のフリートラックの雰囲気をもとにアレンジしていただいたんですけど、基本的にはもうめちゃくちゃカッコいいものにしていただけたと思っていて。ただ1つ、イントロの部分だけは僕の意見を言わせていただいたんですよ。上がってきたアレンジだと、すごくおしゃれなイントロになっていたんですけど、この「カーテン」はコムドットの動画のエンディングで前から使っていたもので。
──悠馬さんが最初に作ったフリートラックバージョンが使われていたんですよね。
そうなんです。ファンの方はその印象が強いと思うので、そのイントロが変わりすぎてしまうと驚かせてしまうかなと。なので、イントロ部分に関してはもともとの雰囲気のままにしてもらいました。まるっきり同じではないんですけど、ファンの方には、「あ、『カーテン』だ!」と気付いてもらえるイントロになっています。
コムドットファンに胸アツをお届け
──歌詞の面では助詞を削るなどの手直しをしたとおっしゃっていましたが、もっと大きく手を加えた部分もあったそうですね。資料を見ると、「24歳になった悠馬と当時18歳の悠馬、時を超えた2人がコライトした」という一文が書かれています。
さっきもお話した通り「カーテン」は恋愛ソングとして作ったものなんですけど、今回のリリースに合わせて最後のパートだけ丸ごと書き換えたんです。最後だけはコムドットに対しての思いを乗せた歌詞にしました。
──ラブソングとして恋人を“Bible”に例えていた中、ラストだけはメンバーに対して「お互いがBible」と歌っていますね。
はい。お互いを大事な“Bible”だと思い合うコムドットを車に例えていて。ハンドルがリーダーのやまと、ほかの4人がタイヤとなって、ここからもコムドットという車を走らせていくよっていう思いを最後に歌おうと思ったんです。この曲は今の僕くらいの社会人の人にぜひ聴いてほしいラブソングですが、最後の部分だけはコムドットのファンの人たちに胸アツをお届けしようと(笑)。
──メンバーも感動してくれそうですよね。
喜んでくれました。最初に聴いたときは「あれ、ここの歌詞変わってね?」くらいな感じでしたけど、何度か聴くうちに「これ、俺らのことじゃない?」と気付いてくれて。僕の思いが伝わったのがうれしかったですね。
──ボーカルレコーディングはいかがでしたか?
めっちゃ楽しかったです。もともとの音源はけっこうボソボソ歌ってる感じだったんですけど、メロディに手を加えて、「口角を上げて歌ったほうがいいよ」というアドバイスをいただけたことで、かなり透き通ったボーカルになったと思いますね。
──歌のニュアンスで大事にした部分はありました?
低いトーンを効果的に使いつつ、全体的にはさわやかな雰囲気を出そうと思いました。歌詞のフレーズに合わせて、「差し込む光」のところであれば、ちゃんと光を感じられる声にしようと意識しましたね。そういう表情に関しても、スタッフの方々といろいろ話しながら決めていけたのが楽しかったです。ただ、レコーディングは1発目からかっ飛ばして歌っていたんですけど、テイクを重ねるごとにだんだんキツくなってきて(笑)。歌うのってこんなに体力を使うものなんだなっていう学びがありました。とは言え、全体的にはすごく順調に進んで、3時間くらいで終わったのかな。「初めてにしてはスムーズに進んだね」と言っていただくことができて安心しました。
夢はでっかくドームライブ
──初めて作った曲がこれだけ素晴らしい作品として世に出ることになったのは、ご自身にとっても感慨深いことですよね。
本当にそう思います。こんな大満足の仕上がりになったのはもちろん、いろいろな方の力を借りたからではありますけど、その元となる曲を作った自分をちょっと褒めてあげたい気持ちはありますね。今の24歳の僕から、「18歳の悠馬、やったな!」って言ってあげたい(笑)。
──アーティストとして、ここからどんなふうに歩んでいきたいですか?
まずはもっともっと曲を作らなきゃダメですね。ずっと継続して曲作りはやってるんですけど、ナチュラルに出てくるのはテンポがゆったりとしたバラードが多いんですよ。でも、皆さんの前で披露する機会があれば、ガッツリ盛り上がる系の曲も必要ですから、いろんなタイプの曲をどんどん作っていこうと思います。同時にボーカル面ももっと磨きをかけていきたい。ぶっちゃけ今はまだ自分の歌にそこまで自信があるわけじゃないので、ここからはボイストレーニングに通ったりしながら、しっかり修業を積んでいきたいです。
──曲が増えていけば、ライブもぜひ観てみたいです。
やりたいですよね。特にツアーで全国を回ってみたい気持ちが強くて。その土地ごとのファンの人たちと触れ合いつつ、おいしいものもいろいろ食べたい(笑)。ライブはバンドでやってみたいですね。一応、デビューするにあたってアコースティックギターは買ったんですけど、全然練習する時間がなくて。まだまったく弾けないんですけど、いずれはライブで披露できたらいいなと思います。ある意味、第2の人生がここからスタートするような感覚があるので、生涯を懸けて歌い続けていこうと思います。で、最終的には夢はでっかく、アーティスト悠馬1人で、ドームでライブをやってみたいです。
プロフィール
悠馬(ユウマ)
1998年12月14日生まれ、東京都出身。5人組YouTuber・コムドットの“歌うま担当”として活動中。2023年5月に本名である“悠馬”名義でアーティストデビューし、ユニバーサルミュージック内のPolydor Recordsからメジャーデビューシングル「カーテン」を配信リリースした。
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