コムドットゆうま「悠⾺」としてユニバーサルからメジャーデビュー!胸アツな歌詞を追加した「カーテン」を語る

5人組YouTuber・コムドットのメンバーゆうまが、本名である“悠馬”名義でアーティスト活動開始。5月1日にデビュー曲「カーテン」を配信リリースした。

「カーテン」は悠馬が18歳の頃に、ネット上のフリートラックを用いて作詞作曲したラブソング。そこから約6年の時を経た今、24歳の悠馬がYAZZY BEATS、Ryota Saito、Akira Sunsetら気鋭のクリエイター陣とともにこの曲をブラッシュアップし、満を持して世に放った。楽曲のラストに、コムドットへの思いを注いだ新たなリリックが加えられたことで、“18歳の悠馬”と“24歳の悠馬”が時を超えてコライトをしたことも注目ポイントだ。

音楽ナタリーではアーティスト・悠馬の初インタビューを実施。コムドット・ゆうまとはベクトルを異にするクールな表情で、真剣に音楽活動への思いを語る彼の言葉に、あらゆる先入観や偏見を取っ払って、まずは耳を傾けてほしい。

取材・文 / もりひでゆき撮影 / 斎藤大嗣

いつか自分の曲をみんなに聴いてもらいたい

──悠馬さんはこれまでどんな音楽を好んで聴いてきたんですか?

もともと坂道系のアイドルが好きでよく聴いていました。あとは、地元の友達がヒップホップやラップミュージックが好きで、車の中でよく流しているので、その影響でいろんなジャンルの音楽を聴いてきていると思います。洋楽に関しては、そのときどきの流行っている曲に触れるくらいですね。

悠⾺

──そんな中で自分でも音楽をやってみたいという気持ちが芽生えたきっかけは?

僕は楽器が弾けるわけでもないし、音楽的な知識もまったくなかったので、自分にできるわけがないとずっと思ってたんですよ。でも地元で一時期、フリートラックを使って曲を作る遊びが流行ったことがあって。コムドットの動画にもときどき出てくるかなたという友達が最初にちょっと面白い恋愛ソングを作って、その流れであっちゃん(あむぎり / コムドット)も曲を作ったんですよ。

──それで悠馬さんもやってみようと思ったわけですね。

はい。音楽的な知識がなくても作れるのであれば、僕にもできるんじゃないかなと思って。18歳だった当時、自分なりに韻を踏んだ歌詞を書き、ちょっとラップっぽいニュアンスのある曲を初めて作ってみたんです。それがデビュー作「カーテン」の元になった曲で。

──オリジナルを1曲完成させたことは大きな自信にもつながったんじゃないですか?

そうですね。「あれ? 意外とできるかもしれないぞ」と思って。そこからちょこちょこ曲作りをするようになっていきました。現状、フル尺の曲になっているのは2曲くらいかな。ほとんどはYouTubeでも公開しているんですけど、今後はそれをしっかりブラッシュアップして、ちゃんとリリースしていきたいと思っています。

──メロディはすぐに浮かびますか?

意外とすぐ出てきますね。思い浮かんだ歌詞を口ずさんでいると、自然とメロディが出てくるというか。僕の場合、歌詞を全部書いたあとにメロディを当てはめるのではなく、一緒に出てくるスタイルなんだと思います。なので、曲の方向性はビートやトラックの雰囲気に引っ張られて決まることが多いかな。「カーテン」のあとにできて、YouTubeでも公開したことのある「Look at sea」も同じ作り方でした。

──フリー素材のビートやトラックを選ぶ際、悠馬さんなりの基準は何かあったんですかね?

友達の影響でラップミュージックに触れてはいましたけど、そこまでヒップホップにどっぷり影響を受けているわけではなく、ちょっときれいめで軽いノリのいいトラックが好みなんです。だから「カーテン」のトラックにしても、ちょっとシティポップっぽい雰囲気のものを選びました。

──「カーテン」の歌詞では、社会人の恋愛模様が描かれていますよね。当時18歳だった悠馬さんとして、そこにどんな思いを込めたんですか?

恋愛の曲にしようというのはすぐ決まったんです。でも当時の自分はそこまで恋愛経験が多くなかったし、実体験のラブソングを地元の友達に聴かれるのはちょっと恥ずかしかったんです(笑)。だから歌詞は全部妄想で書くことに決めて。しかも等身大ではなく、ちょっと背伸びした、今の自分くらいの年齢(24歳)の主人公にして書きました。

──自ら作詞作曲ができることがわかってからは、アーティストとして活動したい気持ちが膨らんでいった感じなんですか?

いや、「カーテン」ができた頃は、自分の曲がすごいものだとは全然思ってなかったんですよ。あくまでも友達に聴かせるための遊びの一環というか。音楽を仕事にしたいなんて気持ちはまったくなかったです。ただ、そのあとにコムドットとしてYouTubeをやるようになってからは、いつか自分の曲をみんなに聴いてもらいたいという思いが芽生えてきました。

え、マジ? ユニバーサル!?

──YouTuberとしての活動の中で、悠馬さんの歌のうまさがフォーカスされることがたびたびありました。そのことが音楽活動を始めたいという気持ちを後押ししてくれたところはなかったですか?

確かにそれはあったかもしれないですね。コムドットのチャンネルでは貸し出し企画というシリーズがあって。メンバー1人がほかのチャンネルに出演して、いろんなことをやるという内容なんですけど、僕の場合はそこで“歌ってみた”をやらせていただくことが多くて。その反響がけっこう大きかったので、歌をもっとちゃんとやってみたいなっていう気持ちになりましたね。歌がうまいYouTuberを観ると、「俺ももっとうまくなりたいな」と思うようにもなりましたし。そう考えるとYouTubeをやっていく中で、徐々にアーティストになりたいという気持ちが大きくなっていったんでしょうね。

──じゃあ、アーティストデビューが決まったときは相当うれしかったんじゃないですか?

すっごくうれしかったです。コムドットの動画を観てくれたユニバーサルミュージックの方から「歌をやってみない?」と言ってもらえたときは、「おおー! ついに来た!」と思いましたね。僕の中のアーティスト活動をやってみたい気持ちが一番高まっているタイミングでもあったので、「ぜひお願いします!」って感じでした。

──一切の迷いもなく返事をしたわけですね。

いや、1割ぐらいは「こんな大きいレコード会社に所属させてもらっちゃって大丈夫なのかな?」という気持ちはありました。「ヤベーぞ、これ」みたいな(笑)。でも1回限りの人生ですからね。せっかくいただいたチャンスなので、がんばりたいと思いました。

──コムドットのメンバーも喜んでくれました?

「え、マジ? ユニバーサル!?」って最初はみんな驚いてました(笑)。すぐに応援してくれるモードになって、「今日、レコーディング行ってくるわ」とか言うと、「おー、がんばって!」と温かく送り出してくれますね。

悠⾺

ゆうまは“おちゃらけ”、悠馬は“クールでカッコよく”

──アーティストとしては本名である漢字の“悠馬”名義で活動していくそうですね。そこにはどんな意図があるんでしょうか?

なんとなく「名義を変えたほうがいいのかな」というくらいで、そこまで深い理由があるわけではないんです。最初は“ノラ”っていう名前にしようかと思ったりもしてたんで。

──それはどんな理由で?

昔、推していたアイドルの子が栗好きだったんですよ。栗といえばマンガ「ONE PIECE」に出てくるモンブラン・ノーランドだなと。ノーランドから取って“ノラ”にしようかなと思ったんですけど、それは意味がわからなすぎるのでやめました(笑)。結果、漢字の悠馬でよかったと思っています。

──そこに深い理由がないにせよ、名義を変えることでコムドットの“ゆうま”と差別化がしっかりできるところがありそうですね。

そうですね。ひらがなの“ゆうま”はけっこうおちゃらけていて、のっそりしたキャラクターだと思うんですよ。でも漢字の“悠馬”はクールでカッコいいスタイルでいけたらいいかなと思っていて。名前が変わることで自分の中のスイッチが切り替わるというか。そこでのギャップをしっかり見せていきたい気持ちは強いですね。

悠⾺

──チャンネル登録者数410万人超のコムドットの認知度と影響力は計り知れないものがあると思います。だからこそ悠馬さんがアーティスト活動をするにあたっては、さまざまな偏見と闘っていかなければならない側面もあると思いますが、そのあたりはどう感じていますか?

悪い面で言えば「コムドットのゆうまだったら聴かない」という意見ですよね。そういう意見はあって当たり前だと思うので、そこはしっかり受け入れて、そういう人たちにも認めてもらえるように実力をつけていくしかないと思っています。どれくらい時間がかかるかわからないけど、アンチの人たちにさえも認めてもらえるアーティストになれるようがんばっていくつもりです。

──裏を返せば、コムドットファン以外の層にも悠馬としての音楽をしっかり届けたい気持ちが明確にあるということですね。

もちろんそうです。せっかくアーティストとして活動させてもらえることになったんだから、たくさんの方々に聴いてもらえないと意味がないですからね。

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イントロは変えない