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今までの曲の作り方とはぜんぜん違う
──そんなメンバー6人の中に沸々と眠るパンク魂を、抽出して凝縮させたのが「THE ReACTION E.P.」とも言えますよね。なんつっても圧倒されるのは、リード曲「A MAN FROM THE NEW TOWN」のテンションの高さ! JxJxがオルガン弾かないで叫んでるし(笑)。
JxJx 団地っ子の歌ですけどね(笑)。サウンド的には語弊があるかもしれないけど、スカコアをもう一回作ってみようって。ちょうどオペレーション・アイヴィーのアルバムも再発されたし、もう一回そういう表現……、よそのバンドじゃ絶対そういうのやらないだろうから、たぶんYSIGでやればいいかなって思ったんですよね。最初デモを作って持っていったら、ホントにスカコアで。俺も“スカコアです!”って言いながら再生ボタンを押してました(笑)。
モーリス 仮歌で歌詞もついてない状態でジュンくんが歌ってるのを聴いたら、まんまFRUITYじゃん!って(笑)。
JxJx それを2008年的にアップデートしていくのが面白いかなっていうのが、今回のテーマだから(笑)。昔のバンドがやってなくて、今ならできることってなんだろうって考えて、スカだけどリフが引っぱっていく感じとかかなって、さらっとできて。そういう意味では今までの曲の作り方とはぜんぜん違いますね。
モーリス 「THE HOT!」のときとは、曲の作り方もレコーディングの仕方も違って、4曲ともストレートに一発録りで。ある意味で今回のきっかけになったのは、「MOVE OR DIE」かも。それこそ、この曲はリフから作ったんですよね。「A MAN FROM~」とは逆に、リフが最初にあってそこから裏打ちにしていった。今までもスカを取り上げてきて、いわゆるジャマイカンなスカに仕上げないっていうのが目標だったんだけど、今回は縦にリズムが割れるような、また変わった雰囲気になって。
JxJx 「REACTION BABY」は、今までの俺たちがやりそうなシャッフルっぽい曲と、今までだったらやらないで終わってた、カチッとしたグルーヴの曲を合体させちゃおうっていう。後半で四つ打ちの感じになるんですけど、今までにないアレンジもアリ! ポップ・ミュージック的なコード進行もアリ!って。この曲が、これからアルバムに向けてやろうとしてることに近いかもしれないですね。
モーリス 粋な昔のグルーヴを、いかにして今に甦らせるかっていう……、個人的に大好きなんですけど、YMOってやっぱりそういうグループだったなって、あらためて思うんですね。細野さんのあの変わりようというか。マーティン・デニーとディスコを合体させたあと、ウルトラヴォックス聴いてやべぇみたいな感じて「Solid State Survivor」が出て……、触発される音楽がありながら、自分たちで何か作っていくっていう、その感覚を今のYSIGにも感じてるんです。
爆発寸前!今がバンドにとっての転換期
──これまでの活動の中でも、YSIGには転換期を感じさせる曲はいくつかあったと思うんです。だけど、この「THE ReACTION E.P.」ほど、サウンドに直結したものはなかったっていうか。それが10年目に差し掛かった今の時期に出てきたのが、なんとも面白いところじゃないかなって思うんですよね。
モーリス うん、10年目にして今が一番フレッシュな音かもしれないですね(笑)。
──今回のE.P.には、初回盤に今年1月にあった最新ライブ映像が収録されたDVDが付いてますけど、これだけのライブバンドなのに、ライブDVDってオフィシャルには初めてなんですよね。
JxJx そうなんですよ。これはちょうど、今回のEPの制作に入る直前のテンションでやってるライブなんですよね。だから、このライブDVDを観た後にCDをかけて、“この人たちはああいうライブの後にこういう曲を作ったんだ”って聴いてもらえると、いい流れだと思います(笑)。そういう爆発寸前な匂いがプンプンしてるライブ映像だと思います。あと、DVDのボーナストラックとして、年内に発売される予定の、俺らの10周年記念DVDから予告編が入ってて。10年前からの映像が編集されてるんですけど、これ観ても、まあいろいろやってきたなと(笑)。こんなんだったんだ、俺たちって(笑)。これまで自分の活動は冷静には考えてなかったし、なんつうか、常に過渡期っていう(笑)。だから、なかなか新鮮なものがあって、この予告編は何回も観ちゃいましたね。
──たしかにそう思うと、YSIGには、これだ!ってひとつのジャンルやスタイルに落ち着けるサウンドがないというか、それを見つけたとしても、もっと違うものができるんじゃないか?って、また新たなサウンドを追究しはじめるような、いい意味でのケツの軽さがあるところがいいんだろうなって思うんですよね。そこが、JxJxの言うところの「常に過渡期」っていうところにつながるのかもしれない。
JxJx でもね、決して飽きっぽいとかじゃないんですよね。ライブやレコーディングをやることによって、新たに見えてきてしまうっていうね、何かが。それに向かって、ただただ前進してるんだって、DVDの予告編の映像で振り返ってみて、あらためてそんな気がしましたね。その上で、今回は本当に、何年かに一度の、バンドにとっての転換期が来てるんだって思うんです。
初回限定盤(CD+DVD)
2008年4月23日発売 / 1575円(税込)
UPCH-89023 / KAKUBARYTHM/NAYUTAWAVE RECORDS
通常盤(CD)
2008年4月23日発売 / 1260円(税込)
UPCH-80073 / KAKUBARYTHM/NAYUTAWAVE RECORDS
*初回限定盤は、最新ライヴ映像(2008年1月14日@恵比寿リキッドルーム)8曲と、年内に発売予定の10周年記念DVDから超早出しの予告編(必見!)を収録したDVD付き2枚組
CD収録曲
- A MAN FROM THE NEW TOWN
- MOVE OR DIE
- 10 INCH STOP
- THE REACTION BABY
DVD収録内容(初回盤のみ)
- SUPER SOUL MEETIN’
- 6人は南を目指す
- JUMP UP!SHINBASHI JUMP UP!
- 10 INCH STOMP
- あいつによろしく
- ブガルー超特急
- THE OUTRO
(予告編)
超!予告編 10th anniversary Special DVD Trailer
配信
PC 収録曲4月23日配信開始
着うた 収録曲4月23日配信開始
プロフィール
YOUR SONG IS GOOD
(ユア・ソング・イズ・グッド)
FRUITYのヴォーカルだったサイトウ“JxJx”ジュン(オルガン担当)と、NUTS & MILKのヨシザワ“モーリス”マサトモ(ギター)、シライシコウジ(ギター)、タナカ“ズィ~レイ”レイジ(ドラムス)らが結成したSCHOOL JACKETSが母体となり、1998年結成。2001年、ハットリ“ショーティ”ヤスヒコ、タカダ“ダ~タカ”ヒロユキが加入し現在の布陣に。一時期はポスト・ロックに傾倒していたりと試行錯誤を経て、ダンス・ミュージックをプレイすることに落ち着いた彼らは、その後、アツいライヴ・パフォーマンスで観客を集め、現在では野外フェスなどに引っ張りだこの存在に。4月23日にはセカンド・シングル『THE ReACTION E.P.』をリリース。5月3日の名古屋クラブクアトロを皮切りに、全国11ヶ所をまわるツアーを開催。各地、赤犬やSPECIAL OTHERS、サンボマスターなど多彩な対バンゲストを予定。東京は5月18日@渋谷クラブクアトロ(w/Frontier Backyard)