吉田山田「桜咲け」 PR

吉田山田|初のアニメタイアップで見えてきた10周年の先

吉田山田がニューシングル「桜咲け」をリリースした。

表題曲「桜咲け」は現在放送中のアニメ「火ノ丸相撲」のエンディングテーマで、吉田山田にとって初のアニメタイアップ曲。カップリングにはCharisma.comによる「押し出せ」のリミックス音源「O・SHI・DA・SE -Remixed by Charisma.com-」が収録されている。今回のインタビューでは、「週刊少年ジャンプ」で連載中の「火ノ丸相撲」の読者であり、今も昔も「週刊少年ジャンプ」のファンだと話す山田義孝(Vo)の“ジャンプ愛”が爆発。初のアニソン制作に挑んだ2人の熱意、そして今年10月にデビュー10周年を控える現在の心境に迫った。

取材・文 / 倉嶌孝彦 撮影 / 星野耕作

吉田結威(G, Vo)
吉田結威(G, Vo)

「いつかジャンプに載りたい」が叶った

──「桜咲け」は吉田山田にとって初めてのアニメタイアップ曲です。兼ねてからアニソンを手がけたいという思いはあったんですか?

吉田結威(G, Vo) 僕らにアニメソングのイメージはないかもしれないんですが、僕も山田もずーっと「いつかはアニソンを」と思い続けてきたんです。ポニーキャニオンさんがアニメに強いレーベルということもあって期待はしてたんですけど、なかなか実を結ぶことがなくて。以前スタッフさんには「J-POPを聴くリスナーとアニソンを聴くリスナーは分かれていて、吉田山田はJ-POP寄りのアーティストなんだ」と言われたことがあったんです。だから僕らは映画やドラマといった実写作品のほうが合うのかなあ、なんて思っていたんですよ。でもここ最近はJ-POPとアニソンの垣根がなくなりつつあるみたいで、僕らにもこういうお話をいただけることになりました。

山田義孝(Vo) 僕は子供の頃から「週刊少年ジャンプ」の読者だから、まずジャンプアニメのタイアップであることが本当にうれしくて。小学校の頃、マンガ家になるのが夢で、ずっと絵を描いているような子供だったんです。当時は「いつかジャンプに載りたい」と思っていたんですけど、今回タイアップが決まったときに吉田山田としてジャンプの誌内で紹介していただいて。まさかこういう形で夢が叶うとは思っていなかったです(笑)。

──今でもジャンプを読んでいる山田さんは、以前から「火ノ丸相撲」も知っていたわけですよね?

山田 もちろんです。僕、相撲も好きだったから「火ノ丸相撲」みたいな相撲マンガがジャンプに載ること自体がうれしくて。「火ノ丸相撲」は“友情・努力・勝利”っていうジャンプのイズムをちゃんと継承した作品なんですよ。主人公の潮火ノ丸は背が小さくて相撲に向いていないけど、それこそ努力と仲間たちとの友情で勝利を勝ち取っていく。本当に大好きなマンガです。

吉田 僕はタイアップのお話をいただいてから「火ノ丸相撲」に触れたんですけど、まずキャラクターのガタイがいいのにカッコいい絵に惹かれました。最近のキャラクターって細い人たちが多いんですよね。美形で細くて運動神経がいい、みたいな。でも「火ノ丸相撲」は相撲がテーマだけあって登場人物がガッチリとした体格をした上でちゃんとカッコいい。そこがすごく新鮮でした。

山田義孝(Vo)
山田義孝(Vo)

「火ノ丸相撲」に感じた孤独

──作詞作曲を担当した吉田さんは「火ノ丸相撲」のどういう部分に触発されて「桜咲け」という楽曲を作り上げたんでしょうか?

吉田 「火ノ丸相撲」を読み進めていく中で、僕は主人公に孤独を感じたんです。そもそも相撲は個人競技なので孤独な戦いであることに加え、主人公は背が小さいから上背に恵まれたライバルたちとは違う戦い方をしなければ勝てない。周りとは違う戦い方で競技に挑んでいかなければいけない姿に、自分たちを重ねるところから曲作りを始めました。

山田 「桜咲け」はこれまで吉田山田が歌ってきた応援歌と少し感覚が違うんですよ。

吉田 うん。昔だったら聴き手の背中を押す、ポジティブな曲になってたと思うんだけど、今回は「火ノ丸相撲」に触発されたこともあって「自分たちもがんばるから、みんなもそれぞれの花を咲かそう」という歌になったと思います。

山田 本当はすごくさわやかに「桜咲け」って呼びかけるように歌いたかったんですけど、心情的にはそれがどうも合わなくて。聴き手に「がんばれ」って伝えるだけじゃない、自分たちも一緒に戦ってるんだという気持ちを込めて、願うように「桜咲け」と歌うようにしました。

吉田 もともと桜をテーマにした曲のデモがあったんですけど、アニメを見せてもらった段階でその曲のイメージがどんどん発展していって。僕が「火ノ丸相撲」を見て感じた孤独感を含ませつつ、ちょっとした哀愁を感じさせる応援歌がいいんじゃないかなと思ったんです。

──「桜咲け」に限った話ではありませんが、最近の吉田山田の楽曲は歌割りがすごくシンプルになった印象があります。

吉田 正直に言うと今回、歌割りを決めるのはすごく迷った部分なんです。「桜咲け」はサビを全部山田に任せて、AメロとBメロは1番も2番も全部僕が歌っているんですけど、僕は山田の声がすごく好きだから、曲が始まるとすぐ山田の声を聴かせたくなるんですよ。でも一番大事にしたかったテーマが「孤独」だから、Bメロに入ってボーカルを変えるのをやめて、サビまでは全部僕がメインで歌うことにしました。昔の僕らだったらBメロで絶対にボーカルを入れ替えてたところだと思います。

山田 基本的に歌割りは作曲者が決めることが多いんですけど、レコーディング当日までどっちがどこを歌うのか決めないこともあります。

吉田 「ここは相方に歌ってほしい」「これは僕が歌える歌詞じゃないな」みたいなものがあるので、作った時点でなんとなくどっちがどこを歌うか見える曲が多かったんですけど、ここ3年くらいは歌割りにすごく迷うようになりました。なぜかと言うと、自分の思いが“吉田山田としての思い”と近しいものになっている実感があるから。それと言葉が伝わりやすいか、気持ちがちゃんと入っているか、みたいなことを優先して作っていると、どっちがどこを歌っても大丈夫だと思えるようになっているんだと思います。

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生み出す曲と作る曲