ナタリー PowerPush - YO-KING

僕の旬はまさに今! 会心のアルバム「楽しい人は世界を救う」

昨年真心ブラザーズ20周年を迎えたYO-KINGが、今年はソロ活動に突入。しかも7月にミニアルバム「スペース ~拝啓、ジェリー・ガルシア~」、そして10月に約3年半ぶりとなるソロアルバム「楽しい人は世界を救う」をリリースと、かなり精力的な活動を繰り広げている。「こんなにリスナーのことを念頭に置いて作ったアルバムは初めて」という作品に込められたメッセージとは? そしてすごい域に達しているというライブパフォーマンスとは?

「今がミュージシャンとして旬」だと本人が言い切るほど脂がのっているYO-KINGの世界観を、たっぷり語ってもらった。

取材・文/加治屋真美 インタビュー撮影/中西求

Twitterでつぶやく このエントリーを含むはてなブックマーク この記事をクリップ!

そのときの気分の集積が2010年の気分

インタビュー風景

──今年はミニアルバムに続いてフルアルバムもリリースと、ソロモードですね。

そうです、そうです。でも前は真心とソロをはっきり分けてたんですけど、最近はなんとなく。プロダクツ的にはソロだけど、真心で来た話があればもちろん真心もやるしっていうくらい柔軟に考えて。

──では真心用、ソロ用と分けて曲を作ってないんですか?

うん、分けて作らないです。このタイミングでこの曲が出てきたんだから、落としどころはソロだなっていう流れで。

──3年半振りのソロですが、曲はどういう基準で選んだんですか?

曲は書き溜めてて、まだアルバム3~4枚作れるくらいあるんですよ。だから選ぶのはちょっと大変なんだけど、今回はセッションごとに2~3曲ずつ選んでいって。来週セッションだからぼちぼち曲決めないと、っていう締め切りのときの気分で選んだ(笑)。

──アルバム1枚の気分じゃなくて、毎週の気分ですか。

厳密にいうと、そうですね。そのときの気分(笑)。その気分の集積が2010年の気分だから、そこに迷いはないんですよね。

──毎週の気分をまとめてみても、きちんと1枚のアルバムとして収まる、と。

うん、まとまっちゃう。だから、テーマっていうのは本当はアルバムができてからわかってくるものなんですよね。最初のテーマっていうのは、船でいうと外海に出る方向をなんとなく決めてるだけで。そこからどこの島に行くかまでは見えないんです。それが、アルバムを作っていくうちにはっきりしてくるんですよね。

アルバムタイトルは最後に決まった

──今回はどういうテーマで始まって、どういうテーマに落ちついたんですか?

今回はね、最初は“2010年フォークの旅”っていうのがあったんですね。出口としては、すごく精神的なアルバムになりました。この「楽しい人は世界を救う」っていうタイトルが表してるような。

──このタイトルは、哲学的ですごいですね。

すごい! タイトル、すごい! これは最後に決まったの。最初はツアータイトルにもなってる「一瞬の夢」っていう仮タイトルがあったんですよ。そしたらレコーディングしてるうちにこのタイトルが出てきて、スタッフの評判も良かったから、こっちにしたんです。

──“楽しい人”というのはYO-KINGさんのことですか?

も、含んでます。僕のイメージだと、全世界各町、各村に楽しい人がいて、楽しい人がいる町とか村はなんか幸せな人も多そう、みたいな。そういう各地域に楽しい人が増えてくると、なんとなく世界が救えちゃうんじゃないかなっていうことなんですよ。

──壮大な話ですね(笑)。1曲目の「バランス」は開放感があって、アルバム1曲目にぴったりの曲です。

インタビュー風景

そう、途中からこれは1曲目だなっていう考えがありました。「バランス」は初めのほうにできた曲なんですよ。最初、今回のアルバムはドンカマ(クリック)を使わずに演ろうっていってて。その1曲目だったんですね。だからこの曲はドンカマを使ってないんです。リズムが揺れる、セッションっぽいラフなアルバムにしたくて。まぁ、2曲目から、やっぱあったほうが楽だなっていう話になりましたけど(笑)。

──展開が早くないですか?(笑)

早いんですね、修正が。どうしてもアレンジ上、必要な曲ってあるんですよ。例えば「星の海」みたいにストリングスが入ってる曲とかは、あったほうがいろいろ便利なんです。

──セッションっぽいラフなアルバムにしたいという気持ちよりも、周りの人の便利さも考えて方向転換をしたんですか。

そういうことです。そういうとこもバランスを取って(笑)。こだわりはあるんだけど、自分のこだわりにこだわらないというか。

ニューアルバム「楽しい人は世界を救う」 / 2010年10月13日発売 / 3059円(税込) / Ki/oon Records / KSCL-1643

  • Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. バランス
  2. 百年以上の幻
  3. 星の海
  4. 青空揺れる
  5. BODY
  6. 脳プロブレム
  7. いつも笑顔で
  8. 忘れはしない
  9. 輝く星と楽しい遊び
  10. 世界の元 -Album Version-
  11. 泣かないけどね
YO-KING(よーきんぐ)

アーティスト写真

1967年東京出身の男性シンガーソングライター。1989年にTHE真心ブラザーズとしてメジャーデビューし、1991年に倉持陽一名義による1stソロアルバム「倉持の魂」をリリース。さらに1992年にはヒップホップユニット「エレファントラブ」を結成(現在は活動休止中)。また1999年には、 YO-KING名義による2ndソロアルバム「DEFROSTER ROCK」を発表。作詞・作曲のみならず、セルフプロデュースも手がけ大きな話題となる。2001年の真心ブラザーズ活動休止後に、本格的なソロ活動を開始。3ピースのバンド編成でライブを行うほか、2002年5月にソロシングル「LIFE」、6月にアルバム「愛とロックンロール」をリリースする。 2005年の真心活動再開後も、定期的にソロライブを行うほか、2007年2月にはアルバム「日々とポップス」も発表している。