安田レイが10枚目となるシングル「Sunny」を8月22日にリリースする。
放送中のテレビドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」のオープニング曲となっている表題曲「Sunny」は、心地よい夏の日差しを感じさせるさわやかなアップチューン。ドラマの主人公に共感したという安田は作詞にも参加し、ポジティブなメッセージを高らかに歌い上げている。また、カップリングに収録される「bring back the colors」は安田が初めて作詞・作曲を手がけた1曲。彼女の音楽的ルーツを反映させたR&Bテイストのサウンドは、新たな魅力を存分に感じさせる仕上がりとなっている。
7月でソロデビュー5周年を迎えた安田に、これまでの活動の振り返りと、本作の制作にまつわる話を聞いた。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 塚原孝顕
デビューから5年を経てここまでたどり着けた!
──安田さんはこの7月でソロデビュー5周年を迎えました。そして今回リリースされるシングルは記念すべき10枚目でもあるので、節目としてこれまでの活動を少し振り返っていただこうかなと。
そっか、シングルはもう10枚目なんですね! 今作のカップリングには初めて自分で作詞・作曲した曲が入っているんですけど、デビュー当初はまだ歌うことだけに集中していた感じだったと思うんです。でも、活動を続けていく中で段階を踏んでいろいろなことにしっかりと挑戦させてもらえてきた気がします。
──まずは積極的に作詞を手がけるようになりましたね。
はい。活動している中で、自分の言葉で伝えていきたい気持ちがどんどん大きくなっていったんです。で、作詞を自分でやってみると、今度はこれもしたい、あれもしたいみたいな感じで新しいビジョンもどんどん出てきたんです。そういう自分の中に生まれてくるビジョンは周りのスタッフさんにも常にお伝えしていたので、だんだん「レイちゃんの感性に任せてみよう」っていろいろ挑戦させてくださるようにもなったんですよ。私のことを信じてくれているんだなって感じられるそういう状況は、自分にとっても大きな喜びになっていたし、だからこそまた新しいことをやってみたい気持ちが芽生えていったんです。
──昨年5月リリースのシングル「きみのうた」のインタビューでは、ご自身の中に生まれたメロディを音として残すためにピアノを買って練習しているとおっしゃっていました(参照:安田レイ「きみのうた」特集)。つまり今度は作曲への欲求が高まっていったわけですよね。
そうですね。ピアノはまだ上手に弾けるわけではないんですけど、コードを探りながら曲作りをするようにはなっていて。それが今回、1つの形となって作品に収録されることになったのは自分としてはすごくうれしいことなんです。「デビューから5年を経て、ついにここまでたどり着けた!」って。もちろんまだまだこれからではあるんですけどね。
音楽に関しては心臓がちょっと強く
──デビュー当時、「自分の中にある揺るがないコアを大事に活動していきたい」という思いを語ってくれていました(参照:安田レイ「Brand New Day」インタビュー)。「安田レイのまま流されず生きていたい」「歌が好きという気持ちを持ち続けていたい」と。そこは5年経った今もまったく変わることはないですか?
もちろん変わってないですね。時代の流れはものすごく速いし、ときにはいろんな意見に直面し、それと戦わなきゃいけない瞬間もあると思うんです。でも、そういった状況の中で「自分はなんで歌っているのかな?」って改めて振り返ってみると、そこには歌が好きという強い思いや、自分の歌を通して誰かを笑顔に、前向きな気持ちにしたいっていうピュアな気持ちが変わらずにずっと存在しているんですよね。私自身、そういうピュアな思いが込められた歌に何度も助けられてきたので、自分もそういう存在になりたいという気持ちはずっと変わることはないと思います。
──逆にこの5年で変化したところというと?
えー、なんだろう。心臓はちょっと強くなったかな(笑)。例えばアウェイな場所でのライブでうまく盛り上げられなかったりしても、単にヘコむだけじゃなくなったと言うか。デビュー当時はそれこそライブが終わったあと、悔しくて号泣することがよくありましたからね。今でももちろんそういう気持ちになることはあるんですけど、「じゃあ次はどうしようか」とか、「もっといいライブをするためには何が必要なんだろう?」って冷静に考えられるようになったんです。私は根本的にハートが弱いと思うんだけど、こと音楽に関してはそういう強さが手に入れられたと思います。経験ってすごいですね(笑)。
──新曲「Sunny」には、この5年の間で築き上げてきた安田さんの魅力が詰め込まれていると思います。
ありがとうございます! この曲は「健康で文化的な最低限度の生活」というドラマのオープニング曲になっているんですけど、第1話が放送されたときにTwitterなんかで皆さんがけっこう反応してくれていて。「レイちゃんっぽい曲でいいね」とか「明るい気持ちになれました」とか、そういう反応を見てちょっとホッとしてる自分がいたりして(笑)。
──「歌声を聴いて安田さんの曲だと気付いた」というつぶやきもありましたよね。
そうそう。声で気付いてくださる方がいるのはすごくうれしいですね。もっとそういう人が増えるようにがんばらなきゃなって改めて思いました。
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