こやまの涙、初心を歌に込めて
──10曲目は「メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲」。“3曲目ぐらい”の曲のはずなのに10曲目に収録されています。
こやま そういう小ボケです。ほかの曲を入れる案もあったんですけど、ライブでよくやるし、このあとに入っている曲につながっていく内容だったんで、再録して入れました。ただのおふざけソングに聴こえるかもしれないけど、ちゃんとエモさを持った曲だと思うんですよ。
──ヤバTのルーツであるメロコアらしい曲をここに置くことで、これ以降の曲が生きてきます。
こやま 「ヤバTって何がメロコアバンドやねん。コミックバンドやん」とか言われるんですよ。それは別にイヤじゃないんですけど、僕らとしてはメロコアバンドだという意識を持ってやっているので、曲の中で「We are メロコアバンド」って胸を張って言ってるんですよね。その次の「とりあえず噛む」でちゃんとメロコアを鳴らすっていう、この流れが好きですね。
──「とりあえず噛む」でみんなの背中を押して、自分たちの今までとこれからについて真面目に歌う「サークルバンドに光を」へ続いていきます。ヤバTが大学の軽音楽サークルの中で結成されて、さっきこやまさんが言っていたようにバカにされながらもここまで進んできたストーリーと「もうやめられへんところまで来てしまいました」と今の状況を歌うナンバーですが、こういう曲が生まれてくるということは、昔のことを思い出す機会があったんですか?
こやま FM802の生放送のときに、突然僕泣き出したことがあって。「パイナップルせんぱい」がオリコン週間ランキングで2位になって、それを地元のラジオ局のDJがしゃべってるんですね。で、それを地元の人たちが聴くわけじゃないですか。地元の人らはみんなヤバTはオリコンのトップ10に入るようなバンドじゃないと思ってたはずなので、「おい、今の聞いたか?」って心の中で僕は思ったんです。そしたらめちゃくちゃエモくなっちゃって突然大号泣するっていう。
もりもと こやまさん、生放送中なのに急に黙るからびっくりして(笑)。
しばた こやまさんは人前だとあんまり泣かないんですけど、メンバーだけになるとけっこう泣くよな。
もりもと 昔コンテストに出たときもステージを降りた瞬間泣いて(笑)。ラジオの放送中に泣いたこやまさんの姿を見て、僕ら2人も初心を忘れたらいかんなとすごく思ったんですよ。そういう気持ちをこやまさんがこうやって曲にしてくれてうれしかったですね。
しばた 昔のこととかは形にしないとどうしても少しずつ忘れていってしまうと思うんですけど、こうやって曲になったことでずっと歌っていくことになるわけやし、絶対に忘れられへんものになったなって。うちらは昔「ヤバTは1stアルバムを出したらもうやめようや」ぐらいの気持ちでやっていたんです。でも「もうやめられへんところまで来てしまいました」って歌っている通り、これだけ応援してくれる人や支えてくれるスタッフさんが増えて、今後も長く続けていきたいと3人で強く思ったので、それが曲になったという感じですね。
もりもと ヤバTはありがたいことに毎日せわしないですし、これからどうするみたいな話をあんまりする機会がないんですけど、こやまさんがこの曲を通してこれからヤバTはどうしていきたいかっていうのを提示してくれたので、僕は演奏する側なんですけど、自分に歌ってくれているかのような気持ちになりましたね。
こやま いやー、いいバンド! 泣けるな!
もりもと この曲をTwitterで少し公開したらサークル時代の友達からたくさん感想をもらって。お客さんが全然いなくてバカにされていた時代を知っている人たちがみんないいねって言ってくれてうれしかったですね。
こやま 報われますね。
「たのしいフェス映像集2016-2017」はヤバTの成長記録
──「サークルバンドに光を」でファンに生き様を見せつけたあと、亀田誠治さんプロデュースのストリングス入りのバラード「肩 have a good day -2018 ver.-」を投入するこの流れはものすごい感動的なんですけど、「肩 have a good day」で歌っている内容は肩幅が広い人を褒めるだけなんですよね(笑)。
こやま 冷静になって、ここで笑ってほしいんですよ。
しばた これはボケやから。やっぱり最後はボケんとヤバTらしくない。
こやま 「サークルバンドに光を」が最後じゃなくてよかったよな。
しばた 最後が「サークルバンドに光を」だったら次の作品で方向少し変えていかなあかんなと思うし。
もりもと 亀田さんのおかげで、レコーディングには12人のストリングスと1人のピアニストに参加してもらって。
しばた 亀田さんが本当にヤバTを理解してくれて、こういうアレンジを作ってくれたのがホンマにうれしかったですね。初めてあんな近くでストリングスセクションが演奏する様子を観たんでめちゃくちゃ鳥肌立ちました。
こやま 僕らのボケ方をわかってくれていると言うか、意図を汲んでくれて。もりもとの口笛も録り直してな。
もりもと やっぱりライブを重ねて口笛もうまくなっているので、そこにも注目してほしいですね。
──もう完璧過ぎる流れだなと聴き終わって笑ってしまいました。そして初回限定盤付属のDVDには「ヤバイTシャツ屋さんのたのしいフェス映像集2016-2017」が収録されます。フェスというリハもあまりできないようなステージの映像を作品として残すのは自分たちの演奏に自信が付いてきたからなんだなと思いました。
こやま そうかもしれないですね。あとね、この短い期間でもバンドの成長が見られるんですよ。このDVDは成長記録みたいなもんです。
しばた そうやな。成長を感じてほしい。
こやま 今年フェス何本出たっけ?
もりもと 16本。某先輩は12本出たら売れっ子だって言ってたんですよ。でもまだまだ出たことないフェスがあるから全部制覇したいですね。
こやま 「メンバーによるおもしろ実況解説」も面白いんで、ぜひ併せて楽しんでもらいたいですね。
しばた でもメンバーがうるさいから、1回目は普通に楽しんでからがオススメです。
2018年もきっと怒涛
──ライブと言えば、先日、10-FEETのツアーを複数公演サポートされましたね。
こやま そうなんですよ。3公演一緒にやらせてもらって、5日間たっぷり10-FEETと過ごして。楽しかったなあ。
しばた 移動日にごはんを一緒に食べたりもね、楽しかったよな。10-FEETのツアーなのに3日間ともセットリストがガラッと変わるんですよ。私たちも「Galaxy of the Tank-top」を出して持ち曲が増えるので、次のツアーからはそういうところを見習っていきたいなと思います。
──年明けに3000人を無料招待するライブ「uP!!!NEXT ヤバイTシャツ屋さん ~大人が色々頑張ってくれたおかげで無料で出来るライブ~」をやって(参照:ヤバイTシャツ屋さんが大人たちのおかげで無料ライブ開催、3000人を招待)、そのあとに対バンツアーがありますが、このツアーのゲストがまたすごいですね(参照:ヤバイTシャツ屋さん全国ツアーにKEYTALK、キュウソ、夜ダンら追加)。
しばた 2017年にいろんなところでライブをして仲良くなったり、お世話になったバンドさんを呼ばせてもらいました。去年やったらできなかった組み合わせです。でもオファーしたらみんな快諾してくれて。
こやま 全箇所ゲストが違うんでね、毎回僕らも違うライブができるんじゃないかと思います。
もりもと 先輩たちに揉まれたいですね。
こやま もうね、気合いはばっちりですよ。
しばた 自分たちのツアーですから強気でいかんと、と思ってます。ほかのバンドさんのツアーに呼ばれて出ることも増えたんですけど、やっぱり自分たちのツアーは相手を倒してやるぞっていう気持ちで臨もうと思っています。
もりもと 僕は地元の浜松にツアーで行けるのがうれしいですね。
──ツアーを締めくくるのはZepp Tokyoでの2DAYS公演です。しばたさんは新木場STUDIO COASTでのワンマンで「ステップアップするならZepp Tokyoで2DAYSじゃない?」って言ってたんですけど、ツーマンではあるもののばっちりその発言を回収していて。あのとき実はもうやることが決まっていたんですか?
こやま ほぼやること決まってましたね。そして追加で東名阪のZeppでワンマンをやるっていう。
しばた 楽しみやなあ。2018年の最初からツアーできるなんて。
こやま 2018年もきっと怒涛やな。
──2018年も楽しませてください。
こやま はい! ガンバルンバ!
しばた やめーや。
- ヤバイTシャツ屋さん
「Galaxy of the Tank-top」 - 2018年1月10日発売 / UNIVERSAL SIGMA
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初回限定盤 [CD+DVD]
3866円 / UMCK-9929 -
通常盤 [CD]
2786円 / UMCK-9934
- CD収録曲
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- Tank-top in your heart
- ヤバみ
- DANCE ON TANSU
- 眠いオブザイヤー受賞
- 気をつけなはれや
- Universal Serial Bus
- ハッピーウェディング前ソング
- ドローン買ったのに
- ベストジーニスト賞
- メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲
- とりあえず噛む
- サークルバンドに光を
- 肩 have a good day -2018 ver.-
- 初回限定盤DVD収録内容
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「ヤバイTシャツ屋さんのたのしいフェス映像集2016-2017」
- あつまれ!パーティーピーポー(2016.12.28 COUNTDOWN JAPAN 16/17)
- ウェイウェイ大学生(2017.4.30 ARABAKI ROCK FEST. 17)
- ネコ飼いたい(2017.4.30 ARABAKI ROCK FEST. 17)
- スプラッピ スプラッパ(2017.5.5 VIVA LA ROCK 2017)
- 無線LANばり便利(2017.6.4 百万石音楽祭2017)
- Tank-top of the world(2017.7.7 京都大作戦2017)
- メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲(2017.8.26 SWEET LOVE SHOWER 2017)
- L・O・V・E タオル(2017.8.26 SWEET LOVE SHOWER 2017)
- 喜志駅周辺なんもない(2017.8.12 ROCK IN JAPAN FES. 2017)
- ヤバみ(2017.8.12 ROCK IN JAPAN FES. 2017)
特典映像:メンバーによるおもしろ実況解説
ライブ情報
- ヤバイTシャツ屋さん "Galaxy of the Tank-top" TOUR 2018
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- 2018年1月13日(土)広島県 広島CLUB QUATTRO
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / 花団 - 2018年1月14日(日)岡山県 YEBISU YA PRO
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / POT - 2018年1月19日(金)熊本県 熊本B.9 V1
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / Dizzy Sunfist - 2018年1月20日(土)福岡県 DRUM LOGOS
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / サンボマスター - 2018年1月21日(日)長崎県 DRUM Be-7
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / ドラマチックアラスカ - 2018年1月24日(水)新潟県 GOLDEN PIGS RED
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / ENTH - 2018年1月28日(日)北海道 札幌PENNY LANE24
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / PAN - 2018年1月30日(火)石川県 金沢EIGHT HALL
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / 夜の本気ダンス - 2018年1月31日(水)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / ヒステリックパニック - 2018年2月3日(土)香川県 高松MONSTER
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / 感覚ピエロ - 2018年2月4日(日)愛媛県 WStudioREDD
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / BUZZ THE BEARS - 2018年2月6日(火)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / みそっかす - 2018年2月7日(水)京都府 KYOTO MUSE
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / GOOD4NOTHING - 2018年2月10日(土)大阪府 なんばHatch
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / KEYTALK - 2018年2月12日(月・祝)愛知県 DIAMOND HALL
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / キュウソネコカミ - 2018年2月14日(水)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / ゆるめるモ! - 2018年2月16日(金)岩手県 Club Change WAVE
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / バックドロップシンデレラ - 2018年2月17日(土)宮城県 Rensa
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / NUBO - 2018年2月19日(月)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2K
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / 魔法少女になり隊 - 2018年2月20日(火)群馬県 高崎clubFLEEZ
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / 打首獄門同好会 - 2018年2月23日(金)東京都 Zepp Tokyo
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / KANA-BOON - 2018年2月24日(土)東京都 Zepp Tokyo
出演者 ヤバイTシャツ屋さん / ROTTENGRAFFTY
- 2018年1月13日(土)広島県 広島CLUB QUATTRO
- ヤバイTシャツ屋さん "Galaxy of the Tank-top" TOUR 2018 ~追加ワンマン公演~
2018年3月12日(月)愛知県 Zepp Nagoya
2018年3月14日(水)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
2018年3月16日(金)大阪府 Zepp Osaka Bayside
- ヤバイTシャツ屋さん(ヤバイティーシャツヤサン)
- こやまたくや(G, Vo)、しばたありぼぼ(B, Vo)、もりもりもと(Dr, Cho)からなる男女ツインボーカルのスリーピースバンド。2013年10月に大阪芸術大学に通っていた3人により結成された。2015年に本格的に活動を開始し、「SUMMER SONIC 2015」の企画「出れんの!?サマソニ!?2015」では投票数が963組中2位という結果により出演権を獲得。ダイノジ大谷ノブ彦賞を受賞した。2016年は「VIVA LA ROCK 2016」を皮切りに多くのイベントに出演。王道のメロコアサウンドと秀逸なリリックがロックファンのハートをつかみ、ロックフェスやサーキットイベントでライブをした際には入場規制を連発させた。11月にフルアルバム「We love Tank-top」をユニバーサルミュージック内のレーベルUNIVERSAL SIGMAよりリリースし、メジャーデビュー。2017年4月にシングル「どうぶつえんツアー」をリリースし、5月にはワンマンツアー「“どうぶつえんツアー”ツアー 2017 ~ワンマン~」を開催。東京・新木場STUDIO COASTで行われた追加公演を含め、全公演のチケットをソールドアウトさせた。春~夏にかけては16の音楽フェスに出場。9月にはロッテ「キシリトールガム」の発売20周年記念プロジェクトのために書き下ろした楽曲「とりあえず噛む」などを収録したシングル「パイナップルせんぱい」と、新木場STUDIO COAST公演の模様を収めた初の映像作品「Tank-top of the DVD」を同時リリースし、シングルはオリコン週間シングルランキングで2位、DVDは3位を獲得した。2018年1月に2ndフルアルバム「Galaxy of the Tank-top」を発表。対バンを迎えたツアーを2カ月かけて行ったのち、追加公演として3月に東名阪のZeppでワンマンライブを実施する。