無理言って2枚組に

酒井　ライブの見どころも多いんですけど、特典映像にも注目してほしいですね。今回ツアーを回りながら、ロードムービー的にメンバーやスタッフのオフショットをずっと撮りためてきたんですよ。どんな空気感でBRADIOの音楽やライブが作られているか、皆さんにも見てほしくて。

大山　BRADIOにとって初めての映像作品ということもあって、めちゃくちゃボリュームがあるんです。僕がレーベルのスタッフだったら「いくらなんでもやり過ぎでしょ」って言うくらい（笑）。ツアーファイナルの中野サンプラザホール公演って、結局予定の尺をオーバーしちゃったんですよ。

──ただ今作は当日の模様が全編収録されているんですよね。

大山　そうなんです。尺はオーバーしちゃったけど、どこもカットしたくなくて。Blu-rayは1枚に全部収まってるんですけど、スタッフに無理をお願いしてDVDは1枚だった予定のところを2枚組にしてもらったんです。それくらい全部をパッケージしたかった。ちなみにボリュームの話で言うと、ツアーでみんなおいしいものを食べ過ぎちゃって、ツアーファイナルはみんな心なしかふっくらしています（笑）。

真行寺　うわー、それ言っちゃいますか！

大山　映像だとアップで映ったりするわけですから、そういう体型の変化とか（笑）、僕らの表情までじっくり観れる作品になっていると思います。

FPP＝音楽好き

──今回WIZYとのコラボ企画として、ライブBlu-ray / DVDをBRADIOのメンバーと一緒に鑑賞するイベントが実施されることになったわけですが、ライブ以外でファンと交流する機会ってBRADIOにとっては珍しいことですよね。

酒井　これまでCDのリリースタイミングで招待制の発売記念イベントを行ったことはあったんですけど、基本的にはライブ以外で参加型のイベントをやったことはなくて。

大山　映像作品をリリースするに当たって、ただBlu-rayやDVDを発売するだけだと何か物足りないなって思いがあったんです。ライブ映像作品って、CDよりもちょっと購入のハードルが高いと思うんですよ。だからただ作品をリリースするだけじゃなくて、それと同時に僕らからもっとアピールできないか考えていたところで、タイミングよくWIZYのスタッフさんとお話する機会があって今回のプロジェクトにつながったんです。

──その結果、映像作品の上映会という企画が生まれたわけですね。

酒井　はい。自分たちのライブ映像をファンと一緒に観ることってないですから、僕らもなんと言うか……。

真行寺　超恥ずかしいっすね。

大山　さっきは「上手にできた」って言ってたじゃん（笑）。

真行寺　もちろん自信のあるライブだったけど、お客さんと一緒に観るのは気恥ずかしさがあるよ。

田邊　最近は映画でも“発声可能上映”っていうのがあるからさ、そういうふうにしても面白いかもね。

真行寺　映画館でみんなが総立ちになって歌い出すってことがあり得るってことね。じゃあ俺が最前列の席でみんなを煽れば……。

大山　「みんなで大合唱！」みたいになるかもしれないね。

真行寺　おお！

大山　でも自分のライブ観て、自分で立ち上がって歌い出すって、どんだけ自分のこと好きなんだよ（笑）。

──ライブBlu-ray / DVDは基本的に家で楽しむためのものですから、映画館のような大画面と大音量で観るというだけでちょっとしたプレミア感があると思います。

酒井　特にベースの音ってテレビやパソコンのスピーカーではいい音が出ないことが多くて。しっかりした低音が響く映画館の音響でライブ映像を楽しんでもらえるのはベーシストとしてうれしいですね。

大山　FPPって純粋に音楽が好きな人が多い気がするんです。お客さん同士で好きな音楽の情報交換をしていたり、僕らがSNSで薦めた曲をいろいろチェックしてくれたり。映画館ってシチュエーションは映像を楽しむだけじゃなくて、音を聴く環境としても素晴らしいですから、僕らのライブ映像作品を最高のシチュエーションで楽しんでほしいですね。

真行寺　実際にライブに足を運んでくれた人でも見逃していたところって絶対あると思うんです。表情のアップも映ってるし。メンバー同士も、本番中はお互いの顔が見えていませんから「あ、アイツこういう表情して演奏してたんだ」っていう発見があって、映像を見返すのが面白いんですよ。