どんな景色を見るのかは自分次第
──「deception」は3曲目に収録されているので曲順が前後しますが、作品の1曲目を飾る「太陽のかけら」はとてもドラマチックでメッセージ性の強い曲ですね。この曲を1曲目に持って来た理由は?
Hayato 勢い、ですね! ゾクゾクするようなイントロから始まるこの曲を1曲目にしようと、満場一致で決まりました。これも今までのWEBERにはなかった曲だなと僕は思っていて。
little Skeet そうだね。
Hayato なので、皆さん1曲目から“deception”されるんじゃないかなと思います。この曲からライブが始まっていくのも想像できるね。
little Skeet 100%カッコいいよ。
Taka. 実はこの曲が一番レコーディングに時間がかかったんです。
Hayato そうだね。
Taka. いろんなことを話し合いながら曲について考えました。時間の流れの中での“僕”の心の動きを歌っていて、まずAメロの僕のパートに「午後4時」とあるんですけど、そこから“僕”が“僕のかけら”になり壊れていくさまを見せつつ、1人になった部屋で「午前4時」に朝陽が昇るのを待つ。陽が差し込んだときにその光が希望に感じられて、「また1日が始まる、がんばろう」と思えたらいいなというストーリー性をすごくイメージしました。本当に映画を観ているような感覚になれる曲だと思うんです。さんざん苦しんだけど、それを受け止めて「それでもいいか」と言える感じ。どちらかと言うと僕もネガティブだから、この曲にはすごく共感できました。
Hayato この曲について言うと、アルバムのもう1つのテーマが、カレイドスコープ(万華鏡)なんですね。
──ジャケット写真は万華鏡のようなデザインですよね。
Hayato そう。「太陽のかけら」にはそちらのテーマがかかっているんです。万華鏡って、中に入れるものがホコリやゴミだったとしても、光を当てればきれいに輝く。
Taka. エモいよね。この曲に関してはまだダンスが付いてないんですよ。だから、JさんとSkeetがどんな振りを付けてくれるのか楽しみにしています(※取材は5月下旬に実施)。
Hayato どうなりそうですか?
J 俺がやるかSkeetが付けるかもまだ決まってないけど、いろんな手法を考えられる曲だから迷いますね。どこから攻めて行こうか。サビも、ビートを多めに取れば振り数を多くできるけど、ゆったりと取って壮大な世界観を出すこともできる。“見えない音”をたくさん表現できる曲でもあると思います。
──なるほど。
J あと僕が感じたのは、「太陽のかけら」はその人にとっての“イントロダクション”のような曲なんじゃないかなって。何かを始める前、決意するときの曲だなと思いながら聴いていたから、ダンスでも「これからいかようにもなれるよ」と表現できたらいいんじゃないかと思いました。ホコリやゴミをどうやって自分の中で美しいものに変えられるか。どんな景色を見るのかは自分次第、というメッセージを、WEBERとして表現できたら素敵なのではないかな……と思っている最中です(笑)。
little Skeet 僕は自分がこの曲を聴いたとき、思わず固唾を飲むような瞬間が何カ所かあったんです。曲の世界にのめり込んでいってしまうような印象を受けたので、それがダンスの表現でも出せたら一番気持ちいいと思う。そんな感覚を大事にして作っていきたいなと思います。
ここで初めて言う?(笑)
──そして、アルバムには過去のシングル曲も全曲収録されています。皆さんがシングル曲の中で1つ、思い出深い曲を挙げるなら?
Taka. 先に言っとこう。俺は「READY」です!
Hayato おい(笑)。
J 僕は「大切なひと。大切だったひと。」ですね。今初めて言うんですけど、このシングルをリリースした時期って、僕の周りの大切な人が複数いなくなった時期だったんです。だから踊るとき、ちょっとこらえないと泣いちゃうんですよ、俺。
Hayato え、そういう弱い部分全然見せてもらってないんだけど!
J ライブとかでね、気持ちが入りすぎちゃうと。メンバーには初めて言ったんですけどね。
Hayato ここで初めて言う?(笑)
little Skeet ビックリした。
J 自分たちの楽曲だけどすごく支えられましたし、応援してくれる人がいるっていう環境への感謝を肌で感じた曲なので、自然と大切になっていった曲ですね。
Hayato これからはその事実を頭の片隅に歌うことにします(笑)。
Taka. 俺はJさんのことは一切考えないね!
little Skeet 大好きなのに?(笑)
Taka. 大好きだけど、自分のことしか考えない!(笑)
一同 あはははは(笑)。
──ではHayatoさんは?
Hayato 僕は1stシングルの「オオカミの涙」です。この曲は本当に僕の中で特別な曲ですね。僕の長らくの夢だったメジャーデビューがかなった1stシングルっていうのは、やっぱり思い入れがあります。「オオカミの涙」って、タイトルを見て「何、この曲?」と思うような曲でデビューできたのも僕ららしいのかなとすごく思いますし。それに、歌詞の内容も素晴らしくて。僕らWEBERのコンセプトである「闇から光ヘ」というところが表現されている曲だと思います。
──アルバムバージョンだと、この曲には今回“サマリー”として朗読トラックが付いているんですよね。朗読のあとに曲が始まるという。
J ビックリしますよね。
Taka. 以前ライブをやらせてもらったときに「『オオカミの涙』はこういう演出がしたいね」と言って、曲の前に僕の語りを入れたことがあったんです。それがすごく心に残っていて。今の自分が表現したらどうなるのかなという思いもあったし、実際声の感じも変わっていると思うから、深みを増した“大人ボイス”を楽しんでいただければと思います(笑)。もう、いい声と言ったら舘ひろしさんか俺か、みたいなところがあるんで。
Hayato え、ないよ?(笑)
little Skeet ないない(笑)。
Taka. あ、ないみたいです(笑)。
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キレイなところばかりじゃない、人間味を出せた気がして