WEBERが6月26日にオリジナルアルバム「deception」をリリースした。
この作品は、2017年にメジャーデビューした彼らにとって念願となるメジャー1stアルバム。1曲目を飾る「太陽のかけら」や表題曲「deception」といった新曲に加え、メジャーデビュー以降に発表されたシングル曲全曲など13トラックが収録され、メンバーも「名刺代わりの1枚になった」と胸を張る内容に仕上がった。
リリースを記念して音楽ナタリーではメンバー全員にインタビュー。本作に込めた思いについて、話を聞いた。
取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / 映美
やっと名刺代わりの1枚ができた
──2017年にメジャーデビューしてから初めてのオリジナルアルバムが完成しました。まずは、今の思いを教えてもらえますか?
Hayato やはりアルバムは1つの集大成というか。メジャーデビューしてから2年経ってようやく皆さんに届けられるということで、思い入れの強い作品ができたと思います。それとメジャーデビューをしてからも、移籍をしたりとか……たくさんの壁にぶち当たって、不安を乗り越えてきたから。そのぶん成長できたし、いろんな表現の仕方ができるようになったと思う。そんなところも皆さんにも感じ取ってもらえるんじゃないかなって。
Taka. 僕は素直に「やっと出せるんだ」と思いました。完成してみんなで聴いているときに「いよいよできるんだなあ」と実感して。僕らを知ってくれている人に「やっと出るよ」と言えるのもうれしいです。
little Skeet 僕も素直にうれしかった。応援してくれている方も待ち望んでくれていたと思うので、これから新曲の反応を見るのも楽しみで。徐々に実感が湧いていって、6月26日は僕らにとって特別な日になると思います。
J やっと僕らにとって名刺代わりの1枚ができたなという感じですね。今のWEBERだからこそ、このアルバムができたと思いますし、僕らがこれまでやってきたこと、これからやっていきたいことを詰め込めたことがうれしいです。僕らを知ってくれている方には、「このアルバムでWEBERを存分に広めてください!」と言いたいです(笑)。
裏切りのリード曲
──アルバムを作り上げていくうえで「こんな作品にしたい」といった狙いはありましたか?
Hayato WEBERのシングル曲は「この曲でどうやって踊るんだろう?」と思ってしまうくらいメッセージ性の強い作品が多いんです。なので、アルバムではそういうところ以外の……シングルでは出さない、ダンスの要素が強い曲をより皆さんに見せられるように作っていこうという思いがありました。そこに関して話し合うことが多かったですね。
──そうだったんですね。確かにリード曲のタイトルトラック「deception」は、ダンスをバキバキ踊る姿が音から想像できる曲ですね。
Hayato 「deception」には「欺く」という意味があるんですけど、この曲には皆さんの期待をいい意味で裏切りたいという思いを込めました。皆さんが思い描いているであろうWEBER像から外れるようなイメージにしたくて。
Taka. あとは「今までの自分たちも裏切っていこう」という思いもあります。皆さんがダンスボーカルに対して持っているイメージを裏切れたらと思うし、ファンの方たちに対しては期待してもらっている以上のものをどんどん出していけたらいいなとも思いますし。自分たちをちゃんと裏切って、次に進んでいけるように。そういった意味合いも入っていますね。
J あと曲に関して言うと、僕も「バキバキに踊るんだろうな」と思いながら聴いていたんです。でも、Dメロあたりから様子がおかしくなる(笑)。ガラリと曲調が変わるところでも“deception”できているなと思います。「deception」というタイトル、ネガティブな意味を持たれがちな言葉ですけど、自分の考え方次第でポジティブにも捉えられると思うので。僕らを見て「こんな、いい裏切りがあるんだ」と。新しい自分に変わるための裏切りをしていこうよと、いい受け取り方をしてもらえたらなと思いますね。
叩き上げられるような感覚
──確かに、ひと目タイトルを見ただけでは伝わりきらないメッセージの込められた曲だと思いました。ボーカルの2人は、そんなテーマを伝えるためにどんなことを意識しながら歌いましたか?
Hayato 僕はまず「難しい」という感想が第一に来たんですよ。これほど英語が多い曲って、今までになくて。イントネーションとか「難しいな……」と思ったんですけど、そのぶんいろんな人に相談しながら。「この英文はどういう意味だから、こんな歌い方をしたほうがいい」と、より深く考えながら歌うことができたと思います。それこそさっきJさんが言っていたDメロも、速いテンポで歌っているところから一気にローテンポに落ちるから、技術的にすごく難しい。
Taka. 「そこで来るんだ!?」ってところで歌に入るもんね。
Hayato そうそう。でもそのぶんTaka.とも話したし、思い入れがある。思い出深い曲になりました。
Taka. 僕的にこの「deception」はトラックを聴いているだけでも自分を鼓舞してくれるような曲だったんです。だからレコーディング中も、叩き上げられるような感覚がありました。難しさを乗り越えることでいい曲になっていくのが実感できたというか。完成したあとも「ライブではこうやって歌おうかな」とか「この先歌っていくときはこうしてみようかな」とか考えていて。これからもっと変わっていくんだろうなと思えるし、成長が楽しみな曲です。
──では、振り付けを担当されたJさんはどういったイメージで作っていったんですか?
J とてもシンプルに作っていきました。今までの曲は「どうやってこのメッセージを体で表現しよう」「どの音を表現して、この歌詞を取って……」とか考えていたんですけど、この曲は楽曲自体に面白みがあって、聴く人を裏切ってくれるから。振り付けでは裏切らずに、直球勝負で行ってみようと。そういった意図があって、手数の多い細かめの振りになっていきました。シンプルに8ビートのリズムを取っていく中でちょっとエッセンスを加えるくらいのニュアンスで付けたので、ホントにあっという間にできました。全体的なイメージもパッと浮かんだし、もう湧き出るように、流れるように(笑)。
little Skeet 今までの楽曲に比べたら本当にシンプルですよね。でも、シンプルだからこそ表現に深みが必要で。難しければ難しいほど、見ている側も「難しいことやってんな」と思ってくれると思うんですけど、シンプルなものをお客さんに届けることこそ、意外と難しいんです。どこまで体を動かして、どうやってカッコよく見せるかがこの曲のキモかなと思いますし、シンプルだからこそライブ会場の雰囲気だったりで僕ら側の表現も変わってくると思う。毎回いろんな捉え方ができたりするのかなと思うと、今から披露するのが楽しみです。
Hayato なんかさ、普段とは逆だよね。Jさんが振り付けに悩む曲は、ボーカルはわりとノーマルに歌えるんですけど、今回は歌う側が悩んでいて振り付けはスムーズ(笑)。
J ダンストラックとして作ってもらったからだと思います。今回は絶対にダンサーが必要(笑)。
Hayato ボーカルレスでトラックだけ流して踊ってもカッコいいもんなあ、絶対(笑)。
J でもやっぱり、デモ音源よりTaka.とHayatoが歌っているもののほうが振り付けのイメージもしやすかったので。そこは大事かなと思います。
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