若い子たちのパワーに圧倒された
──「inゼリー」のキャンペーンの一環で、高校の体育館でサプライズライブを行われたそうですね。
KENTA 埼玉にある叡明高校という学校に行きました。全校生徒1800人くらいやったんですけど、サプライズで行ったのに1700人が体育館に集まってくれて。まず全校生徒が1800人ということに驚きました。俺とKO-SHINは全校生徒50人くらいの高校だったし、自分たちの学年は20人だったので。1800人がいる学校ってどんな感じなんやろう、いろんな出会いや青春があるんやろうなと憧れましたね。50人の学校は全員家族みたいな感じやったから。当日はステージに上がる前に、スタイリストさんが俺に「これから青春の1ページを一緒に作るんですね!」と言ってくれたんですよ。その言葉にハッとして、「そうか、今からこの子たちと青春の1ページを作るんやな」と思ったら、これはコケれんなと思ってギアが入りました。
──ライブ自体はいかがでしたか?
KENTA どんなライブよりも体感温度が高くて、なんもせんでも汗が出るくらいでした。そんな中でライブをさせてもらって、1700人の若い子たちのパワーに圧倒されたというか。みんなすごくキラキラしていたんですけど、この子たちも日々悩んでるんやもんなと考えながら全力で音楽を届ける中で全員のことが愛しくなりました。
──サプライズをした側の皆さんも、得たものは多そうですね。
KENTA 学生さんたちのエネルギーやパワーを受けて、いつの時代も若い連中が時代を作っていくんやなと思いましたし、あの場にいた大人たちは、4、5歳くらい若返ったと思います。みんなが迷いなく100%で返してくれたから、「ライブで置きにいっている自分恥ずかしくない?」と思ったし、負けてられんなと、ケツを叩かれました。
KO-SHIN 僕もすごくパワーをもらいました。学生の頃はいろんなことに納得ができなかったというか、やりたいことがやれないことへの不満を感じていることが多くて。そのときのハングリー精神というか、反骨精神みたいな気持ちを思い出しました。
FUJI 学生の皆さんの姿を見ながら、もし昔の自分がこのライブを観ている側だったらと考えたとき、ここまで純粋にWANIMAの声に応えられなかったんじゃないかと思いました。ちょっとスカしてチョケて観ていたんだろうなと。叡明高校の子たちが僕たちの音や声に純粋に応えてくれたおかげで、自然と熱くなれて、会場全体が熱気に包まれてましたね。
心の隙間に音楽を詰め込んであげたい
──「学校にinゼリー」の告知動画で高校生に向けた手書きのメッセージが公開されていましたが、改めて皆さんから、受験や部活をがんばる高校生へ向けてのエールやアドバイスがあれば聞かせてください。
KENTA 叡明高校でのライブ中には「先生や友達に言えないことはライブに来てぶちまけてくれ」と伝えました。悔しさ、悲しさ、寂しさって基本的に1人で乗り越えるしかないけど、音楽を通して寄り添ったり、支えたりすることができると思うから。自分自身が音楽に救われてきたから、心に隙間がちょっとでもあるんやったら、その隙間に音楽を埋めてあげたいなと思います。
KO-SHIN 僕はシンプルに後悔はしないように行動してほしいなと思います。僕の学生時代が後悔だらけだったので。
FUJI 僕は好き嫌いがめちゃくちゃ多くて、なんでもやる前から決めつけてしまうことが多いんです。例えばつい最近、というか昨日、バンジージャンプに挑戦したんです。それまで自分は高所恐怖症だから無理だと思っていたんですけど、今は飛んでよかったなと思う。苦手だったものを克服するいい機会だったなと。アドバイスと言ったらおこがましいですけど、新しい自分が見つかるかもしれないので、あまり決めつけないでいろいろ経験してみてもいいんじゃないかなと思います。実際にやってみて合う合わないがわかると思うので、そのときに選択すればいいのかなと。
──バンジージャンプはWANIMAのメンバーズサイト・WANIMA MEMBERS会員向けの企画ですか?
FUJI そうです。動画コンテンツの一環で。
KENTA 昨日は本当にFUJIくんが“漢”になった日やったなと。俺は行けなかったんですけど、1回目は普通に前から飛んで2回目は背面から飛んだらしいんですよ。
──2回も飛んだんですか?
KENTA 本当はKO-SHINが飛ぶはずだったんですけどね。
FUJI 1回飛んで戻ってきたら「藤原」コールが鳴り止まなくて、これは飛ぶしかないなって。
KENTA 飛んだ人は賞状をもらえるらしいんですよ。普通やったらFUJIくんが2枚もらうべきやん。なのになぜかKO-SHINももらっていて(笑)。
FUJI 賞状にしっかりローマ字で「KOSHIN NISHIDA」と書いてあって。腹立ちましたよ(笑)。
KENTA 人生、そういう理不尽なこともあるからね。
FUJI それも人生経験ですよね。
KENTA そんな理不尽にも打ち勝ってこうやって笑っていて。しかもその撮影終わり、僕も含めてみんなでステーキ屋さんに行ったんです。25万のお会計を誰が払うか漢気じゃんけんで決めたんですけど、藤原さんがそこで勝って、払ったわけですよ。
FUJI 本当に「漢気の神様に指名された日」という感じでした。
KENTA 7月30日は“藤原の日”ということで。公開される映像も楽しみにしていてください。
「ワンチャンフェス」を夏の風物詩のようなフェスに
──8月24、25日には3度目の主催フェス「WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL」が開催されます。WANIMAと親交の深いアーティストも並びつつ、今回でいうとコブクロやBE:FIRSTなどのシーンが異なるアーティストもラインナップされていて。毎回出演アーティストはどのように決めているんでしょうか?
KENTA まず自分たちの地元である熊本に根付くフェスにしたいという前提があって。そのうえで、大好きなアーティスト、気になるアーティストをお呼びして、お世話になった方たちをご招待するフェスを目指してます。BE:FIRSTさんは東京ドームにライブを観に行きましたし、コブクロさんはコピーして歌っていたくらい大好きで。
──皆さんが本当に好きな方々に声をかけているんですね。あと、今回は9月の初めから8月末に開催時期が変わりました。
KENTA 1週早くなったことでいろんなフェスと被っているんですけど、そんな中で出ていただけるアーティストの皆さんには本当に感謝してます。なるべく自分の思いは直接伝えたいので、会いに行って気持ちを伝えたり、電話したりして出演のお願いをしました。政治は関係なく、僕らが熊本で観たい、本当に好きなアーティストの方に声をかけさせていただいてます。普段の対バンやフェスだと、ほかのアーティストのライブを観ると不安になってしまうこともあるからあまりじっくりは観ないようにしているんですけど、「ワンチャンフェス」だけはいつも最初から最後までライブを観させてもらっていて。今回もめちゃくちゃ楽しみです。あとは天候が心配ですね。台風もそうやし、暑さもあるけん対策はしたいなと。いろんなものの値段が高騰してるし、細かいところまで手が回らなくて歯がゆいところもあるんですけど、お客さんたちが暑さや気候にとらわれずに楽しめるフェスにしたいと思っています。
KO-SHIN 「今年も来てよかった」とみんなが思えるような2日間にしたいですね。いろんなフェスと日程が被ってしまっていますけど、「ワンチャンフェス」を選んでよかったと思ってもらいたい。夏フェスといえば「ワンチャンフェス」というか、夏の風物詩のようなフェスにしていければと思います。
KENTA 風物詩。いい言葉。風鈴とかそうめんみたいな。
FUJI 全国いろんなフェスを見渡しても、こんなにすごいメンツが集まるフェスは唯一無二だと思う。熊本だけじゃなくて、日本を代表できるフェスだと思うので、ぜひ来てくれる方は楽しんでいただけたら。来年、再来年と続いていくと思うので、今年来れないという方はぜひ次回来ていただけるとありがたいです。
ライブ情報
WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2024
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2024年8月24日(土)熊本県 熊本県農業公園カントリーパーク
<出演者>
[Alexandros] / UVERworld / ORANGE RANGE / ゲスの極み乙女 / SiM / PEOPLE 1 / WANIMA -
2024年8月25日(日)熊本県 熊本県農業公園カントリーパーク
<出演者>
OKAMOTO'S / コブクロ / BE:FIRST / 三浦大知 / MONGOL800 / ONE OK ROCK / WANIMA
1CHANCE FESTIVAL (@1CHANCE_FES) | X
Catch Up TOUR Final 2022-2024
- 2024年11月9日(土)東京都 有明アリーナ
- 2024年11月10日(日)東京都 有明アリーナ
- 2024年11月23日(土・祝)兵庫県 ワールド記念ホール
- 2024年11月24日(日)兵庫県 ワールド記念ホール
プロフィール
WANIMA(ワニマ)
東京都在住熊本県出身のKENTA(Vo, B)、KO-SHIN(G, Cho)、FUJI(Dr, Cho)の3人からなるロックバンド。2010年に結成された。2014年10月に1stミニアルバム「Can Not Behaved!!」をリリース。2017年12月に「NHK紅白歌合戦」に初出場を果たし、2018年1月にはメジャー1stアルバム「Everybody!!」を発表。2022年より熊本・熊本県農業公園カントリーパークで主催フェス「WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL」を開催している。2023年10月に3rdフルアルバム「Catch Up」を発売。2024年1月にアコースティック作品「1Time」を配信リリースし、3月にこの作品のアナログレコード盤をリリースした。8月に森永製菓によるキャンペーン「その全力にさしいれを。学校にinゼリー」のテーマソング「Rolling Days」を配信リリース。11月に東京・有明アリーナと兵庫・ワールド記念ホールで、ツアー「Catch Up TOUR -1Time 1Chance-」のファイナル公演「Catch Up TOUR Final 2022-2024」を行う。
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