「Walk with FAN supported by FAM」第1回|muqueはファンと支え合う (2/2)

対等でありたい

──Asakuraさんは、お客さんの笑顔を見たその目で、自分や世界を掘り下げながら歌詞を書かれるわけですよね。そう思うと、創作にファンの存在が与える影響はとても大きいですよね、きっと。

Asakura そうですね。めちゃくちゃ影響を受けてます。「DAYS」という曲も、お客さんのために書いた曲ですね。ほかの楽曲は普段ニュースを見て感じたことや、友達のことなんかに混じってお客さんに向けた言葉が書いてあることが多いけど、「DAYS」は本当に素直にお客さんのためだけに書いた曲。私からファンの方に向けてのラブレターだと思います。

──以前、インタビューで「DAYS」のお話を聞いたときに「pas seul」の名前が出てきましたけど、「pas seul」も他者に向けられて言葉がつづられているような曲ですよね。

Asakura 「pas seul」を作ったのはコロナ禍でしたけど、「コロナ禍が終わるまで踏ん張ってほしい」という気持ちで書いた曲なんです。最近は、社会的にがんばっている人たちや、夢に向かって努力している人たちが「『pas seul』聴いてます」と言ってくれることもあって。応援ソングというよりは、ちょっと寂しいときに寄り添ってくれる曲になっていたらいいなと思いますね。

──受け取る人によって、曲の持つ意味合いや力も変わっていくんですね。

Asakura 相談って、誰にするかが難しいと思うんです。人のつらさって、本人にしかわからないことだから。でも、音楽だったら自分自身で咀嚼して、理解して、自分の感情に当てはめることができるんですよね。

──Asakuraさんは、自分とファンはどういった関係性でありたいと思いますか?

Asakura 関係性……考えたことなかったです。でも、“対等”ですかね。お互いがお互いを支えられるような関係性であれたらいいなと思います。私は普段、ライブやSNSの言葉で皆さんにパワーをもらっていて、それに対して、私も楽曲やライブで返す。そうやってお互いに支え合うことができたらいいなと思う。1人じゃ何もできないし、みんなでいたほうが楽しいから。

「Bite you」は初めて“人の波”ができた曲

──ほかの皆さんは、ステージで演奏していて特にお客さんとのつながりを感じる曲はありますか?

takachi 「Bite you」ですね。お客さん、みんな飛んでる曲です。僕はドラムなので、会場内で1人だけ飛べない立場なんですけど……「飛びてえな」と思いながらその様子を眺めています(笑)。

一同 (笑)。

Kenichi 「Bite you」はmuqueで初めてフロアに“人の波”ができた曲なんですよ。お客さんが飛び跳ねてる光景を見ると感動しますね。あと、ライブ中は基本的にイヤモニを着けているんですけど、一瞬イヤモニを外ししたときにお客さんが「ウワーッ!」って盛り上がってくれていて……そういう瞬間も、すごく感動します。

Kenichi(G)

Kenichi(G)

Lenon 僕はライブ中、淡々とベースを弾いているし、演奏の都合であまりフロアの光景を見ることができないんです。でも、ライブの後半どんどんとアッパーな曲が増えていって、「my crush」のようなベースリフで始まる曲でステージの前に飛び出していったとき、やっとお客さんの姿が見えるんです。その瞬間につながりを感じますね。

ファンは人間

──muqueはファンクラブ設立の予定があるそうですが、そこではどんなことをやってみたいですか?

takachi 僕はトラックメイクやアレンジも担当しているので、そういったクリエイティブな部分や自分の脳内をファンクラブを通して発信してみたいです。muqueのお客さんはセンスのいい人が多いので、それを共有してもらえる場所ができればいいなと思いますね。

──お客さんのセンスを信じることができるのは、素晴らしいことですよね。

takachi 「muqueが好き」って時点でセンスがいいので(笑)。僕らはファンのセンスを信じたいし、ファンには自分のセンスを信じてもらいたいです。

──Lenonさんはどうですか?

Lenon muqueとしてステージに立っているのはこの4人だけど、自分たちだけでバンドをやれているわけではないんですよね。楽曲制作にしても、SNS運営やライブの演出にしても、スタッフさんの意見を取り入れていることが多いんですよ。だからこそ「muqueはこういうチームでやっているんだよ」ということを発信してみたいですね。

Lenon(B)

Lenon(B)

Kenichi ファンクラブに入ってくれる人って、きっと「muqueをもっと深く知りたい」という人が多いと思うんですよね。僕は、そういう人たちにとっての遊び場を作れたらなと考えています。メンバーそれぞれを深堀したり、音楽的なルーツをたどる企画をやってみたり。muqueをもう1歩深く入った場所で知ってもらえるコンテンツを作ってみたい。

Asakura 私もKenichiと近いんですけど、それぞれの個性をもっと出すことのできる場所を作れたらいいなと思います。Kenichiはしっかりしているようで意外とボケるのも大好きな人なんですけど(笑)、そういうところもさらけ出せると、「Kenichiってかわいい一面あるじゃん」って思ってもらえると思うんです。

Kenichi (笑)。

Asakura 各々、そういう隠れた部分があるんですよね。Lenonは意外と乙女チックで、takachiは意外としゃべりたがり(笑)。

──(笑)。これはすごくざっくりとした、大きな質問になってしまいますが、「あなたにとってファンとは?」と問われたら、皆さんはなんと答えますか?

takachi “仲間”ですね。“チーム”と言ってもいいかもしれない。今、muqueを見てくれているお客さんはすごく温かいし、その温かさは僕らにも伝わっていて。今後、muqueがより大きくなっていこうとしたとき、今以上にチーム力が試されると思うんです。お客さんと一緒に、チームとして、いい景色を見ることができればいいなと思います。

Lenon 僕は、ファンは“相乗効果のある存在”だと思います。ファンが増えることで期待感が大きくなって、それに応えることが僕らのモチベーションにもなるので。

Kenichi 僕にとっては、ファンは“救世主(メシア)”です。お互いにそうあれたらいいなと。個人的にお客さんに救われた瞬間は何度もあるし、自分たちもmuqueの音楽を通して、お客さんにとっての救世主になれたらいいなと思います。

──最後にAsakuraさん、お願いします。

Asakura 私にとってファンは……人、人間です。人間って、喜怒哀楽があるじゃないですか。ライブを観て楽しくてファンになってくれたり、悲しいことがあったときに歌詞を眺めてファンになってくれたり、イライラしたときに曲を聴いてリラックスしたからファンになってくれたり。感情に音楽を重ねるのって、人間だけだと思うんです。なので、ファンは人間です!

KenichitakachiLenon おおーっ!(拍手)

──(笑)。取材をしている今は12月ですが、2024年はmuqueにとって大きな1年でしたね。

takachi 2024年は、音楽ばっかりやってましたね。音楽のことしか考えてなかった。突っ走っていたら、もう12月って感じです。

Asakura 早かったですね。早かったけど、濃度が高かった。

──2025年はどんな1年にしたいですか?

Kenichi 1つ、大きな曲を叩き出したいです。バイラルチャートのトップ50に入るような曲。あとは海外のステージも増やしていきたいですね。今まさに新曲を作っているんですけど、もっとmuqueという名を強固にしていくために、いろんな表情を見せていきたいと考えています。

muque

muque

公演情報

MUQUE TOUR 2025 "RIDE ON !"

  • 2025年5⽉30⽇(⾦)宮城県 仙台MACANA
  • 2025年6⽉1⽇(⽇)福島県 郡山HIP SHOT JAPAN
  • 2025年6⽉13⽇(⾦)福岡県 DRUM LOGOS
  • 2025年6⽉14⽇(⼟)広島県 LIVE VANQUISH
  • 2025年6⽉22⽇(⽇)北海道 SPiCE
  • 2025年7⽉4⽇(⾦)石川県 Kanazawa AZ
  • 2025年7⽉6⽇(⽇)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
  • 2025年7⽉21⽇(⽉・祝)香川県 DIME
  • 2025年7⽉26⽇(⼟)大阪府 BIGCAT
  • 2025年7⽉31⽇(⽊)東京都 Zepp Shinjuku(TOKYO)

FAM

アーティストとファンをつなぐ“360°サポート”のファンクラブサービス。高品質なファンクラブとアプリを無償で制作・提供しているほか、事務所やアーティストの負担を軽減できるよう、グッズ制作からECの配送管理、イベント運営などあらゆるサポートを行っている。

公式サイト

プロフィール

muque(ムク)

2022年5月にAsakura(Vo, G)、Lenon(B)、takachi(Dr, Track make)、Kenichi(G)の4人が福岡で結成したバンド。結成1カ月後の6月には1stシングル「escape」を、同年12月には6曲入りのEP「tape」をリリースした。バンド名のmuqueはフランス語で“音楽”を表す「musique」と、日本語の「無垢」をかけた造語で、「穢れのない音楽(muque)=周りに影響されず、自分たちのやりたい音楽を作り続けたい」という意味が込められている。2024年7月にリリースした楽曲「nevermind」はABCテレビ・テレビ朝日系連続ドラマ「素晴らしき哉、先生!」の挿入歌として使用された。10月に1stフルアルバム「Dungeon」をリリースし、11月から初のワンマンライブツアー「muque 1st Oneman Tour "Dungeon"」を開催した。2025年1月にオフィシャルファンクラブ・team qrogを開設。5月からは全国ツアー「MUQUE TOUR 2025 "RIDE ON !"」を開催する。