チッチさん……意見するのが怖いときどうしたらいいですか?
アイカ 思ったことを言うのが怖いんです。チッチさん、もしメンバーに対して何かを言うのが怖いとき、どうしたらいいですか……?
チッチ 怖いものは怖いよね。私も実は全然言えないタイプだから。だからうまいこと本人には直接言わず、「これがこうだから、こうしたらこうなる」みたいな話を遠回しに伝えて機嫌を損ねないようにしたり、ほかの人を経由した形で伝えてる。
アイカ そうなんですね。なかなかはっきり言えないので……。
チッチ ズバッと言える存在がグループにいるなら安心できるけど、かと言って「この人が言ってくれるだろう」って頼っちゃう状況はよくない。だから「誰もここ、指摘しないだろうな」と思ったら、直接でなくてもいいからとにかく意見することは必要かな。
アイカ 確かに、全員がとがっちゃうとギスギスしちゃいますしね。
チッチ そうそう。だからBiSHだとオブラートに包むのが私の役。でも私もうまくいかないときに感情的になるとガッと踏み込んじゃうから、それをカバーしてくれる存在が2人くらいいる。不思議だけど、BiSHの中で社会的な役割みたいなものができあがってる。私がもし、今の状況で豆柴にいたら、嫌われるとはかクソほどどうでもよくて。自分がクビになったら終わるだろうし、言わなかったらグループが終わると思ってぶつかり合わないとグループって簡単には変わらないと思う。それは今のBiSHにも言えること。自分たちが思っている5倍くらい変わらないと、第三者には伝わらないし、「変わったなー」とか自分で思ってるうちは全然ダメ。「おお、変わったな」って周りに思われるくらい動くのが大事なんじゃないかなって、話を聞いていて思いました。
アイカ ありがとうございます……がんばります。
チッチ 結局、お客さん、スタッフさん、誰が相手でも結果を見られるから。SNSでもライブでもそう。結局、「結果がすべて」というのは嫌なところもあるけど、それがこの世界だなって。WACKにいる限り、常に求められるし、みんな悩むけど、負けないようにがんばってほしいと思う。
mayu 私もEMPiRE時代、同じように悩んでいた時期がありました。このままだと解散させられると思ったくらい。しかもそういう状況を抜け出せないとスタッフさん含め、一瞬で離れていくんですよ。だからこれはヤバいと思って、私は「このままじゃよくない! 今までと同じ行動をしてたらダメだ!」ってやりすぎなくらい暴れました。
トギー EMPiREのその状況、見たことあります。なんか怖かった。
mayu そういう空気のときもあったんです、実は。でもそれも経て、メンバーそれぞれが考えるようになったからよかった。私は自分では言いたくないけど、言わないといけない立場だと思うから。それを言えるのは、仲間を信頼しているからだし。
チッチ そうだよね。mayuみたいに先陣切って意見する役割が豆柴の場合、たぶんアイカじゃないんだよね。
アイカ 言えるのはミユキだと思うけど、まだmayuさんほどは考えられていないと思います。ナオ(・オブ・ナオ)もハナエ(モンスター)も自分の意思があるし、意見交換が攻撃みたいになっちゃうのも違う。
チッチ 話し合いになるようにしたいよね。
アイナス ギャンパレはメンバー同士で話がまとまらなくなったとき、マネージャーさんがメンバー1人ひとりと話す機会を設けてくれました。メンバー1人5分ずつの予定だったけど、人によっては2時間話したみたいで。
チッチ それはそれでめんどくさ!
アイナス ホントにそうですよね……。マネージャーさんは寝る間も惜しんで、全員と話してくれて。人数が多いと言い合いになることもあるし、派閥というか、なんとなく分かれちゃうこともあるから。
アイカ でも安心しました。豆柴だけがギクシャクしちゃっているのかなと思っていたから。
チッチ いやいや。グループでやる以上、ぶつかり合うこともあるし、永遠にギクシャクすることはあるでしょ(笑)。
アイカ 意見するタイプじゃないって言われましたけど、やっぱり何か言わないと豆柴は変わらない。だから嫌われてもいいから思ったことは伝えたいなと思いました。相談することも大事ですね。
チッチ 行きすぎず、ちょうどいいバランスを見つけられるといいよね。まあ私の話は私のやり方なだけだからね。いろいろぶつけて壊し続けたらそのままグループごと壊れちゃうこともあるから、そうはならないように、やり方は考えながらね。
すべてさらけ出すのがWACK、そんなWACKをこれからも
──ミクさんはまだWACKに入って日が浅い中、これまでのお話を聞いてどう思いましたか?
ミク こんな踏み込んだ話もするんですね……! これ、記事に使えるのかな?
チッチ 記事用なんてないんだよ!
ミク なるほど……。都内某所は、もともと3人だったのにリチちゃんが抜けて、2人なんです。メンバーが少ないがゆえに、1人ひとりの個性がグループのイメージになっていくというか、それぞれがグループの方向性の舵を握りすぎているような感じがあるんです。だからこの先、新メンバーが加入するとは思うのですが、どうなるのかは正直まだ想像できないです。
チッチ 逆に新メンバーが入ったほうがいいんじゃないの? 今の2人体制で何も始まってないし。
ミク 何も始まってないからこそ、今の時期が土台になるんだっていうプレッシャーがあって。
チッチ そんなことないよ。何も始まってないから、何も悩まなくていいし、土台なんていらないよ。
mayu そうそう。今のメンバーでも、新しいメンバーが入るとしても、一緒に都内某所を作っていけばいいんですよ。まだまだこれから。
チッチ 違いを受け止められたら、グループとしては進んでいくと思う。
──筋道を立てて、目標に向かってがんばれるといいですね。
ミク そうですね。うまく話せなくてすみません。インタビューとかコメントもどうしたらいいか……。
チッチ 大丈夫だから! BiSHだって活動初期の頃はインタビューを受けたって私しかしゃべんなかったし。メンバー誰もしゃべってくれなくて、「マジかよ」って思ったこともあるし、挨拶すらみんなできなくて、「ここはおはようございます、ここはおつかれさまでしたって言うんだよ」ってめっちゃ伝えてやっとできるようになって。でもそういうことが最初のうちはたくさんあるし、仕方のないことだから。
アイカ うちも最初のほうは全部ナオに話す役割を任せていました。でもインタビューとかを受けていくうちにみんなだんだんと話せるようになっていった。みんな率先して挨拶しに行けるようにもなったし、今はまだ慣れてないだけだから大丈夫だよ。
──そろそろお時間です。チッチさん、最後に座談会の感想をいただいてもよろしいですか。
チッチ 表に見えていない部分でそれぞれ悩んでいるわけで、みんなが試行錯誤を繰り返しながら今のグループを作っているということは、こういう機会がないとわからないと思いました。すべてがハッピーなわけではないけど、そんな人間らしい悩みも見せることができるのがWACKの強み。それを武器に2023年もみんながWACKを嫌いにならずに愛して、前向きに進んで行けることを願っています。BiSHは解散までもう半年を切りました。思い出をしっかり残したいとBiSHは思っていますし、「We will WACK you!! TOUR」でほかのグループとライブをしたいというBiSHメンバーの願いが叶ってすごくうれしかったです。私は各グループのみんなのことをすごく頼もしいなと思っているので、これからみんながどんな活動を見せてくれるのか、楽しみです。
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