音楽ナタリー Power Push - ViCTiM

VALSHE+minato新ユニット 旧知のパートナーとだからできる挑戦

minatoに「スカート履いて」

──3曲目の「ポイズン・アップル・ジュース」は寓話的な世界観の楽曲。これは作詞がminatoさん、作曲がVALSHEさんですね。

minato 2次元的でファンタジックな曲ですね。

VALSHE この曲の制作も楽しかったですね。さっきもお話ししましたけど、まさに「1人でやったらちょっとやりすぎかな」と思えるような曲で。2人じゃないと成立しない曲だと思います。

minato 視点も2人分だし、ここまでファンタジーに振り切った歌詞もソロではなかったからね。僕がオクターブ下の音域でコーラスしてることも含めて、「2人でやればこんな表現もできる」っていう曲だなと。今回のアーティスト写真のビジュアルも、この曲を作る上で参考になってるんですよ。

──確かにViCTiMのビジュアルワークはファンタジックな要素が強いですよね。

VALSHE 衣装のデザインも自分が軸になって決めさせてもらったんですけど、minatoはビジュアルや衣装に関して、こちらから提案したものにNOを言わないんですよ。だから「スカート履いて」ということも言えるんです(笑)。

──すごい(笑)。スカートはまったく抵抗なかったですか?

minato はい、全然(笑)。人生初のスカートだったし、すごく新鮮でしたね。こういう世界観はもともと好きですけど、自分に似合うかどうかはやってみないとわからないじゃないですか。実際にやってみると楽しかったし、最後はVALSHEがしっかりまとめてくれるという信頼もあるので。実際、すごくカッコいいビジュアルになったので「さすがだな」と。僕としては写真の撮影やミュージックビデオなどでVALSHEの足を引っ張りたくないという気持ちもあるんですよね。パフォーマーとしては彼女のほうが先輩だし、スカートを履いたときも「どう動けばカッコよく見えるかな」って考えて。

VALSHE 普段は絶対そんなこと考えないよね(笑)。

お互いがお互いをプロデュースできる部分も

──それにしてもすごい信頼関係ですよね。やはり2人の絆の強さが、ViCTiMの本質なのだと思います。

minato 確かに遠慮はしてないですね、お互い。そこはいいところだなと思います。

VALSHE 数年間(アーティスト、サウンドプロデューサーとして)活動したあとでユニットを組むことって、あまり多くないことだと思うんですよね。この5年の中でお互いにたくさんの情報を持っているし、ビジュアルにしても音作りにしても、すごくいろいろなことができるんじゃないかなと。

minato 例えばVALSHEのボーカルにしても、本人以上に僕のほうが聴いてると思うんですよ。そこから出てくるアイデアもあるし、お互いがお互いをプロデュースできる部分もあるんじゃないかなって。

──お互いを知り尽くした2人が、新しいケミストリーを模索する場所なのかもしれないですね。「そうくるか!?」みたいは発見もあるだろうし。

minato

minato そうですね。「ゼロサム・ゲーム」にしても、予測していた感じというよりも「そっちにいくか?」という面白さがあると思うんです。作品ができあがってみて、自分たちも「面白いな」って思えたし。

VALSHE そこは自分も同じ意見で、ViCTiMという新しい形の中で、どういう作品が生まれてくるんだろう?という未知の期待が大きくて。一緒に活動していく中で「こういうのが出てくるのか!?」という新鮮な発見もあるし、「そうそう、やっぱりこうだよね」って部分もいい意味でたくさんあって。

minato うん。

VALSHE 去年はVALSHEの5周年、minato(トゥライ)のアルバムのリリースがあって、この5年間の中で一番それぞれの活動が多かった年だと思うんです。今年はViCTiMが始まって、またいっぱい一緒にいられるのが楽しいじゃんって(笑)。もっともっといろんな企みができると思うんですよ。このシングルの中に今後に向けての伏線が張られてるかもしれないし……。

──すでに次の活動も見据えている、と。

VALSHE はい。イベント、ライブもそうだし、こういう取材とかラジオにしても、2人でやること自体が初めてじゃないですか。ずっと1人でやっていたことを2人でやるとどうなるんだろう?という期待もあるし、「せっかくだから」という気持ちでなんでもやってみたいなって。

minato 僕らもすごくフレッシュだし、それが聴いている人にも伝わればいいなって思いますね。

──ViCTiMとしてのライブもぜひ観てみたいです。

minato ライブでも2人だからできることはいろいろあると思うし、そこは最大限に生かしたいですね。シングルの制作のときも、ライブで披露することを前提にして音作りをやってたんですよ。作品とライブのつながり、互換性もどんどん出していきたいですね。

1stシングル「ゼロサム・ゲーム / ノン・ゼロサム・ゲーム」/ 2016年2月24日発売 / Being
初回限定盤[CD+DVD]2000円 / JBCZ-6041
通常盤[CD]1200円 / JBCZ-4022
Musing盤[CD+フォトブック]3000円 / JBCF-1006
初回限定盤CD収録曲
  1. ゼロサム・ゲーム
  2. ノン・ゼロサム・ゲーム
  3. ゼロサム・ゲーム(Instrumental)
  4. ノン・ゼロサム・ゲーム(Instrumental)
初回限定盤DVD収録内容
  • 「ゼロサム・ゲーム / ノン・ゼロサム・ゲーム」MUSIC VIDEO
  • CD制作密着メイキング「ゼロサム・ゲーム / ノン・ゼロサム・ゲーム」
通常盤CD収録曲
  1. ノン・ゼロサム・ゲーム
  2. ゼロサム・ゲーム
  3. ポイズン・アップル・ジュース
Musing盤CD収録曲
  1. ノン・ゼロサム・ゲーム
  2. ゼロサム・ゲーム
  3. ポイズン・アップル・ジュース
  4. ノン・ゼロサム・ゲーム(minato less version)
  5. ノン・ゼロサム・ゲーム(VALSHE less version)
  6. ゼロサム・ゲーム(minato less version)
  7. ゼロサム・ゲーム(VALSHE less version)
ViCTiM(ヴィクティム)

VALSHE、minatoの2人からなる男女ツインボーカルユニット。2人がともに作詞作曲し、サウンドからビジュアルまで一括で手がけるクリエイターユニットでもある。2015年6月にVALSHEが発表した「ジツロク・クモノイト」の作詞を、プロジェクト発表前にViCTiM名義で手がけ、一部ファンの間で話題に。同年10月に行われたVALSHEのツアーファイナル公演で、VALSHEがソロ名義の活動を休止するとともにViCTiMのユニット活動に移行することを宣言した。2016年から本格始動し、2月に1stシングル「ゼロサム・ゲーム / ノン・ゼロサム・ゲーム」をリリース。