ukka「青春小節~約束と衝動~」インタビュー|決して簡単じゃなかった10年に思いを馳せて (2/3)

10年の思いをリボンでぎゅっと結んで

──「リボンのひみつ」ではキュートな歌声で恋心が歌われていますが、単なる恋愛ソングではなく、10年の道のりに対する思いを詰め込んだ楽曲になっています。

 10年活動してきた中で感じたうれしかったこと、悲しかったこと、その全部をリボンでぎゅっと結びたくなる、そういう愛おしい気持ちを恋模様に例えて歌っています。

村星 「なんだかんだ10年後」など、10周年を表したフレーズが入っているのがうれしいですね。

宮沢 特に「なんだかんだ10年後 結ばれますように それは運命?きっと懸命。」という歌詞がお気に入りです。私は10年の歴史の中で2年くらいしかグループにいないけど、運命的にukkaと結ばれたと思っているんです。

結城 10年あったらファンのみんなにもいろんなことが起きるじゃないですか。そんな中でukkaと出会ってくれたこと、曲を聴いてくれていること、ライブに来てくれていること、全部が奇跡だなと思います。そしてこれから先もいろいろあると思うけど、10年後もみんなと一緒にいたい。そういう意味も込められた素敵な曲だと思います。

結城りな

結城りな

 サビだけじゃなくどの部分を切り取ってもかわいくて、ドキドキできる曲になっています。

 サビの途中の効果音も聴いていると楽しいので注目してほしいです。サビはリボンを作る動きをイメージした振付も印象的で、真似しやすいと思うのでライブでぜひ一緒に踊ってほしいです。

村星 メンバーの歌声には今までにないような柔らかさが表れていて。完成した音源を初めて聴いたときに「ここ誰が歌っているんだろう……? あ、りなだ!」みたいな驚きがありました。メンバーの新しいかわいさをたくさん引き出していただきました。

宮沢 サビの「リボンでぎゅっしたい」は1回聴いたら頭から離れないと思います。

芹澤 この曲をTikTokで流行らせようとがんばっているんですけど、いつの間にか私の友達にも浸透していてうれしかったです!

若菜 「Everyday 君も限界 何度も解いては結んで All right 君で正解」とか、韻を踏んでいる言葉遊びのパートもキャッチーで、全体的にかわいらしい曲です。

宮沢 ukkaはかわいい曲が少なめなアイドルグループですけど、ちゃんとかわいい曲も歌えますよってアピールしたいです!(笑)

最初に聴いたとき、ずっと泣いてました

──続いて、3つ目の新曲「Re:RAY」についてお聞きします。10周年の節目にふさわしい感動的なアニバーサリーソングで、ライブで涙するファンが続出しそうです。

結城 私は最初に聴いたとき、ずっと泣いてました(笑)。グループの10年間の歩みがすごくきれいなメロディに乗っていて素敵です。メンバー1人ひとりが10周年に対する思いや印象的なエピソードを文章にして提出して、それをもとに歌詞を作っていただいたんですけど、「憧れのまま 綺麗なガラスの靴」の部分は私が挙げたフレーズが元になっているんですよ。私とるりが加入したときのライブで、ガラスの靴を先輩メンバーから渡してもらう演出があって、そのときの思い出をスタッフさんに伝えました。

 自分自身に当てはまる歌詞ばかりで、「ありがとう なんて言葉 もうずっと伝え足りないや」など、ファンの皆さんに対する感謝の思いが込められているのがうれしいです。

芹澤 メンバーに対して思いを伝えているようにも、ファンの方に語りかけているようにも捉えられる歌詞なんですけど、サビの最初の「きっと、ここから ずっと、このまま 輝き続けるからね」というフレーズには、見たことのない景色をファンの方に見せたいという思いが込められています。

ukka

ukka

宮沢 10年間ついてきてくれてありがとうという感謝の気持ちとともに、これからもファンのみんなと叶えていきたい夢がいっぱいあるという、未来への思いも伝えている曲なんです。

若菜 この曲はダンスが付いて、さらに感動的になりました。グループの加入順に1列になり、みんなで一気に羽を広げるようなフォーメーションがあるんですけど、レッスンのときに鏡越しに見て感動しました。ダンスにエモポイントがいっぱいあるのでぜひ注目してほしいです。

宮沢 歌のパートも加入順を意識した構成になっていて、いろんな角度から10年の重みを感じられる楽曲です。

宮沢友

宮沢友

──オリジナルメンバーである茜さんと村星さんは、この曲を聴いていると特に感慨深い思いを感じるのでは?

村星 初めて聴いたときに、メロディにも歌詞にもすごく感動して私も涙が出ちゃいました。「突然始まったStory わからないもの同士 ただ夢中になってたね 涙もキラリ光ったね」という歌詞で曲が始まるんですけど、12歳のときに何もわからない状態で活動を始めた私の思いがこの歌い出しに反映されています。このパートのあとに空との出会いをイメージした振付があって、踊っていると当時のことを思い出しますね。ホントに温かい曲で、歌うたびに感動しています。10年続けてきて、こんな素敵なプレゼントをいただけるとは思ってなかったので、すごくうれしいです。

 この曲を作詞いただくにあたって私たちがスタッフさんに提出した文章が、ukkaのSNSに載っているんですよ。それと照らし合わせながら楽曲を聴いていただけたら、私たちの気持ちがより伝わると思います。

人気曲を“10th ver.”として再録、現在のukkaの歌の魅力は?

──今回のアルバムには、今年1月に行われた「ukka music and sound awards」のセットリストより抜粋した11曲を“10th ver.”として再録した音源も収録されています。「ukka music and sound awards」は楽曲人気投票の結果をもとにランキング形式でパフォーマンスを披露していく“楽曲大賞ライブ”で(参照:ukka “楽曲大賞ライブ”でファン投票上位20曲を披露、大人びた新曲「TOUTOI」も)、再録した11曲は特にファンからの人気が高い楽曲ですね。

 ukkaの楽曲はいい曲ばかりだなと、レコーディングして改めて実感しました。自分が加入する前の楽曲も歌えてうれしかったですし、今の7人体制になってさらに進化したukkaの姿を感じてもらえると思います。

村星 「リンドバーグ」や「それは月曜日の9時のように」は桜エビ~ず時代の楽曲ですが、グループのことはよく知らなくてもこの2曲だけは知っているという方もいるくらい、今でも私たちの代表曲なんです。この7人で再録して、パワーアップした音源をお届けできることがうれしかったです。昔の曲はホントに子供っぽい歌声で、今聴くと恥ずかしいんですけど(笑)、それを大人になった最新の歌声にアップデートできてよかったです。

 作詞や作曲、編曲を担当してくださった作家さんとまた一緒にお仕事ができたような感覚があって、それも再録においてうれしかった点ですね。「それは月曜日の9時のように」を作ってくださったONIGAWARAさんや、「リンドバーグ」の浅見北斗(Have a Nice Day!)さんにディレクションいただいたときのことを思い出しながら改めてレコーディングしました。

芹澤 1回レコーディングを経験した楽曲も、当時とは体制が変わっているので歌割が新しくなっていて。初めてレコーディングするパートは、歌うのがけっこう難しかったですね。

結城 自分が加入する前の楽曲を再録することに対して、うれしさもありつつ、ちょっとプレッシャーも感じました。私は「キラキラ」がukkaで一番好きな曲なんですけど、思い入れがある分、自分の声が加わって大丈夫なのかなとか、いろいろ考えちゃったんですよね。ライブでは何度も歌っていますが、ファンの方に「前のほうがよかった」と言われたらどうしようって。でも、ファンの皆さんも再録を喜んでくださってよかったです。「リンドバーグ」と「恋、いちばんめ」はオーディションの歌唱審査で歌った思い出があるので、この2曲をレコーディングできたことも感慨深いです。

──2年前に加入した宮沢さんと若菜さんにとっては、どの曲もレコーディングで歌うのは初めてですよね。

若菜 自分の声が入った音源を聴いて、うれしくて鳥肌が立ちました。歌詞の1つひとつの意味を研究しながら歌いました。

若菜こはる

若菜こはる

宮沢 私もすごくうれしかったです。10年間の重みを感じつつ新しい自分を開拓できた、とても楽しいレコーディングでした。

──現体制のukkaならではの歌声の魅力、特徴はどんなところにあると思いますか?

 私とりじゅが今年度23歳になる同い年で、1番下のこはるが来年3月で16歳。7つ年齢差があるんですけど、それによって歌声にいろんな層が生まれているというか。声に深みがあるメンバーもいれば、高音がきれいだったり、きらびやかな歌声を持っているメンバーもいて。1人ひとりが自分らしい歌い方をできているところが、今のukkaのよさだと思います。

 語尾の跳ね方とか、細かいところに各メンバーの個性が出ています。自分にしかできない歌い方をそれぞれのメンバーが持っているからこそ、楽曲がよりよい形になっているんじゃないかな。

宮沢 みんなそれぞれ個性的な歌声を持っているので、ライブで生歌を聴いていただけると、よりその魅力が伝わると思います。

芹澤 いろんなメンバーがハモリを担当できるようになったことも強みですね。例えば、今は空ちゃんがライブで下ハモを歌ってくれたり。前はライブでハモることはあまりなかったんですよ。

芹澤もあ

芹澤もあ

結城 私はもあちゃんのコーラスが大好きです。レコーディングでは、もあちゃんがコーラスを担当してくれることが多くて、特に「リンドバーグ」のイントロ部分の声がすごく美しいんです……! それを本人に伝えなきゃと思っていて、今ここで初めて言いました(笑)。

芹澤 ありがとう(笑)。りなちゃんは、そういうことをいろいろと伝えてくれるんです。「コズミック・フロート」のコーラスも褒めてくれたよね。ファンの方に褒めていただけるのももちろんうれしいんですけど、メンバーから言われるとまた違った喜びがあります。

結城 空ちゃんの下ハモも大好物です(笑)。“10th ver.”はハモリやコーラスがより聴きやすくなったし、グループの歌声に厚みが増したなとすごく感じています。

村星 特に「コズミック・フロート」のBメロのハモリに厚みが出ていて、すごくおしゃれな仕上がりになっています。グループの進化を感じますね。メンバー1人ひとりの声質がより際立っているんですけど、それと同時に一体感がちゃんと出ているところも今のukkaのよさだと思います。

若菜 ユニゾンのパートにも厚みが出ていて、7人の声がそろったときにカッコよさや強さを感じます。

宮沢 私もユニゾンのパートが好きで、この7人でしか届けられない、進化した歌声になっていると思います。

──再録曲のうち、「それは月曜日の9時のように」は“10th ver.”のミュージックビデオがYouTubeで公開されました。

 オリジナルを発表した当時はMVを作っていなくて。新しくファンになってくれた方に「『それ9』ってMVないの?」と言われることもあったので、念願が叶った形ですね。ちょっとコメディの要素が入ったMVになっているので、ぜひたくさんの人に観ていただきたいです。