ナタリー PowerPush - 上坂すみれ

モモーイ! ボトムズ! テクノポップ! プロジェクトすみぺ第2章の幕が開く

「わー! わー! わー!」でガチャ切りします

──「げんし~」と「テトリアシトリ」のレコーディングに桃井さんが立ち会ったりは……。

面会謝絶させていただきました!(笑) スタジオにいらしたら、きっと私は破裂しちゃいますから。以前ショートメッセージの宛先を交換したんですけど、メッセージが届くだけでうっとりしちゃうくらい好きすぎるので……。

──ショートメッセージの宛先って、要はケータイ番号ですよね? そんなに好きなら直接電話すればいいのに(笑)。

電話するって受話器から桃井さんの声が聞こえるってことですよね!? そんなことになったら「わー! わー! わー!」ってなって切っちゃいます! なので、うっとりしながら文章でお話させていただくくらいが私にはちょうどいいな、って思ってます(笑)。

「前衛の上坂すみれ」と「後衛の上坂すみれ」

──松武さんとはお会いになりました?

お目にかかってはいないんですけど、3曲目「SUMIRE #propaganda」を作ってくださった佐野電磁さんの「電磁マシマシ」っていうラジオ番組に松武さんがゲストに出たとき「『テトリアシトリ』のPVがあったらいいよね」ってお話をしていたらしくて。……松武さんがタンスシンセ(MOOG III-C)を操作なさっている横で私が歌っているPVかあ。そのPV、観たいです!

──自分でも言っている通り、そのPVに出るのは上坂さん自身ですよ?

確かにそうなんですけど、私の中にはどこか「21歳の声優・上坂すみれさんはそれなりにご活躍なさっているようで大変けっこうなことだと思います」っていう感覚があって……。

──他人事、ここに極まる(笑)。

ふとした瞬間に、Windows98を前にマウスを握りしめてインターネットを見ていたインドア小学生に戻っちゃうんですよ。結局、私は永遠にインドア小学生のままなんじゃないかなと思うことがよくあるんです。

──なのになぜ堂々と歌ったり、お芝居したり、決起集会で数百人を前にアジテートしたりできるんだと思います?

きっと私の中には前衛担当の上坂すみれと後衛担当の上坂すみれがいるんだと思います。

──“上坂すみれ”という競技はダブルスなんですか(笑)。

それか2列編成のパーティを組んで進めるロールプレイングゲームみたいな感じはしますね(笑)。私の中には会議室みたいなものがあって、そこには「集え! 諸君」って言える、表現したいことを皆さんに伝えようとすることのできる前衛の上坂すみれもいるんですけど、後衛もいる。「今、なんかちょっとビクビクしてない?」「大丈夫?」って審査している上坂すみれたちもいるんです。で、後衛はインドア小学生のまま。同志の皆さんと同じように桃井さんや松武さん、それから3曲目の畑亜貴さんや佐野電磁さんの新曲を心待ちにしている人なんです。だから自分の曲を好きになれるし、自分の曲のPVを観たいと思えるんだと思います。

「少女人形がテトリスを始めた」

──「テトリアシトリ」を楽しむための補助線になってくれそうな曲ってなんだと思いますか?

伊藤つかささんの「恋はルンルン」あたりかなあ。伊藤さんの歌い方はそんなにアンドロイドっぽくはないんですけど、坂本龍一さん作曲のテクノ歌謡ですし。かわいらしい感じは似ているのかな、って。

──しかも「恋はルンルン」の歌い方こそアンドロイドっぽくはないものの、伊藤つかささんってデビュー曲のタイトルが「少女人形」ですもんね。

そうでした! じゃあ「テトリアシトリ」は、上坂すみれが「恋はルンルン」をイメージして「少女人形」っぽく歌ってみた曲。「少女人形がテトリスを始めた」曲ですね(笑)。

──そのキャッチコピー、いいですね!

伝わるといいなあ(笑)。「伊藤つかさ featuring 初音ミク」のほうがいいですか?

──それもいいと思います(笑)。

今日は1日OMY祭り!

──そして通常盤の3トラック目は「SUMIRE #propaganda」の作編曲はOMY(Oriental Magnetic Yellow)の佐野電磁さんです。

私、OMY大好きなんです!

──まさにそれを聞きたくて。佐野さんはYMOのパロディバンド、OMYのメンバーであると同時に「リッジレーサー」シリーズや「鉄拳」シリーズといったゲームのサントラの作曲家でもある。OMYとゲーム音楽のどちらをきっかけに佐野さんを知ったのかな?って。

OMYがきっかけですね。ゲーム音楽を集めるのが好きで「リッジレーサー」の曲も「鉄拳」の曲も聴いてはいたんですけど、そこから作曲家さんの情報にさかのぼることはしていなくて。ラジオ番組やインタビューで「YMOが好きです」って言っていたら、同志の方から「上坂さんはきっと好きだと思いますよ」ってOMYを紹介していただいたんですけど、オリジナル曲も素晴らしいし、YMOのパロディもホントに素晴らしくて! サウンドももちろんなんですけど、「体操」が「タイショク~退職」で「京城音楽 -SEOUL MUSIC」が「京浜音楽 -KEIHIN MUSIC」になっちゃう言語センスやジョークのセンスが、すごくテクノ少年らしくてステキだったんです。なので「Lady Go!!」で「1日全部OMY祭り」という企画をやりまして……。

──ボトムズ祭りからOMY祭りまで忙しい番組ですねえ(笑)。

最近「キン肉マンキャラソン祭り」もやりました(笑)。で、OMY祭りをきっかけに佐野さんに「電磁マシマシ」に呼んでいただいたり、佐々武秀樹さんからTwitterでフォローしていただいたり、メンバーの皆さんとつながりが生まれるようになって。以前プロデューサーさんにOMYが好きなことも話していたので、祭りの前から佐野さんに作曲をお願いする予定だったのかもしれないんですけど、それでも同志の皆さんからいただいた刺激によって新しい曲が生まれたことはやっぱりうれしいですよね。

上坂すみれ 2ndシングル「げんし、女子は、たいようだった。」 / 2013年7月10日発売 / スターチャイルド
初回限定盤[CD+DVD] / 1700円 / KICM-91455
アニメ盤[CD] / 1500円 / KICM-91456
通常盤[CD] / 1200円 / KICM-1457
CD収録曲
  1. げんし、女子は、たいようだった。
  2. テトリアシトリ
  3. SUMIRE #propaganda
    (※通常盤のみ収録)
初回限定盤DVD収録内容
  • 「げんし、女子は、たいようだった。」Music Video
上坂すみれ(うえさかすみれ)

ソビエト社会主義共和国連邦が崩壊した1991年生まれの声優。小学生時代よりジュニアモデルとして活動。2012年テレビアニメ「パパのいうことを聞きなさい!」の小鳥遊空役で本格的に声優デビューし、同年「中二病でも恋がしたい!」や「ガールズ&パンツァー」など注目作に立て続けに出演する。その一方でラジオ、イベント、アニメ誌、カルチャー誌などを通じて、無類のロリータファッションマニア、ソ連・ロシアマニア、ミリタリーマニア、音楽マニアであることがファンの知るところに。2013年4月、その趣味の世界をダイレクトに反映したシングル「七つの海よりキミの海」でアーティストデビュー。7月に桃井はるこ作詞作曲による2ndシングル「げんし、女子は、たいようだった。」をリリースした。