テーマは「俺的なP.M.A.」ですね（笑）

今回のアルバムには茂木欣一（Dr）が歌う「新しい命の誕生」をテーマにした「女神の願い」、メンバー歌モノであるアンセムソング「A Song For Athletes」、昨年12月に惜しまれつつ解散したKEMURIの伊藤ふみおをゲストボーカルに迎えた「Pride Of Lions」と、3曲の歌モノが収録されている。

谷中　ふみおは沖祐市（Key）と高校時代からの知り合いで、僕と川上とも同い年なので、ずっと前から交流があったんですよ。で、同じスカをベースとするバンド同士で仲良くしてたんですが、2年前にKEMURIがベトナムでライブをするときに「スカパラも一緒に行かない？」って誘われて、一緒にライブをしに行ったんですね。KEMURIもスカパラもものすごく盛り上がりましたよ。

このベトナムライブをきっかけにさらに結束を強めた両バンドだったが、2007年にKEMURIの解散が決定。解散の知らせをスカパラの面々はどう受け止めたのか。

谷中　俺は個人的に頭に来て、「なんで止めるんだよ！」って呼び出して3時間ぐらい話したりしたんですけど（笑）、まあ解散することについては彼なりのビジョンもあったので納得して。その後、去年の「RISING SUN ROCK FESTIVAL」にKEMURIもスカパラも出演したんですが、そのとき「せっかく一緒にいるんだからスカパラのステージで、1曲飛び入りで歌ってもらおう」という話になって、SPECIALSの「Monkey Man」を一緒にやったんですよ。これがすごい盛り上がって、本人も楽しかったみたいで「KEMURIは解散するけど、歌は続けていこうと思った」って言ってくれたんです。

この言葉をきっかけに、伊藤ふみおがアルバムに参加することが決定。谷中は彼のイメージを思い浮かべながら「Pride Of Lions」の歌詞を書いた。

谷中　テーマは、ふみおがKEMURIで提唱していたP.M.A.（Positive Mental Attitude＝肯定的精神姿勢）を踏まえての「俺的なP.M.A.」ですね（笑）。「Share a dream」という言葉が出てくるんですが、みんなでひとつの夢を共有できるのはやっぱりライブの場所やフェスティバルだったりするんで、音楽を媒介にしてみんなで夢をつかんでいこうという、そういうハッピーなテーマを打ち出してみました。

発売日にツアーが始まるんで、初日のお客さんはハードル高いかも（笑）

アルバムリリース当日の3月26日より、全国ツアー「Perfect Future Tour」がスタートする。

谷中　今回は特にアルバムをじっくり聴いて、「この曲はどうなるんだろう」「ああ、こうきたか！」みたいな楽しみ方をしてもらいたいですね。ただよく考えたら発売日と同時にツアーが始まるんで、特に初日のお客さんなんかはハードル高いかもしれないね（笑）。

現在発表されている日程は全国33公演。大都市や地方の小都市、ライブハウスやホールなど、さまざまな会場で繰り広げられる。

川上　なるべく同じ地域内でも行ったことのないところを選びましたね。滋賀もいわきもそうだし…あと、岩手県でも普通は盛岡市なのに北上市とか、新潟市じゃなくて長岡市とか。俺はよくスタッフにリクエストするんですよ、「ここ行ったことないから入れてよ」って（笑）。

谷中　今回行けなかったところもたくさんあるんで、ぜひいつか行ってみたいですね。

川上　あと、スカパラの場合はライブハウスがいいかホールがいいかってのが、ファンの間でもすごくはっきり分かれるんですよ。やっぱり僕らぐらいの世代になると「もうライブハウスでグチャグチャになるのは厳しいよ」って人が多くて（笑）、でも若い人や元気のある人は椅子のないところで騒ぎたいと思ってるし、なるべく両方から選べるようにしてみましたね。

谷中　先行予約の申し込みを見ても、ライブハウスとホールで申し込んだ人の年齢層がはっきり分かれるみたいですね。