ナタリー PowerPush - T-Palette Records#3 - Negicco

結成10年 最高の追い風

Negicco + connie インタビュー

過去最大の追い風とトラウマ

──満を持しての1stオリジナルアルバム……満を持しすぎと言えば持しすぎなアルバムがようやく完成しましたが、やっぱり皆さんにとっても感慨深いものでしょうか。

写真左からKaede、Nao☆、Megu、connie。

Nao☆ 感動しすぎて泣きましたね(笑)。みんなずっとアルバム出したいって言ってて、ベストアルバム(2012年2月発売「Negicco 2003~2012 -BEST-」)もうれしかったけど、あのときは歌い続けてきた歌を作品としてまとめたものだったので「やっぱりオリジナルアルバム出したいね」って話してたんです。それも、ただ単に提供してもらった曲を私たちが歌うだけじゃなくて、皆さんそれぞれNegiccoのことを思って作ってくださっているというのが伝わってきて、胸がいっぱいになって……。ラフ盤が完成して最初に通して聴いたときはホントに感動しすぎて。

──「アルバム」というものへの憧れがあった?

Megu ありましたねー。新曲がいっぱい増える喜びもあるし。あと今回は、私がもともとファンだった方々に曲を作ってもらえたこともうれしくて。いろんなNegiccoを引き出してもらえました。

Kaede アルバムを出したいなって気持ちは、今より昔のほうがもっとありました(笑)。Perfumeさんが「GAME」(2008年4月発売)を出されたときに「ああ、こういうことがいつかできたらいいな」とぼんやり思っていたことが、5年経ってようやく実現できたみたいな。それもいろんな方々、Negiccoのことを愛してくれている人たちに曲を作ってもらえて、connieさんも皆さんに負けないように気合いを入れて作ってくださったんだろうなって思うし。本当にうれしいですね。

──やはりT-Palette Recordsへの参加はNegiccoにとって大きな転換期だったと思いますが、その後はどんどん勢いを増していて。特にここ最近は追い風がすごいですよね。この追い風は皆さん自身も感じているかと思うのですが……。

全員 ……。

Nao☆ すごい方々にアルバムに参加していただいたり、取材を受けると「最近すごいじゃん」って言われるんですけど、イマイチわからないんですよ。これまでさんざんな目に遭ってきたので(笑)、信じられないっていうか。

MeguKaede あははははは(笑)。

Nao☆ 「今いいぞ!」って思ってても結局落ちちゃうってことが何回もあったので、実際に「きた!」ってなるまで、「きてる」って思うこと自体にどこか怖さを感じてるのかなって。

──本来ならもっと調子に乗っていいほどの追い風だと思うんですね。もしかしたら多少調子に乗ったほうがうまくいくこともあるかもしれない。とはいえNegiccoは追い風が急に角度を変える体験を過去に何度もしてるから(笑)、トラウマと言えるほどの挫折を何度も味わってきたんだろうなと……。途中から3人と併走しているconnieさんは、今の状況をどう感じていますか?

connie 間違いなく過去最大の追い風だとは思います。ただ現実的なことを言うと、CDの売り上げやライブの動員には目標があって、まだそこまでは到達できていないので。たぶん3人ともそういう意味で、まだまだ途中だと感じてるんだと思います。

Nao☆ 本命っていうか「Negiccoを一番に観たい」と思ってくれる人をもっと増やしていきたいんですよ。去年と比べてもかなり広がってると思うんですけど、どうしても周りとの比較で見ちゃって……。

Megu それはある。でんぱさん(でんぱ組.inc)とかエビ中さん(私立恵比寿中学)とか売れてる方たちを見ちゃうと、自分たちってまだまだなんだなって。

──なるほど。「潜在的お客さん」はおそらくたくさんいるんだけど、まだ本命にはなりきれていないのかもしれないですね。その潜在的なお客さんを取り込んだときにもう一段階アップすると思うのですが、今回のアルバムはその決定打になりうる素晴らしい内容だと思いますよ。

connie そうなってくれるといいですね。

不安を打ち消してくれたのが郷太さんの「愛タワ」

──ではアルバム「Melody Palette」についてお聞きします。「こういうアルバムにしよう」という具体的なアイデアは最初からありましたか?

connie

connie 今まで僕らが普通にリスナーとして聴いていたRAM RIDERさんとかtofubeatsさんとか、そういう方々がTwitterとかでNegiccoを聴いているとつぶやいているのを目にしていて、そういう方々と一緒に作れたらなというのはアルバムを作る前から思ってたんですね。それでいざアルバムをという話になったときに「このタイミングだろう」と。それはなんとなく自然に、最初から頭にありましたね。

──アルバムの前段階として、ここ2作のシングルではあえてconnieさんではなく、西寺郷太(NONA REEVES)さんや小西康陽さんの楽曲で勝負しましたよね。シングルの段階でも反響は大きかったですけど、その流れでアルバム参加メンバーが発表されたときは、ナタリーのニュースでもかなり大きな反響がありました。ある意味偏った(笑)、しかし間違いのないラインナップで、人選それ自体がメッセージにもなっているような。

connie うふふふ(笑)。そうですね。

──この人選で何かを嗅ぎ取って振り向いた人もたくさんいると思いますけど、一方で、古くからNegiccoを追っかけているファンにとっては、もしかしたら「connieさんの曲じゃないなんて」と、この方向性を受け入れがたい人もいるんじゃないかと思うんですよ。

Nao☆ それは私たちも思ってました。でもそれを打ち消してくれたのが郷太さんの曲ですね。connieさんの曲だったからこそここまで来られたという気持ちがあったので、大丈夫かなという不安があったんですけど、「愛のタワー・オブ・ラヴ」を聴いたら郷太さんの意思がすごく伝わってきて。それで迷いはなくなりました。

──きっとconnieさん自身にも「自分が作る音楽=Negiccoの音楽」という認識は客観的に見てあったんじゃないかと思うんですよね。そこを振り切ってみたのはなぜですか?

connie Negiccoが次に進むためには、僕だけが作り続けててはいけないと思ったんです。「connieって誰だよ」じゃなく「NONA REEVESの郷太さん!?」だったら「じゃあ聴いてみよう」と思う人はいっぱいいると思うし。もちろん僕が郷太さんの音楽をたくさん聴いてきたから「郷太さんに頼めば間違いないだろう」というのがあるからで、有名なら誰でもいいわけじゃなくて。

──そのジャッジメントへのこだわりはすごく感じますね。単に大きな波に乗りたいという目的だけなら、もっとえげつない乗っかり方もあると思うんですよ。でも実際はNegiccoやconnieさんとちゃんと関連性がある、意味を感じるつながりばかりで。そこがズレていたらきっと批判の対象になるんでしょうけど、レーベルの長がもともとNegiccoのハードコアなファンである嶺脇社長というのも(笑)、このチームの大きな信頼感につながっているなと。

connie そうですね(笑)。いいタイミングでいい人たちに出会えてるなとはいつも感じます。

ニューアルバム「Melody Palette」 T-Palette Records
[CD] 2013年7月17日発売 / 3000円 / TPRC-0047
[アナログ2枚組] 2013年8月14日発売 / 4500円 / TPRV-0003
収録曲
  1. 愛のタワー・オブ・ラヴ
  2. あなたとPop With You!
  3. アイドルばかり聴かないで
  4. イミシン☆かもだけど
  5. 相思相愛
  6. 恋のEXPRESS TRAIN
  7. GET IT ON!
  8. ナターシア
  9. ルートセヴンの記憶
  10. ネガティヴ・ガールズ!
  11. Negiccoから君へ
  12. スウィート・ソウル・ネギィー(grooveman's Jack Bounce Mix)
  13. ニュートリノ・ラヴ(banvox remix)
BACK NUMBER
#1 アップアップガールズ(仮)
#2 lyrical school
#3 Negicco
#4 所属アイドル座談会
T-Palette Records

タワーレコードが発信するアイドル専門レーベルとして2011年6月に設立。以降、立ち上げ時からのメンバーであるバニラビーンズ、Negiccoをはじめ、LinQ(2013年4月にメジャー移籍)、しず風&絆~KIZUNA~、lyrical school、ライムベリー、アップアップガールズ(仮)といった楽曲に定評のあるアーティストが数多く参加し、タワーレコードならではの“音”にこだわった作品が続々とリリースされている。またレーベル主催イベントの開催や、全国各地のアイドルグループを紹介するコンピレーションCDの販売など、アイドル文化の活性化に大きく貢献している。

Negicco(ねぎっこ)

新潟の名産品「やわ肌ネギ」のキャンペーンユニットとして2003年7月に結成。キャンペーンソング「恋するねぎっ娘」でCDデビューを果たす。キャンペーン終了後も地元新潟を拠点に活動を続け、2010年にはローカルアイドルの音楽フェスティバル「U.M.U AWARD 2010 ~全国アイドルお取り寄せ展~」で優勝。2011年にはバニラビーンズとともに、タワーレコードが設立したアイドル専門レーベル「T-Palette Records」の第1弾アーティストとなった。同年11月にシングル「恋のEXPRESS TRAIN」を発表した。2012年2月にはベストアルバム「Negicco 2003~2012 -BEST-」をリリース。このアルバムに収録された代表曲「圧倒的なスタイル」は同年1月よりフジテレビ系人気バラエティ「めちゃ×2イケてるッ!」のエンディングテーマとして1年にわたってオンエアされた。結成10周年を迎えた2013年7月には、小西康陽、西寺郷太(NONA REEVES)ほか豪華クリエイターを作家陣に迎えた1stオリジナルアルバム「Melody Palette」をリリース。


2014年2月12日更新