ナタリー PowerPush - ティーナ・カリーナ

西弁ラブソング第2弾 「あかん」から見る恋愛傾向

愛する者を失った痛切な思いを関西弁で歌い上げた1stシングル「あんた」が、昨年の「第54回 輝く!日本レコード大賞」の新人賞を受賞。その後も多数のメディアに取り上げられ一気に話題が全国区に拡大したティーナ・カリーナが、2ndシングル「あかん」を5月29日にリリースする。

今作は「あんた」同様、関西弁で書かれた珠玉のラブソングで、切なく葛藤する恋心に胸が締め付けられる仕上がり。楽曲の話はもちろん、ラブソングは実話をもとにすることも多いという彼女に赤裸々な恋愛トークを展開してもらった。

取材・文 / 川倉由起子 撮影 / 山田敦士

今年一番の「あんた」を歌おうと思った

──おひさしぶりです。昨年末はデビュー曲「あんた」がレコード大賞の新人賞を受賞したり、「ベストヒット歌謡祭」に出演したり、大活躍でしたね。

ティーナ・カリーナ

ありがとうございます。レコード大賞は私もすごくビックリしたんですけど、去年の9月にCDを出して12月にあの舞台に立てるなんて夢にも思ってなくて。当日はその状況が信じられないながらも(笑)、とにかく今年一番の「あんた」を歌おうと意気込んでましたね。本当に素晴らしい舞台に立たせていただいたなって、聴いてくださる方やスタッフの皆さんに感謝の思いでいっぱいです。

──テレビ出演を経て、何か変化はありましたか?

しばらく会ってなかった友達から連絡がきたり、「えー! ティーナ・カリーナって里奈ちゃん(本名)やったんやー」みたいな反応があったり(笑)。あとはいろんなイベントで「『あんた』を歌います」って言ったら拍手が起こって、皆さん知ってくださってるんやなっていうのがとてもうれしいです。

──昔からずっと応援してくれているという家族はどうですか?

おじいちゃんが、私専用のスクラップブックを作ってくれてます。掲載された新聞や雑誌、名前だけ載ってるチラシとかも全部切り抜いて保管してくれていて。「これが増えるのが楽しみや」っていつも喜んでくれて、本当にありがたいなって。

──大阪から所属事務所のある宮城・仙台へ引っ越して早1年が経過。新しい環境にも慣れましたか?

一人暮らしすら初めてで最初は戸惑うこともあったんですけど、今はもうだいぶ慣れました! 言葉は相変わらず関西弁ですけど(笑)。

自分の歌でスタッフに心配されるほど泣いた

──「あんた」に続く2ndシングル「あかん」は、そんな仙台暮らしの中で生まれた楽曲だそうですね。

そうなんです。「あんた」は私が初めて関西弁で作った曲なんですけど、いろんな方に聴いていただけたり、感想ももらう中で「やっぱり関西弁でしか伝えられへんこともあるな」っていうのをすごく感じて。仙台に住んだことで「自分はやっぱり関西人やな」と改めて思う瞬間もあったし、最初は早く仙台に馴染もうと思っていたのが、逆にいればいるほど自分の関西人らしさが客観的に見えてきて……。だったら、私にとって生まれ育った方言でしか言い表せないニュアンスを使いながら歌詞を書くのもひとつの表現方法かなって思ったんです。

──それで再び関西弁の歌を書いてみたということですね。歌詞は何度も繰り返される「あかん」が強烈なインパクトを残していますが、関西の方って本当によくこの言葉を使いますよね。

すごく使うと思います! 私も1日1回以上は絶対言ってるんで(笑)。ちなみにこの歌詞には36回出てくるんですよ。

──そんなに!?

はい。でもその「あかん」には1個1個意味があるというか、すべて表情が違っていて。レコーディングでも、それぞれの「あかん」に感情を乗せることを意識して歌いましたね。

──先ほど「方言でなければ言い表せないニュアンスがある」という話が出ましたが、この「あかん」に関しては具体的にどの部分ですか?

ティーナ・カリーナ

「あかん」という言葉をどう捉えるかはそれぞれの受け止め方に任せますが、この歌詞の場合は「ホンマはええねんで」っていうニュアンスも含まれてるのかなって。「あかん」と言いつつ、80%くらいはいいと思ってるという。

──ダメだとわかっているのに止められない恋、という感じですかね。ちなみに、これって実話なんですか?

はい。あまり深くは掘らないでほしいんですけど(笑)、なぜかそういう恋愛方向に行っちゃうんですよねー。本気になってるのはわかってるけど、そこを「あかん、あかん」って自分でなんとか食い止めようとする気持ち……それを考えるともう、涙なしでは歌えませんでした(笑)。作業中も自分の歌で何回も泣いて、スタッフさんに心配されちゃうくらいでしたね。

──でも、それだけ歌に入り込んでいたと。

「あかん」は「あんた」のときと同じレコーディング方法で、仙台の某ライブホールのステージを貸し切って歌わせてもらったんです。現場に録音機材とかもろもろ搬入して。お客さんは誰もいないんですけど、そこで歌うことによって感情を自由にあふれさせることができたのかなって思います。

ティーナ・カリーナ

ティーナ・カリーナ

大阪府池田市出身の女性シンガーソングライター。大学時代より音楽活動を始め、卒業後は大阪市の阪急百貨店で販売員をしながら楽曲制作やライブ活動を行う。2011年春、プロデビューを目指して約50社にデモテープを送付。その中の1社、エドワード・エンターテインメントとの契約が決定し、活動拠点を同社の所在地である仙台に移す。2012年9月、ミニアルバム「ティーナ・カリーナ」でメジャーデビュー。この中の収録曲「あんた」は女性の気持ちを関西弁で歌ったラブソングとして大きな注目を集め、10月に急遽シングルカットされた。同年、「第54回 輝く!日本レコード大賞」で新人賞を受賞。2013年3月には「あんた」が読売テレビ開局55年記念ドラマ「泣いたらアカンで通天閣」の主題歌に起用され、主人公の同僚役でドラマ出演も果たす。同年5月29日に2ndシングル「あかん」をリリース。