ナタリー PowerPush - ティーナ・カリーナ

西弁ラブソング第2弾 「あかん」から見る恋愛傾向

PVはあえてシンプルに思いを吐き出す

──「あかん」はすでにイベントなどで歌っているそうですが、オーディエンスの反応はいかがでしょう?

私自身もすごく気になっていたんですけど、ある日のライブ終わりで「めちゃくちゃ共感しました」って言ってもらえたことがあって。でも曲が曲だけに素直に喜べなかったというか(笑)、「みんなもつらい恋してんねんなー」って。でもそうやって共感してもらえたことがライブだと直接わかって、そのへんは少しホッとする感覚もありましたね。

ティーナ・カリーナ

──わりと幅広い年代の方が共感してくれてます?

そうなんですよ。40~50代くらいの女性の方も多いですし、男女問わず幅広い層に届いてるなっていうのは感じます。私が以前働いていた阪急うめだ本店の屋上で無料招待ライブをやったときも、自分の母親世代の方たちがすごく応援してくれてめっちゃうれしかったです。

──PVはどんな作品に仕上がりましたか?

最初から最後までワンカットの撮影で、窓の外を眺めながら好きな人にひたすら思いを馳せてるっていう内容になってます。とにかく私の表情だけがずっと映ってるので、それだけで見せなきゃっていう緊張感はありました。でも実は撮影場所が「あんた」のPVと同じでスタッフさんも一緒だったので、すごくリラックスしてできましたね。

──画面いっぱいに顔が映った完成映像を観たときはいかがでした?

めちゃめちゃ恥ずかしかったです(笑)。でもすごくいい感じだなって。曲自体のインパクトが強いので、PVはあえてシンプルに思いを吐き出すという方向に振り切ったんですよ。曲後半でどんどん思いがあふれ出てくる感じを、ぜひ観てもらえたらうれしいです。

愛し合った2人の最後の一瞬

──カップリング曲「夏の魔法」と「最後のラブソング」も、それぞれ印象的なシチュエーションで描かれたラブソングですね。これらは「あかん」を踏まえて作られたものですか?

いや、もともとあった曲で、リリースの時期なども考えながらこの2曲を選びました。「夏の魔法」はこれから夏が始まるってときにピッタリの曲で、付き合うか付き合わへんか……みたいな2人が花火大会に行くっていうイメージ。男性目線の甘酸っぱい曲なんですけど、自分ならこう思われたい、こういうデートしたいなっていう願望も含めつつ書いてみました。

──まさに青春って感じの楽曲ですもんね。一方の「最後のラブソング」は、しっとりした切ないバラードです。

こっちは、愛し合った2人の最後の一瞬を切り取った楽曲。私の体験がもとになってるんですけど、実は「あかん」の相手とのその後を描いた歌詞になってます。今作のラブソング3曲はテイストやシチュエーションがそれぞれ違うので、その振り幅も楽しんでもらえるといいですね。

片思いをしてるときの自分が好き

──ここからは、ティーナさん自身の恋愛観についても伺っていきたいと思います。まずは自身の恋愛スタイルから教えていただけますか?

かなり一途だと思います。恋愛経験はそんなに豊富じゃないですけど、付き合うといつも長いですね。あと私、初対面で「ずっと友達」か「もしかしたら好きになるかも?」にけっこうはっきり分かれます。

──それってどんな基準で判断してるんですか?

最初はやっぱり見た目とか雰囲気でしょうね。この人なんか素敵やなーとか。

──こういう人が気になりやすいとか、傾向ってあるんですか?

ティーナ・カリーナ

かわいらしい人が好きですね。高校くらいのときは年上に憧れたけど、今は年下もいいかなーって。年上だと最初からどこか期待しちゃう部分があって、それに応えてもらえなかったらガッカリしちゃうじゃないですか? でも年下だと最初からあまり期待しないし、逆にしっかりしてたらポイントも上がってくというか(笑)。まあそこまで年齢を気にしてるわけではないんですけど。何かに一生懸命に打ち込んでたり、尊敬できるところがある人がいいですよね。

──そうやって誰かを好きになると、告白は自分からするほう?

自分からしちゃいますね。そりゃされるのが一番いいですけど、してもらえないんで(笑)。だったら自分から言ってしまえーってなります。でも片思いの期間もけっこう楽しむタイプで、例えばメールだったら「この前送ったばっかやから1週間くらいしないでおこう」とか(笑)。片思いをしてるときの自分が好きだから、告白まではじわじわ楽しみますね。

──過去の恋愛で、やってしまった失敗エピソードってあります?

うーん、言えないようなことが多いなあ(笑)。でも相手にはけっこうズケズケ思ったことを言っちゃうタイプなので、それで傷付けてしまったことはあります。「その髪型ヘンやで!」とか(笑)。しかもその後すぐもとの髪型に直されて、「私はそんなつもりで言ったんじゃないんやけど、ごめん!」みたいな気持ちになりましたね。

ティーナ・カリーナ

ティーナ・カリーナ

大阪府池田市出身の女性シンガーソングライター。大学時代より音楽活動を始め、卒業後は大阪市の阪急百貨店で販売員をしながら楽曲制作やライブ活動を行う。2011年春、プロデビューを目指して約50社にデモテープを送付。その中の1社、エドワード・エンターテインメントとの契約が決定し、活動拠点を同社の所在地である仙台に移す。2012年9月、ミニアルバム「ティーナ・カリーナ」でメジャーデビュー。この中の収録曲「あんた」は女性の気持ちを関西弁で歌ったラブソングとして大きな注目を集め、10月に急遽シングルカットされた。同年、「第54回 輝く!日本レコード大賞」で新人賞を受賞。2013年3月には「あんた」が読売テレビ開局55年記念ドラマ「泣いたらアカンで通天閣」の主題歌に起用され、主人公の同僚役でドラマ出演も果たす。同年5月29日に2ndシングル「あかん」をリリース。