音楽ナタリー PowerPush - THE TURTLES JAPAN

既成概念を壊す超強力ユニット

KAMEDA中心の日本代表

──THE TURTLES JAPANというネーミングにはどんな意味を込めたんですか?

KAMEDA “TURTLE”は“亀”ですよね。だからKAMEDA中心の日本代表だと。そういうイメージですね。“JAPAN”をつけたのは、自分たちの作る音楽の普遍性を表すため。flumpoolファンとかJ-POPファンとか、そういう限定された先入観を切り離したかったので。あとはThe Turtlesというアメリカのバンドに「Happy Together」という代表曲があるんですけど、そのタイトルが持っている意味がこのユニットの方向性と一致したんですよね。そういう不思議な偶然もあったりはしたんですけど。

──なるほど。ということは、THE TURTLES JAPANとしてはハッピーでポジティブな感情をメッセージしていきたいというのが1つの指針になっているわけですね。

YAMAMURA はい。ミーティングの中でKAMEDAさんが話してくれたことがすごく印象的だったんですよ。今の世の中で生きる人の中にはそれぞれつらいことがたくさんあって、それがコップの水が表面張力で盛り上がっているような状態になっているんだっていう話で。

KAMEDA うん。誰もがいろんな思いで心がパンパンになっちゃってると思うんです。だからこそ、僕らはそれを音楽でパーンと弾けさせちゃおうと。

YAMAMURA わかりきったつらいことを歌うのではなく、開き直ったポジティブさをストレートに出していくべきじゃないかと。それがこのユニットの大きな指針になり、あの真っ白なビジュアルイメージにもつながっていくことになったんです。

flumpoolの山村隆太の歌声ではないもの

──デビュー曲となる「It's Alright!」はそのタイトルが示す通り、ポジティブなメッセージにあふれた楽曲になっています。これは具体的にどのように制作されていったのでしょうか?

KAMEDA YAMAMURAとSAKAIが何曲か作ったうちの1曲だったんですけど、一発目はこれがいいかなっていう話になって。デモの段階では非常に清らかな美しい楽曲でしたけど、それを僕が汚して壊しました(笑)。前衛芸術家がバーンとペンキをぶっかけちゃうみたいにノイジーな音を入れたりして。

YAMAMURA KAMEDAさんのプリプロルームで、ああだこうだ言いながらいろいろやりましたよね。ボーカルに関しても歪ませてみたり、ディレイをかけてみたり、いろいろ試してみて。

KAMEDA 歌の方向性は何パターンも試したよね。ユニットとして言葉を伝えたいという思いがあったので、そこをあまりにも壊しすぎちゃうと聞こえなくなってしまうからバランスがすごく難しくて。flumpoolの山村隆太の歌声ではないものにしようという企みの中でいろんなトライアルをしてみた感じです。

──ちょっと不思議なエフェクトがかかったボーカルになっていますよね。

KAMEDA うん。単純にオートチューンをかけたりとか拡声器のような声にすればいいっていうことではなく、誰もやっていないことを探したんですよ。結果、絶妙な匠の技がトッピングされて「It's Alright!」の歌声になりました。普段のプロデュースワークでは、歌はある種神聖な領域なので一定以上は触れないようにしているんですけど、このユニットでは許されるので楽しいですよね。ぬけぬけと思い切りやってやろうと(笑)。

SAKAI こっちとしてもね、まだ足りないまだ足りない、もっとやってください!みたいな(笑)。

YAMAMURA うん。flumpoolとしての歌声はある程度固まってきたものがあったと思うので、ファンからしたら「何してんや!」って感じだとは思うんですけど(笑)。

KAMEDA 「あの亀! あのタートル何してくれてんねや!」と(笑)。

YAMAMURA そうそう(笑)。でも僕は逆にそこが今、すごく大事だと思ってるんです。flumpoolでの声を好きだと言ってくれるのはうれしいんですけど、そこにとらわれ過ぎてたらこれからを生き残っていけないような気がしてて。だからむしろこれまでの僕らを知ってる人をポカンとさせるような極端なものをどんどん作っていきたいんですよね。メッセージも含め、たくさんの刺激をユニットとしてとことん生み出していきたいので。

THE TURTLES JAPAN「It's Alright!」PVのワンシーン

SAKAI そもそも今までの自分たちを壊したいっていう気持ちからスタートしたわけですからね、それがこうやって形になっていくのはめっちゃ楽しいですよね。僕らが作ったものにKAMEDAさんの色が加わってめちゃくちゃ新しいものになっていくっていう。

YAMAMURA 最近のflumpoolは自分たちの根っこにあるもので作っている感じだったけど、KAMEDAさんが僕らになかったものをどんどん入れてくれるから。

SAKAI そうすると先が見えてくる感覚もあるしね。

YAMAMURA うん。この「It's Alright!」はもちろん、ほかの曲もかなり思い切ったなっていう仕上がりだし。

SAKAI まだ言ったら駄目! それはまだ言ったら駄目!

YAMAMURA そっか(笑)。

1stシングル「It's Alright!」 / 2014年11月19日発売 / A-Sketch
1stシングル「It's Alright!」
[ディスクインポーチパッケージ仕様] 1404円 / AZCS-2039
収録曲
  1. It's Alright!
  2. タイトル未定
THE TURTLES JAPAN(タートルズジャパン)

flumpoolの山村隆太(YAMAMURA)と阪井一生(SAKAI)、プロデューサーの亀田誠治(KAMEDA)を中心に結成されたユニット。YAMAMURA、SAKAI、KAMEDAというベーシックメンバーを軸に、WEAVERの杉本雄治(SUGIMOTO)、玉田豊夢(TAMADA)も名を連ねる。2014年10月10日に大阪府・大阪城ホールで行われた「uP!!!presents MBS音祭2014」で初パフォーマンスを披露。白をコンセプトとした鮮烈なビジュアルと、ポップかつスケール感のあるサウンドで話題を集める。2014年11月に1stシングル「It's Alright!」をリリースする。