音楽ナタリー Power Push - THE 夏の魔物

生身のロックバンド宣言!ニューシングルで見せる“核”とは

自分の中の脆い部分を出している

──塚本さんのボーカルは、普段はその歌に登場するキャラクターを演じている面があると思うんですが、今回の曲ではもっと素の塚本さん自身に近い印象を受けました。

塚本 自分の中の脆い部分を出してるかもしれないですね。今までは強さとかカッコよさを意識して、その中に優しさもあるっていうイメージで歌ってたんですけど、今回はそれとは逆でした。リアルな自分たちに近いと思います。

──そういえば「僕と君のロックンロール」の最初のカウントも生っぽいですよね。

鏡るびい

るびい あれはアントンさんとみずほちゃんと私の3人で。

本多 「ワンツースリーフォー!」ってね。

るびい めっちゃ楽しかったです。カウントから始まるの最高(笑)。

本多 るびいちゃんはロック好きだもんね。

るびい はい、本当にいい曲って、聴いたときにビビビって衝撃を受けるじゃないですか。頭に血がバーッて巡る感じとか、体温が上がっていく感じ。この曲のデモを最初に聴いたときの衝撃は、私があまり音楽を知らなかったときに初めて胸をつかまれた感覚と同じだったんです。これはホントにすごいやつだ!と思ってレコーディングも気合い入れてやりました。

──最初はクールビューティ的なキャラだと言われていたるびいさんですが、この曲には思わず熱くなってしまったと。

大内 いや、クールビューティ感はもう全然ない。

塚本 とっくに終わりましたよ。

るびい 待って待って! そんなことない!(笑)

本多 いやあ、ありのままの我々を見てもらわないとね。

全国の方がもっともっと魔物チルドレンになるように

──大内さんはこのシングルの印象はどうですか?

大内 いつも新しい曲ができるときは、武器を作ってるみたいな感じなんです。世の中に発射する弾丸というか。それで今まではドドドドって機関銃みたいな曲が多くて、それもすごくよかったんですけど、今回は狙いすました弾丸1発みたいな感じで。まいぷにの卒業とTHE 夏の魔物の新たな出発。そういうものを全部意識して、本当にいい曲を作ることができたなって思ってます。

──そしてシングル発売後は、3月17日に塚本さんの卒業公演、翌3月18日に新体制でのツアーファイナルが控えています。

塚本 3月17日は私の魔物への愛を込めた、集大成のセットリストを考えてます。お祭りみたいなライブにしたいと思ってるので、楽しみにしていてほしいです。

──期待できそうですね。

塚本 ヤバい。ハードル上げちゃってるかな? でもいろいろ特別なことも準備中なので。

──続く3月18日は生バンド編成でのステージということで、最近はバンド編成でのライブも多くなってきましたね。

大内雷電

大内 今まで通りオケを使ったライブもやりますけど、自主企画のときはバンドでやることが多くなる気がしますね。

──この中で唯一大内さんがプレイヤーとしてのキャリアもあるわけですが、そんな大内さんから見てバンドの演奏はどうでしょう?

大内 いやあ、すごいですよね。だって魔物の曲はめちゃめちゃ難しいんですよ(笑)。

──本来、生演奏を想定して作った曲ではないですもんね。

大内 名だたるプレイヤーの皆さんが難しいって言ってますから(笑)。でも僕らの曲は演奏だけじゃなく、ボーカルも相当難しくて、成田もチャンもまいぷにも、そんな難しい曲を練習を重ねて自分のものにしてきたわけで。だからこそバンドとしてレベルアップしてるし、魔物チルドレンも増えてきてる現状があるんだと思うんです。だからこの2DAYSはどっちの日も気合い入れて観に来てほしいと思ってます。

るびい まいぷにさんの卒業公演も楽しみだし、ツアーファイナルはまいぷにさん卒業後の新しいTHE 夏の魔物を見せる大事な日なので、2日間とも絶対に見逃さないでほしいです。そしてこの1stシングルをきっかけに、日本全国の方がもっともっと魔物チルドレンになってくれるように。そんな素敵な未来を目指してがんばります!

ライブ情報
THE 夏の魔物登場!!!TOUR特別編 ALL MY LOVE FOR YOU ~塚本舞卒業記念スペシャル~
2017年3月17日(金)東京都 新宿MARZ
<出演者> THE 夏の魔物 / and more
THE 夏の魔物登場!!!TOUR FINAL 6人体制初ワンマンGIG
2017年3月18日(土)東京都 新宿MARZ
<出演者> THE 夏の魔物
バンドメンバー:町田昌弘(G / 100s) / 大塚謙一郎(B / 曽我部恵一BAND) / 佐藤栄太郎(Dr / indigo la End) / ハジメタル(Key)
THE 夏の魔物(ザナツノマモノ)
THE 夏の魔物

2006年から青森県で毎年開催されているロックフェス「AOMORI ROCK FESTIVAL -夏の魔物-」の主催者である成田大致を中心に結成された7人組。メンバーは成田大致、泉茉里、塚本舞、麻宮みずほ、大内雷電、鏡るびい、アントーニオ本多からなる。前身となるグループ「夏の魔物」として、2015年8月にシングル「恋愛至上主義サマーエブリデイ / どきめきライブ・ラリ」でポニーキャニオンよりメジャーデビューを果たし、2016年9月には多数の作家陣が参加した1stアルバム「夏の魔物」をリリース。2017年1月をもって夏の魔物としての活動を終了し、1月6日より「THE 夏の魔物」としての活動をスタートさせた。同年3月には浅野尚志が作曲、只野菜摘が作詞を担当したニューシングル「僕と君のロックンロール」を発表する。