音楽ナタリー Power Push - 夏の魔物×ヒャダイン(前山田健一)

成田大致の総集編「魔物、BOM-BA-YE」堂々完成

夏の魔物がメジャー3rdシングル「魔物、BOM-BA-YE ~魂ノ覚醒編~ / バイバイトレイン」をリリースする。「魔物、BOM-BA-YE ~魂ノ覚醒編~」はヒャダインこと前山田健一提供による濃厚な展開が魅力のナンバー。「バイバイトレイン」は作詞を大槻ケンヂ、作曲をYO-KING(真心ブラザーズ)が手がけたストレートなロックチューンだ。

今回、音楽ナタリーではこのシングルの発売を記念して、夏の魔物とヒャダインの対談を企画。夏の魔物からは成田大致、塚本舞、ケンドー・チャンの3名が出席し、前山田楽曲への熱い思いをぶちまけた。

取材・文 / 大山卓也 撮影 / 上山陽介

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クソ古参じゃないですか

──成田さんは以前からヒャダインさんのファンだったそうですね。

左から成田大致、ケンドー・チャン、塚本舞、ヒャダイン。

成田大致 昔、THE WAYBARKっていうバンドをやってたとき、5年くらい前ですけど、曲を書いてほしいって一度依頼してたんです。でもそのときは実現しなくて、いつか一緒にやりたいと思ってて、今回やっと実現したっていう。ヒャダインさんの曲に自分が求めているものが全部あると思ってるんで。

ヒャダイン 照れますね、こういう話は(笑)。僕も成田くんのことは、面白い人だなあって気になってたんです。ほら、吉田豪さんが「世の中には『成田大致のことを嫌いな人』と『成田大致にバカ負けした人』の2種類しかいない」って名言を書いてたじゃないですか。豪さんにそこまで言わしめるくらいすごいんだと思って。それで成田くんのブログとか見たら超アツい内容でそっと閉じるみたいな(笑)。

──夏の魔物から楽曲提供の依頼が来たときはどう感じました?

ヒャダイン 機は熟した! やりたい!と思いましたね。それまでもMVとかは観てて、映像のオマージュ感とか、客演のごった煮感とかがカオスだなって思ってたし、だからといって、ただぐちゃぐちゃに混ぜているわけではなくて、なにか1つ熱いものがあるんだという感じがしてたので。

──塚本さんもヒャダインさんのことは知っていたんですか?

塚本舞

塚本舞 私はニコニコ動画で「マリオ」とか「ゴエモン」とか「ストII」とか……。

ヒャダイン えっ、「ゴエモン」なんだ?

塚本 そういうのをリアルタイムで観てて、そのあとももクロちゃんのほうでも活躍されているのを見てたんで、ヒャダイン=前山田健一ってわかったときに自分の中でパズルがカシャっとハマったような感じですごい衝撃を受けたんです。

ヒャダイン ずっと聴いてくださってたんですね。

塚本 あとヒャダインさんが最初のソロで麻生夏子さんと共演してたじゃないですか(2011年「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C」)。あのヒャダル子役の麻生さんがすごくうらやましくて。もう超かわいいんですよ! それですごい嫉妬しちゃって、私もヒャダインさんと一緒にお仕事がしたいってずっと勝手に思ってたんです。

ヒャダイン えっ、なんかすごく濃いっていうか、クソ古参じゃないですか(笑)。

塚本 だから私にとっても「時は来た!」みたいな感じで。今日という日が来たことが本当にうれしいんです!

NGも夏の魔物だったら許される

──成田さんはヒャダインさんのどんなところに惹かれたんですか?

成田大致

成田 ヒャダインさんの楽曲と出会ったときはすごいショックで、ブルーハーツとかGOING STEADYを初めて聴いたときと同じくらい。自分がやりたかったことをやってる人がいるって思って、ちょっと寝込むみたいな(笑)。それで前のバンド(SILLYTHING)で2012年に出した「サマーロマンサー」っていう楽曲は、ヒャダインさんとやれないのはわかってたんで、あのサウンドを自分で作ろうと思ったんです。アレンジャーさんの家にヒャダインさんの楽曲をいっぱい持っていって「この曲のこの音みたいなやつをここに入れてください」っていうのを1日かけてやっと作って。それでできあがったのがアレです。でも当時あの「スパーン!」って音だけは解明できなかったんですけど。

ヒャダイン あ、あの音は最近リスナーの方に解明されたんですよ。「ヒャダインクラップ」って名前を付けられて、作り方それ大正解!って(笑)。ハードシンセのクラップの音をリバーブで飛ばしたやつなんです。よかったらあげますよ。今回の夏の魔物の曲でもガンガン使ってますし。

成田 今回の曲の打ち合わせのとき、俺、意味わかんないこと言ってませんでした?

ヒャダイン いや、大丈夫です(笑)。曲の発注書がかつてないぐらい長くて「なんだこれ、面白い!」っていうのは思いましたけど。

──その話は以前、曽我部恵一さんとSundayカミデさんも言ってましたね(参照:夏の魔物「東京妄想フォーエバーヤング / ダーリン no cry!!!」特集)。ヒャダインさんへの発注書にはどんなことが書いてあったんですか?

左から成田大致、ケンドー・チャン、塚本舞、ヒャダイン。

ヒャダイン 何をしてほしい、これを入れてほしい、サビはこんな感じ、とかそういうのがウワーって書いてある。僕の音の“スタメン”を使ってほしいってリクエストがあったり。なかなか見たことない発注書でした。新しかった。

成田 俺もヒャダインさんから最初に上がってきた音源を聴いたときヤバすぎて爆笑したんです。しかもタイトルが「魔物、BOM-BA-YE」だったんで、全部がつながったなって思いました。

──「魔物、BOM-BA-YE」っていうタイトルはヒャダインさんのアイデアなんですか?

ヒャダイン そうです。「BOM-BA-YE」はあれですよね、“奴を殺せ”みたいな意味ですよね?盛り上がるかなと思って使いました。そもそも僕もオマージュみたいのが好きなので、あのSOFFetさんの「高須クリニック」のCM曲とかも、あれをパロってる人いないよなと思って入れてみたり。ほかのアーティストだとNGなことも夏の魔物だったら許されるだろうって(笑)。

夏の魔物 ニューシングル「魔物、BOM-BA-YE ~魂ノ覚醒編~ / バイバイトレイン」/ 2016年6月22日発売 / 1000円 / ポニーキャニオン
イラストジャケット Ver. / [CD] PCCA-04389
夏の魔物 Ver. / [CD] PCCA-04390
ブラックDPG Ver. / [CD] PCCA-04391
収録曲
  1. 魔物、BOM-BA-YE ~魂ノ覚醒編~
    [作詞:コールドストン・スタナ、前山田健一 / 作曲・編曲:前山田健一 / ナレーション:杉田智和 / ゲストギター:鈴木修]
  2. バイバイトレイン
    [作詞:大槻ケンヂ / 作曲:YO-KING / 編曲&Key:ハジメタル / Dr:クハラカズユキ / B:ウエノコウジ / G:越川和麿]
  3. グギギギギギギギ デッドエンド!
    [作詞:コールドストン・スタナ / 作曲:田中公平 / 編曲:伊藤賢治]
  4. 魔物、BOM-BA-YE ~魂ノ覚醒編~(Inst.)
  5. バイバイトレイン(Inst.)
  6. グギギギギギギギ デッドエンド!(Inst.)
「夏の魔物現象2016」メジャー3rdシングルレコ発ワンマンGIG
2016年6月24日(金)東京都 新宿FACE
OPEN 19:00 / START 19:30
<出演者>
夏の魔物 / ブラックDPG / 伊藤賢治(ゲスト)
「夏の魔物現象2016」ROAD TO 10th ANNIVERSARYシリーズ ~地獄篇~
2016年7月15日(金)東京都 新宿BLAZE
<出演者>
夏の魔物 / and more
「夏の魔物現象2016」ROAD TO 10th ANNIVERSARYシリーズ ~天国篇~
2016年8月5日(金)東京都 新宿ReNY
<出演者>
グッドモーニングアメリカ / 清 竜人25 / 夏の魔物 / and more
AOMORI ROCK FESTIVAL’16 ~夏の魔物~
10周年記念大会
2016年10月1日(土)青森県 夜越山スキー場
<出演者>
夏の魔物 with ヒャダイン / 人間椅子 / 曽我部恵一 / バンドTOMOVSKY / クリトリック・リス / BELLRING少女ハート / 生ハムと焼うどん / やついいちろう / 吉田豪 / 杉作J太郎 / 久保ミツロウ・能町みね子 / POLYSICS / 藤井隆 / 清 竜人25 / ROLLY / アーバンギャルド / SCOOBIE DO / THE NEATBEATS / HINTO / ザ・チャレンジ / ゆるめるモ! / and more
夏の魔物(ナツノマモノ)
夏の魔物

2006年から青森県で毎年開催されているライブイベント「AOMORI ROCK FESTIVAL -夏の魔物-」の主催者である成田大致を中心に結成されたユニット。メンバーは成田大致、ケンドー・チャン、塚本舞、大内雷電、アントーニオ本多の計5人。2015年8月にシングル「恋愛至上主義サマーエブリデイ / どきめきライブ・ラリ」をポニーキャニオンより発表しメジャーデビュー。2016年1月にはシングル「東京妄想フォーエバーヤング / ダーリン no cry!!!」、同年6月には「魔物、BOM-BA-YE ~魂ノ覚醒編~ / バイバイトレイン」をリリースする。

ヒャダイン
ヒャダイン

本名、前山田健一。1980年生まれの音楽クリエイター。3歳でピアノを始め、作詞・作曲・編曲を独学で身につける。京都大学卒業後、2007年に本格的な音楽活動を開始。前山田健一として倖田來未×misono「It's all Love!」、東方神起「Share The World」などのヒット曲を手がける一方、ニコニコ動画などの動画投稿サイトに匿名の「ヒャダイン」名義で作品を発表し大きな話題を集めた。2010年5月には自身のブログにてヒャダイン=前山田健一であることを告白。その後もヒット曲を量産し、2011年4月にシングル「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C」でヒャダインとしてメジャーデビューを果たし、2012年11月には初のソロアルバム「20112012」をリリース。2014年は郷ひろみの99thシングル「99(ナインティナイン)は終わらない」での作詞・作曲およびサウンドプロデュースや、椎名林檎のセルフカバーアルバム「逆輸入 ~港湾局~」にて「プライベイト」のアレンジを担当をするなど、幅広いアーティストからの支持を獲得する。秋には小野大輔、櫻井孝宏、中田譲治が歌うアニメ「繰繰れ!コックリさん」のオープニングテーマ「Welcome!! DISCO けもけもけ」をプロデュースし、そのシングルが11月にリリースされた。