音楽ナタリー Power Push - the GazettE
孤高のバンドが歩んだ15年
日本の湿気た感じが出るのかな
──ちなみに昨年は海外ツアー(「the GazettE WORLD TOUR 16 DOGMATIC -TROIS-」)を行っていましたが、海外ではバラード曲の反響って、どのような感じなのでしょうか。
RUKI 反応、いいですね。
──それは聴き入っているということですか?
RUKI 昔はチークタイムみたいになってたんですけど(笑)、このあいだ行ったときはそんなでもなかったですね。でも黙って聴くような文化がおそらくないから、ずっとこんな感じ(腕を左右に振る)です。「この曲で?」みたいな。
──よく海外のファンの方が「日本のバラードのメロディは特徴的に聴こえる」と話しているのを耳にします。
RUKI そう言いますよね。侘び寂びがあるんですかね? 海外のバラードってすごく壮大だったりするじゃないですか。でも、俺たちは言うほど壮大でもないというか……日本の湿気た感じが出るのかな。
戒 閉鎖的な感じなのかね? 俺らはそっちのほうが落ち着くよね。それを日本的と言うのかな。
──では「TRACES VOL.2」の収録曲でお気に入りの1曲を教えてください。
麗 「UNTITLED」かな。バンドサウンドと打ち込みの割合が半々くらいの曲なんですけど、今回のミックスのアプローチにもマッチしていて、聴いていて気持ちよかったです。
戒 「WITHOUT A TRACE」は再録でアコギの音がより深く仕上がったなと思います。人のパートなんですけど(笑)。
REITA オリジナルと比べてという意味なら、「D.L.N」は当時のごちゃっとした感じからもう少しすっきりとした感じになったかな。当時は全部前に出てたものを、今は整理できるようになったというか。
RUKI 「絲」かな。オリジナルはもう若すぎて(笑)、「どうなるのかな?この曲」という思いがあったんですけど……アレンジが自然と大人っぽい方向に向かっていったのがよかったですね。
葵 「reila」ですかね。間奏とか、ラフに弾いたものを使っているんです。ここだけ、僕の家で弾いたんですよ。部屋でなんとなく弾いたものをスタジオで越えられなくて、偶然の産物なんですけどね。レコーディングって作業的になりがちだけど、その瞬間瞬間を大事にできたレコーディングだったかな。
考慮しかしてないです
──3月10日に東京・国立代々木競技場第一体育館にて開催される「十五周年記念公演 大日本異端芸者『暴動区 愚鈍の桜』」がいよいよ迫ってきていますね。
RUKI セットリストはもう固まってます。あとはどう詰めていくか……。
──楽曲のリクエスト投票も行われたそうですが、こちらの結果はどの程度反映されているんですか?
REITA そりゃあもう、めちゃくちゃ考慮してますよ!
RUKI 考慮しかしてないです。
──今のthe GazettEがバンド初期のコンセプトである「大日本異端芸者」を掲げて行うところに面白みがありますね。
RUKI もう、面白いか面白くないのかも、やってみないとわからない状態です(笑)。
──このタイミングで「大日本異端芸者」をやるというのは、2014年に開催された「STANDING LIVE TOUR14 HERESY LIMITED -再 定 義-」の流れから続いている試みなのでしょうか?
RUKI それもありますけど、単純にファンの皆さんが喜びそうなことというか「パンチのあることがないかな?」と探していったような感覚です。だから「戻りたい」というわけではないんですよね。最近のファンは昔の僕らを知らなかったりするわけですし。
──知らないからこそ観たいファンも多いのでは?
RUKI 当時のファンの子たちもだけど、自分たちで美化しているところもあるしね。
麗 あの頃は無茶苦茶ラフな感覚でやってたけれど、今はそうもいかなくて、ちょっとそわそわしちゃう。自分たちに対してもプレッシャーがありますね。
戒 企画したときは「すっげー面白そう!」なんて思ったのにね。期待感が高すぎてハードルを高くしているのは自分たちなんですけどね(笑)。
──そして先日、追加公演として全国5公演のツアー「HERESY LIMITED TOUR17 十五周年記念公演 大日本異端芸者『暴動区 愚鈍の桜』追加公演」も発表されました。
戒 おかげさまで代々木公演がソールドアウトして。「もっとやりたい」という自分たちの気持ちがあったし、東京だけだと来れない人もいるしというのもあって決めました。
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- バラードベストアルバム「TRACES VOL.2」 / 2017年3月8日発売 / Sony Music Records
- 初回生産限定盤 [CD] / 3900円 / SRCL-9336
- 通常盤 [CD] / 3300円 / SRCL-9337
収録曲
- 枯詩
- Cassis
- D.L.N
- CALM ENVY
- reila
- UNTITLED
- WITHOUT A TRACE
- 紅蓮
- 白き優鬱
- PLEDGE
- 絲 ※初回生産限定盤のみ収録
- 体温 ※初回生産限定盤のみ収録
十五周年記念公演 大日本異端芸者「暴動区 愚鈍の桜」
- 2017年3月10日(金)東京都 国立代々木競技場第一体育館
HERESY LIMITED TOUR17 十五周年記念公演 大日本異端芸者「暴動区 愚鈍の桜」追加公演
- 2017年4月12日(水)東京都 Zepp Tokyo
- 2017年4月14日(金)宮城県 チームスマイル・仙台PIT
- 2017年4月20日(木)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
- 2017年4月24日(月)愛知県 Zepp Nagoya
- 2017年4月26日(水)大阪府 Zepp Osaka Bayside
the GazettE(ガゼット)
2002年結成のヴィジュアル系バンド。インディーズ時代より激しいサウンドと妖艶なルックスで絶大な人気を博し、2005年12月にシングル「Cassis」でメジャーデビュー。2006年5月には初の東京・日本武道館ワンマンライブを実施した。2010年7月リリースのシングル「SHIVER」よりSony Music Recordsに移籍し、12月には初めて東京・東京ドームにてワンマンライブを開催。2015年3月にバンド結成13周年を記念して日本武道館で単独公演「the GazettE 13TH ANNIVERSARY 13-T H I R T E E N-」を実施し、18人のクリエイター集団がバンドの表現を具現化し支えるプロジェクト「PROJECT : DARK AGE」を始動させる。8月に1年10カ月ぶりとなるアルバム「DOGMA」をリリース。11月にはアルバムの続編的な内容のシングル「UGLY」を発表する。また2016年には4月にシングル「UNDYING」をリリース。ワールドツアー「the GazettE WORLD TOUR 16 DOGMATIC -TROIS-」も成功させた。2017年3月に、バラードベストアルバム「TRACES VOL.2」を発表した。