悩み相談 その1

──ところで先日音楽ナタリーのTwitterで、ザ・クロマニヨンズのファンの皆さんに呼びかけたところ、ヒロトさんとマーシーさんに聞いてもらいたいという悩みがたくさん届きまして。インタビュー後半ではその中からいくつか相談に乗っていただけたらと思うんですが。

マーシー　はい。

ヒロト　へえ、なんだろう？

マーシー　ああ、僕らも今でも緊張するよ。ライブの前はすごく緊張する。

ヒロト　するよね。

──どうやって緊張を克服してるんですか？

ヒロト　どうしようもないね。でも人前で緊張するのは普通だと思う。だって「高所恐怖症なんです」って人に話を聞いてみるとさ、「ビルの屋上から下を見ると怖いんです」って。そんなの当たり前だよ！（笑） だからね、人の前で緊張するのは特別なことじゃないから、別に治さなくていいし、そこでしどろもどろになってもそれが普通。

マーシー　ロックンロールパワーで乗り切ればいいんですよ。失敗しても関係ねえだろって。

ヒロト　だけど僕らは演奏が始まるとそこに没頭するからね。できる限りのデカい音とデカい声出して「ギャー！」って言った瞬間に全部吹き飛ぶ。だからこの人も自分のロックンロールパワーの出し方を探ってみるといいんじゃないかな。

マーシー　うん、あとはどれだけヤケクソになれるかですね（笑）。

ヒロト　オススメは曲順通りです。

──やっぱり。

ヒロト　そりゃそうですよ。今回もA面6曲、B面6曲でちゃんとこだわって考えてるし。

マーシー　それはたぶんレコード作ってる人みんなそうだと思いますよ。少なくとも1回は曲順通りに聴いてほしいですよね。僕らもレコード買ってきたら必ず曲順通りに聴くからね。間違えてB面からかけちゃうこともあるけど（笑）。

ヒロト　俺、The Rolling Stonesの「Sticky Fingers」買ったときそうだった。歌詞カードでA面1曲目の「Brown Sugar」の歌詞を読みながら、一生懸命にB面の「Bitch」を聴いてて、なんか違うなあ？って思ってた。

──それはそれで思い出になりますね（笑）。

ヒロト　でもさ、ひと月に使える限られたお小遣いでホントに宝物のようにして持って帰ったレコードなのにさ、ファーストコンタクトがそれって、複雑な気持ちだよね（笑）。

ヒロト　やさぐれてたね、ひたすら。

マーシー　雑誌の投稿欄に送ったり、楽器屋でメンバー募集の紙を貼ったりして。でもそれだと集まんないんだよねやっぱり。

──どうすればいいですかね。

ヒロト　あのね、「バンドのメンバー集まんねえなあ」って思いながらやさぐれてる連中がいそうな場所ってあるんだよ。まずはそこに通うようにする。そのうち、その中に「あいつカッコいいな」と思うやつが見つかるから。

ヒロト　んー、おいしくないと思ったことがあんまないからな。

マーシー　でも体を動かしたり、なんかやったりしたあとのほうがビールはおいしいですよね。

ヒロト　そんなこと言って、朝起きてすぐ飲むくせに。

マーシー　ふふふ（笑）。

ヒロト　みんなって？

──たぶん家族とかでしょうね。

ヒロト　じゃあ一人暮らしすればいい。

マーシー　そしたら靴下脱ぎっぱなしでも誰にも怒られないよね。

──この人は脱ぎっぱなしの癖を直したいわけじゃなく、怒られたくないっていう悩みなんですよね。

ヒロト　じゃあやっぱ一人暮らししかないですね。