この2枚でようやくバンドの実態がやんわりできた

──セルフタイトルのミニアルバムを2枚作って、ご自身の中ではこのバンドに良い感触をつかめています？

ILMARI　うん。いいと思います。ごちゃーって混ぜて、いろいろエッセンス足して、ミキサーかけて飲んでみたらまあまあうまいみたいな（笑）。

──現時点でThe Beatmossというバンドの魅力ってどういうところだと思いますか？

KOSEN　2枚作って思うのは、The Beatmossをやってるとあれもやってみたい、これもやってみたいって欲がいっぱい出てくるんですよね。例えばレゲエをやってみたいとか、スカも作りたいとか、ジャズをやっても変じゃないと思うし。縛りがないから音楽的に遊べる。それが良いところだと思います。

──確かにこのメンバーならどんなジャンルの音もできちゃいそうですね。

ILMARI　なんかこの2枚でようやくバンドの実態がやんわりできたなって思います。僕たち4人の中でもスタートに立てた感じっていうか。何も狙ってここまで来たわけじゃなくて、初めはライブハウスに若手のバンドとして出させてもらって、俺らのこと何も知らないお客さんを盛り上げるにはどうしたらいいかって考えながら、手探りで曲作って……っていうすごい純粋なやり方だったから、俺たちがCD出すとしたらどういうものになるんだろうって想像できてなかったんですよね。

──なるほど。

ILMARI　だから今、次の作品があったらこういうことができるなって想像できるんですよ。多分いろんなバンドが活動し出したときに実感する“自分たちの味”みたいなものを、2枚作ってようやくわかったから。それでもまだ削ぎ落とせる部分もあるだろうし、挑戦できるところもあるだろうし、まだまだですけど。

KOSEN　そう思います。2枚もミニアルバム出してステップは早いけど、やってきたことは普通の新人バンドらしいと思います。

すごく小さいところで定期的にライブを

──今後の活動も楽しみですね。ワンマンツアーも決まってますし。

ILMARI　発表してる曲が14曲でワンマンやるって結構無謀ですよね。

KOSEN　確かに（笑）。（下北沢）SHELTERとかで友達2組くらい呼んで3バンドでもいいのに（笑）。

ILMARI　でもこういうのがあると、それにあわせて何か作ったり、セッションやったり、（フロント以外の）3人だけでやることがあったり、何かやんないとな。

──The Beatmossとしての野望なんかはありますか？

ILMARI　ある？ KOSENくんは野望だらけでしょ。

KOSEN　（笑）。やりたいことだらけっちゃだらけですね。今はもっとライブをやってみたいです。

ILMARI　俺、本当はすごく小さいところで2カ月に1回とか月1とかでいいから定期的にやりたいです。ライフワークみたいな感じで。確か昔エルトン・ジョンがドキュメンタリーの中で言ってたんだけど、まず小さいところでやってて、それが「あのライブ面白い」って評判になって人が集まるようになって、入り切らないことが続いたからやむなくもうちょっとキャパが大きいところにして、そこでもすごく人気が出たからもっと大きくして、っていうのが本来のあるべき姿だと思うって。俺は、このバンドは純粋な気持ちで作ったものだからそういうふうにしたいですね。きっと俺たちが楽しんで曲を作っていったら面白いものができるから、それが良ければライブを観に来てくれる人も増えると思います。

The Beatmoss - Stranger

The Beatmoss - Flippin' Out