THE BEAT GARDENがメジャー1stアルバム「I'm」を8月23日にリリースした。“EDR”(エレクトリックダンスロック)という音楽ジャンルを掲げて活動する彼らだが、本作はこれまでの作品に比べて音楽的な幅が格段に広がった内容に仕上げられている。
音楽ナタリーではこのアルバムの発売を記念して、メンバーへのインタビューを実施。今作について話を聞いたほか、まったく異なった背景を持つ4人がどのように融合し、THE BEAT GARDENとしてEDRを届けることになったのか、その経緯も改めて語ってもらった。
取材・文 / 宮崎敬太 撮影 / 草場雄介
新しいことにチャレンジした「I'm」
──アルバムタイトルの「I'm」にはどんな意味があるんですか?
MASATO 「I'm」はメジャーで最初にリリースするアルバムなので、自己紹介的な意味合いを込めてこのタイトルにしました。
──なるほど。制作はいかがでしたか?
REI 今回のアルバムでは本当にいろんな新しいことにチャレンジしました。例えば「Don't think, feel.」でファンクの要素をプラスしたり、「サイドディッシュ」で80'sっぽいシンセの音色を使ったり。
──そうなんですね。中でも気に入っている曲はありますか?
REI 個人的にはいらない要素を削ぎ落とした「Just Before Dawn」が気に入ってます。トラックはアコギとストリングスだけ。歌で勝負したいという強い思いで作った曲ですね。アルバムとしてもこういう曲が最後に入ってるのは面白いかなと思って。
──ほかのメンバーもそれぞれお気に入りの曲を教えてください。
SATORU 僕は「answer」ですね。この曲はドラムンベースを取り入れてて、180BPMくらいあるんですよ。こんなに速い曲は初めてだから、フェスで披露したいですね。踊り狂ってくれたらなって今から楽しみにしてます。
MASATO 僕はUさんと歌詞を共作した「FLOWER」です。
U すごく激しいギターリフが入ったこの曲のトラックを聴いたとき、恋愛について歌ったら面白いと思ったんですよ。それでずっと歌にしたいと思ってた自分の恋愛で最初に作ってみたんだけどしっくりこなくて、MASATOが出してくれた「自分以外の視点を入れる」というアイデアを取り入れて、そこから歌詞の世界がどんどん広がりました。
──MASATOさんはUさんと共作してみていかがでしたか?
MASATO Uさんの世界観に自分の視点を加えるというのはすごく新しい体験でした。「FLOWER」は個人的にすごく思い入れがあります。
U REIも言ってたけど、「I'm」には僕らの新しい一面がたくさん入ってるんですよ。そんな中で今までの僕ららしい曲は「Alive」だと思っています。ロックの疾走感とエレクトロの高揚感が両方ちゃんと溶け合ってて、なおかつアグレッシブでもある。なので僕は「Alive」が好きです。
MASATO 「I'm」はEDRが中心なんだけど、そこからいろんな音楽の要素を取り入れられる僕らの強みがすごく出た作品になってると思いますね。
最初は3人がそれぞれをフィーチャーするユニットにしようと思ってた
──THE BEAT GARDENは3ボーカル1DJという編成ですが、これまでバンドでやろうと考えたことはなかったんですか?
U ないかなー。THE BEAT GARDENは「バンドやろうぜ」って集まったわけじゃくて、もともと友達同士だった僕とREI、MASATOの3人で結成してるんです。3人がマイクを持って歌うこと、さらに凝った振り付けもなくトラックで歌うことになんの違和感も感じてなかったですね。
──皆さん、好きな音楽がかなり違いますよね?
U 僕は久保田利伸さんが一番好きだし、MASATOはEXILE、REIはカニエ・ウエストという感じでバラバラです。でも僕らはそもそもの始まりが友達だから、音楽性の部分は全然気にならなかったかな。それよりも夢を目指すテンションが同じということが重要でしたね。よく3人で「売れたい」「有名になりたい」って語り合ってました(笑)。
REI 好きな音楽が違うことはお互いわかってたから、最初は3人がそれぞれのメンバーをフィーチャーするユニットにしようと思ってたんです。だけど試しに作ってみたトラックが意外といい感じに3人の好みをミックスできてて。
U そうなんですよ。それで「これ、行けるじゃん」という勢いでグループを組むことにしたんです。そのときに作った曲は今思うと全然ダメダメなんですどね(笑)。
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EDRはライブの現場で徐々にできあがった
- THE BEAT GARDEN「I'm」
- 2017年8月23日発売 / UNIVERSAL SIGMA
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初回限定盤 [CD+DVD]
4800円 / UMCK-9917 -
フラッシュプライス盤 [CD]
2150円 / UMCK-9918 -
通常盤 [CD]
3200円 / UMCK-1581
※フラッシュプライス盤はなくなり次第終了し、通常盤に切り替わります。
- CD収録曲(全形態共通)
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- Don't think, feel.
- Promise you
- Alive
- Sky's The Limit
- Heart beat
- FLOWER
- answer
- 君がいるから
- サイドディッシュ
- Never End
- Walk This Way
- Just Before Dawn
- 初回限定盤DVD収録内容
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- Live History 2015-2017
- Special Trip in MIYAKO ISLAND
ライブ情報
- THE BEAT GARDEN One man LIVE "Sprout Tour"
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- 2017年9月9日(土)
大阪府 梅田CLUB QUATTRO - 2017年9月23日(土・祝)
東京都 TSUTAYA O-WEST
- 2017年9月9日(土)
- THE BEAT GARDEN(ビートガーデン)
- 大阪の専門学校で知り合ったU、MASATO、REIの3ボーカルに、Uの旧友であるDJのSATORUを加えた4人組グループ。「エレクトリックダンスロック」という音楽スタイルを掲げ、都内を中心に活動している。2015年に1stフルアルバム「WILL」、2016年2月にミニアルバム「Air」を発表。3月に東京・赤坂BLITZにてワンマンライブを行い、大成功に収める。7月にユニバーサルシグマよりシングル「Never End」でメジャーデビュー。夏には「SUMMER SONIC」や「RISING SUN ROCK FESTIVAL」など大型フェスやイベントに多数出演した。11月に2ndシングル「Promise you」をリリース。2017年5月に「Don't think, feel.」、7月に「FLOWER」とコンスタントにシングルを発表した。8月にメジャー1stアルバム「I'm」をリリースし、9月にデビュー後初のワンマンツアー「Sprout Tour」を東京と大阪で開催する。