音楽ナタリー Power Push - 天才バンド

やついいちろうと迫る「Sundayカミデとは何者なのか?」

Sundayカミデ

スーツ、ハット、ヒゲ、サングラスの時代

──その中で、やついさんが印象的だったSundayさんの逸話はありますか?

やつい まず、ワンダフルボーイズとして最初にお会いしたときは明るい人気者みたいなイメージだったんですけど、実はものすごいヤンチャだったっていう(笑)。

一同 (笑)。

やついいちろう

やつい 面白かったのは、奇妙さんと2人で、チャリで大阪の道を「どっちが速いか競走しようや!」ってトップスピードで走ったら2人とも壁に激突してケガをしたっていう。

奇妙 そんなことありましたね(笑)。

Sunday 僕は肋骨にヒビが入って、奇妙くんは財布とかいろいろ落としたまま、当時僕らとルームシェアしてた後輩が女の子を連れ込んでるということを聞きつけて、家のドアを「ドンドンドン!」って叩くっていう。それは5年くらい前の話ですね。奇妙くんとの出会い自体はめっちゃ前なんですけど、よく遊ぶようになったのは10年くらい前ですね。

奇妙 初対面のときのSundayさんはスーツを着て、ハットを被って、ヒゲが生えていて、サングラスをかけてはったんですよ(笑)。

やつい マフィアじゃないですか(笑)。

奇妙 Sundayさんがいると周りがピリッとする感じで。「ああ、あの人は偉い人なんやな」と思って。

Sunday 当時、僕はA.S.Pというジャズバンドを組んでいて。「SpyMaster」という雑誌の関西の若いバンドを紹介するページにA.S.Pとアニメーションズが並んで載っていたんです。「このバンドの人誰やろ?」って思ってたところに大阪のFireflyというクラブの事務所で偶然、奇妙くんと会って。それが最初の出会いでしたね。当時、僕はちょうどA.S.Pをやりながら「Love sofa」を始めた頃で。大阪からEGO-WRAPPIN’やDETERMINATIONSが東京に進出する前夜だったんですね。僕もその波に一緒に乗っかろうと思って、そういう格好をしてたんですよ。全然しゃべらないキャラクターを装って。何事も形から入るタイプなので(笑)。

やつい そのときはもともと持ってらっしゃるサービス精神やトークセンスはどうしてたんですか?

Sunday スーツ着てハット被ってたらなんも面白いことが浮かんでこなかったですね(笑)。

中学時代のイリヤマ先生

──そんな感じでよくSundayさんと奇妙さんは仲よくなれましたね。

Sunday すぐには仲よくならなかったですね。徐々にでしたね。

奇妙 広島の野外イベントに行くためにSundayさんが運転する車で大阪から広島までドライブしたことがあったんです。その車内でSundayさんがずっと中学時代のイリヤマ先生という人の話をしていて。それがめっちゃ面白くて。

Sunday 僕が通っていた中学はめっちゃ荒れてる学校やったんですけど。そのイリヤマ先生という人が、赴任3日目で、いきなり拡声器で校舎に向かって「この学校で一番強いやつ出てこいや!」って叫んだんですよ。

一同 (笑)。

Sunday 学校中がザワザワってなって。僕はそのとき1年生で、1年の部屋は一番下の階なんですけど、上からガラガラガッシャーン!みたいな音が聞こえてきて。見に行ったら先輩たちが殴り合っていて。ほんまに2年生と3年生が一番強いやつを決めてたんですよ。

一同 (笑)。

Sunday 「先生の言うことちゃんと聞いてほんまに一番強いやつを決めてるやん!」ってなって(笑)。で、2階からグラウンドを見てたら、最後に残った8人くらいの先輩たちが血だらけになりながら決勝戦をしていて。

──天下一武道会みたいな(笑)。

Sunday まさにそんな感じで。で、最後に勝った先輩が「うわあー!」ってイリヤマ先生に向かっていったら「大人をなめんなよ!」って思いきり返り討ちにされて(笑)。

やつい ズルいなあ。散々弱らせておいて(笑)。

Sunday そう、みんなで「セコーッ!」ってなって。そういう話を車の中で奇妙くんにずっと聞いてもらったんです。

奇妙 ずっと爆笑してました(笑)。

天才バンド ニューアルバム「アリスとテレス」 / 2015年11月4日発売 / 2916円 / unBORDE / WPCL-12256
「アリスとテレス」
収録曲
  1. ロックジェネレーション
  2. Joy to the world!
  3. 好きだよ
  4. firefly
  5. ビューティフルグッバイ
  6. ダラダラ
  7. 琴平電鉄~君だけのライフ~
  8. ロックライダー
  9. THIS IS LOVE
<スタジオジャムセッション>
  1. FUNK YOU FUNK
  2. BLACK TAHITI GIRL
  3. CAT FOOD BLUES
  4. レッドホットチリ島
  5. SHIBUYA STRUT
  6. ONIGIRI
天才バンド ワンマンライブ
ヤクザも政治家もエリツィンもレーガンも毛沢東もキング牧師もロッケンロール!ツアー2015
  • 2015年11月19日(木)
    東京都 渋谷CLUB QUATTRO
  • 2015年11月27日(金)
    愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
  • 2015年12月4日(金)
    宮城県 仙台MACANA
  • 2015年12月12日(土)
    大阪府 梅田CLUB QUATTRO
天才バンド(テンサイバンド)
天才バンド

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団の奇妙礼太郎(Vo, G)とテシマコージ(Dr)、ワンダフルボーイズのSundayカミデ(Cho, Piano)からなる3人組ロックバンド。「Sundayカミデが作った曲だけでアルバムを作る」という奇妙の提案をきっかけに2013年に始動し、「君が誰かの彼女になりくさっても」などのワンダフルボーイズのカバーを中心にした1stアルバム「アインとシュタイン」を2014年4月にリリースした。その後、精力的なライブ活動を続けてファンを獲得。2015年11月に2ndアルバム「アリスとテレス」で、ワーナーミュージック・ジャパン内レーベルのunBORDEよりメジャーデビューした。

やついいちろう
やついいちろう

お笑いコンビ・エレキコミックのボケ担当。芸人としての活動の一方で、DJとしても活躍しており「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「COUNTDOWN JAPAN」といったロックフェスに出演し、人気を博している。自身でもお笑いと音楽を融合させたフェス「YATSUI FESTIVAL!」を主催するほか、フェスと同時期に毎年ミックスCDも発表している。