音楽を通じて難民を支援したい
──アルバム制作中は東京で一人暮らしをされていたそうですね。
去年の夏休み、2カ月ぐらい東京でプチ一人暮らしを経験しました。今月(2月)も東京にいるんですけれども、初めて家に虫が出てしまって……実家だったら誰かに捕まえてもらえばいいんですけど、1人だと自分しかいないから、「どうしよう? 早く実家に帰りたい!」と思ってました(笑)。ただ、こっちにいるといろんな人に会いやすいのですごく楽しいですし、今大学生なので、卒業してから東京に来たいなとも思っていて。ちゃんと一人暮らしするからこそできる歌もきっとありますよね。
──「20 -TWENTY-」なんてまさにそういう曲ですよね。
10代の頃の自分だったらやらなかったけど、もう大人だし夜遅く遊びに行ったり、ちょっと足を伸ばして1人で遠出してもいいんじゃないかなって。そういうフットワークの軽さはもっと身に付けていきたいなと思ってます。
──実体験って歌詞に反映されるものですか?
私は圧倒的に実体験が多いです。やっぱり今は体験しないとわからない感覚がたくさんあると思っていて。膨らませて書くことはあっても、必ずベースには自分の体験があって歌詞を書きます。
──大学生活は楽しいですか?
今やっている仕事とはまったく別の世界ですし、しかもどっちもやりたくてやっていることなのでとても楽しいです。仕事と別の刺激があることは自分の中で大きいなと思っていて。学校に行くと自分はただの学生だし、周りの友達もそろそろ就活とかも始まって、いろいろ話を聞くと、そんなことも大学生のうちにできちゃうんだと驚くこともあります。友達から受ける刺激は、自分が仕事をがんばれる糧になってるなと思いますね。
──大学生活を通じて興味を持ったことはありますか?
高校時代に訪れたアジアで貧富の差を目の当たりにしたことをきっかけに、大学では国際系の学部に入ったんです。その授業を通じてMIYAVIさんがUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の親善大使をやられていることを知り、各国の難民キャンプを訪問して子供たちと交流したり、支援されていて、素敵だなと思いました。いつか自分もあんなふうに音楽を通して支援活動に携われる人間になれたらなという思いはずっとあります。まだまだ勉強不足なところがたくさんあるんですけど、がんばります。
──京都って昔から素晴らしいバンドやミュージシャンが多い場所ですよね。
多いですね。しかも、わざわざこっちに移り住んで来られる方もいらっしゃるじゃないですか。盆地だから夏は暑いし冬は寒いし、どうしてわざわざ来るんだろうと思っていたんですけど、しばらく京都を離れることが多くなってひさしぶりに鴨川沿いとか歩くと風情があって、めちゃめちゃいいところだなって改めて気付きました。5歳からずっと京都に住んでいるので当たり前になっていたけど、この景色からできる音楽はやっぱりあるんだというのは感じて、京都に住みたくなる理由がわかりました。
ここ1年で増えた機材
──今は毎日がとても充実している感じで。
はい。周りの人に恵まれて毎日楽しくやらせてもらってます。
──今日の衣装も素敵です。同じ衣装を着た「B.M.B」リリース時のアーティスト写真が公開されたとき、竹内さんが今ハマってらっしゃるという「鬼滅の刃」の炭治郎っぽいとツイートされてましたね。
はーっ(笑)。そうなんです。私からリクエストを出したわけではなく、本当に偶然スタイリストさんが持ってきてくださった中にこれがあって、一目でこれがいいですと言って着させてもらいました。炭治郎っぽいのもあるんですけど、このTENDER PERSONっていうアパレルブランドがすごく好きで。かわいくて、気に入ってます。ちなみに「鬼滅の刃」の推しは時透無一郎くんです。とにかく大好きなんです!
──竹内さんのライブグッズも毎回かわいくて、オシャレです。
菊地伊織ちゃんっていう同い年のイラストレーターの子が描いてくださってるんですけど、とにかくセンスが素晴らしくて。今度のアルバムのツアーのグッズもまた素敵なイラストを描いてもらったので、ぜひ楽しみにしてくださいね。
──その1stアルバムツアーがまもなくソロセットとバンドの2形態でスタートします。
これまでもいろんな形態でライブをやることが多かったんです。アコギ1本でやるときもあればルーパーやサンプラー使って1人でやるときもあるし、トリオもあればバンドもある。今回のソロセットとバンドもまったく違うものになると思うので、その違いも楽しみながら見てもらえたらいいなと思って、2つのツアーを組みました。ソロセットはギター1本でやるだろうと思ってきてくださった人は、きっとびっくりすると思います。バンドメンバーもギターにUNCHAINの谷川正憲さん、ドラムにオータコージさん、キーボードに別所和洋さん、ベースに名村さんという鉄壁の布陣です。皆さんとは何度も一緒にレコーディングやライブをやらせてもらっているので楽しみですし、たっぷり私たちの音楽を味わってもらえたらなと思っています。
──アルバムツアーを前に、改めて音楽に対する思いを聞かせてください。
「MATOUSIC」は名刺みたいな感じで、竹内アンナはこうですってものがギュッと詰まった1枚になったなと思っています。それを引っさげて早くいろんな人に会いに行きたいですし、今回のアルバムを作る過程でまたやりたいことがたくさん出てきたので、それも次の制作につなげていきたいです。あとはライブでも常に何か新しいトライを続けたいと思っています。ルーパーやサンプラーとか使い始めたのも、ここ1年くらいなんですけど、ちょっとずつ機材が増えていて。自分がいつもライブをするときに大切にしていることは、まず自分がやっていて楽しいこと。それがないと観ている人にも楽しいと思ってもらえないはずなので。そのうえで目でも耳でも楽しめること。よくわかんないけどなんかやってて面白そうと思ってもらえたらうれしいし、来るたびに「あれ、また何か機材増えてる!」とか、サウンドも「アルバムで聴いたアレンジと全然違う!」と驚きもあったらうれしいし。常に何かワクワクを届けられるパフォーマンスを今後も追求していけたらなと思っています。
──増えていくであろう機材にも注目したいところです。
機材はすごく好きで、最近だとDJ用CDプレイヤーを買いました。実際に手で操作できるほうがライブ感があるし、きっと観てる人にも「なんかやってるぞ」みたいなのはわかりやすく伝わると思うので、しばらくソロライブはギターに機材をプラスしてやっていきたいなと思います。もちろんギターもおろそかにしないように。エレキも始めたり。
──竹内さんのギターヒーロー、ジョン・メイヤーもエレキをバリバリ弾いてますもんね。
昨年4月の来日公演は2日とも観に行って、出てくる前から泣いてました。「ホントにいるんだ!」と思って。私にとってジョンは尊い存在です。今年はまたDead & Companyの全米ツアーに参加するみたいですね。フロントに立つ人間でありつつ、サポートも自ら進んでやって。あれだけ上手なのに、それでもギターの技術を追求し続ける姿勢を心から尊敬しています。
ツアー情報
- 1st ALBUM Release SOLO Tour「MATOUSIC」
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- 2020年3月21日(土)京都府 磔磔(※延期)
- 2020年3月29日(日)神奈川県 Yokohama O-SITE(※延期)
- 2020年4月18日(土)福岡県 LIV LABO
- 2020年4月19日(日)広島県 HIROSHIMA BACK BEAT
- 2020年5月10日(日)宮城県 SENDAI KOFFEE CO.(※SOLD OUT)
- 2020年6月12日(金)神奈川県 Yokohama O-SITE(※振替)
- 2020年6月24日(水)京都府 磔磔(※振替)
- 1st ALBUM Release BAND Tour「MATOUSIC」
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- 2020年5月16日(土)愛知県 SPADE BOX
- 2020年5月17日(日)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
- 2020年5月23日(土)大阪府 umeda TRAD
バンドメンバー
名村武(B) / オータコージ(Dr / 曽我部恵一BAND、L.E.D.、ベーソンズ、stico) / 谷川正憲(G, Cho / UNCHAIN) / 別所和洋(Key / Gentle Forest Jazz Band)