音楽ナタリー PowerPush - taffy

ティム・バージェス(The Charlatans)が語る、日本在住バンドをイギリスに招待した理由

taffyは日本在住の4人組ロックバンド。2013年に初めて国内流通のアルバム「Lixiviate」を発表したが、それ以前からイギリスを中心に海外の音楽ファンから熱い注目を集めており、音楽雑誌「NME」「CLASH」や、大手一般新聞「ガーディアン」など数々のイギリスのメディアで絶賛されている。

そんな彼らが今年夏にリリースするミニアルバム「Darkle」の収録曲が、3月に来日公演を行っていたThe Charlatansのフロントマン、ティム・バージェス(Vo)の耳に止まり、taffyは5月にイギリスで開催されるフェス「Liverpool Sound City」に出演することが急きょ決定した。この経緯についてティム・バージェスに話を聞いた。

また特集後半ではtaffyのアイリス(Vo)、浅野芳孝(G)、粕谷謙介(Dr)へのインタビューも実施。ヨーロッパでの人気を着実に増やしている彼らの現状や、The Brian Jonestown Massacreがリミキサーとして参加した新作「Darkle」について、そして彼らが今考えているという“恩返し”について語ってもらった。

取材・文 / 関根学(1・2ページ)、橋本尚平(3・4ページ)

 
mixiチェック

僕は日本の音楽が大好きなんだ

──The Charlatansは2012年の「THE HACIENDA OISO FESTIVAL」以来3年ぶりの来日公演ですが、ライブを終えた感想は?

そうだね、日本は大好きだから3年は長すぎたよ。今回は東京と大阪の2カ所でライブをやったから、10日間もいられていろいろと観て回ることもできたんだ。レコードを買いに行ったり友達と会ったり、サイン会やビデオの撮影までやったからエキサイティングな時間を過ごせたよ。The Charlatansの新譜「Modern Nature」をどれだけ気に入っているかって、日本のファンからメッセージをたくさんもらったから、それをライブで演奏するのを楽しみにしていたんだ。たくさんの人が歌詞まで知っていて一緒に歌ってくれたのがうれしかったよ。

──ティムさんは今回の来日中にTwitterでtaffyをレコメンドしていましたが、どういう経緯で彼らを知ったのですか?

僕は外国にいるときは常に新しいバンドを探して聴くようにしているんだ、そこにいるリアルな感じがするからね。数年前にアメリカのナッシュビルでソロアルバムをレコーディングしていたときは、ラジオをつけるだけでそこで何が起きているかという空気を感じることができた。それに僕はそもそも日本の音楽が大好きなんだ、坂本龍一からCornelius、BOREDOMS、そして大好きなPLASTICSまで。今回は僕の友達がtaffyの曲を流してくれて、これはいいなと思ってYouTubeを観たらもっといろんな曲があってね。YouTubeやSoundCloudは新しいバンドを見つけるのに本当にいいんだ。サウンドチェックとライブの間や、長距離の移動中なんかに新しい音楽を発見するのは最高の時間の過ごし方だよ。

──taffyを聴いて、どう感じましたか?

イギリスとかアメリカの音だったんだよね。シューゲイズ感もあって、でもオリジナルで。ボブ・モールドがやっていたバンド、Sugarをちょっと思い出させてくれたね。

架空のカフェが少しずつ現実になっていった

taffyの出演決定を受けて作られた「ティム・ピークス・ダイナー」の日本語ロゴマーク。

──taffyはイギリスのフェス「Liverpool Sound City」にてティムさんがキュレーターを務める「Tim Peaks Diner」に出演しますが、この「Tim Peaks Diner」について説明してください。

そうだね、「Tim Peaks Diner」はもともとTwitter上で作られた架空のカフェで、少しずつだけど確実に現実のものになっていったんだ。僕独自のブレンドコーヒーを実際に作って、ピート・ファウラー(イギリスのイラストレーター)がデザインしてくれたすてきなカップでサーブする。それをいろんなフェスに持っていくんだけど、そこにエドウィン・コリンズやロディ・フレイム(ex. Aztec Camera)、スザンヌ・ヴェガとかの古くからの友人たちがちょっと顔を出して、何曲か演奏していくんだ。これをもっとエキサイティングなものにするために、最近の新しいバンドにも声をかけたりするのさ。僕は何年か前に始めた「O Genesis」というレーベルを持っているので、そこにいるDrohneやHot Vestryといった若いバンドにも演奏しに来てもらっているんだ。

──なるほど。

レーベルと「Tim Peaks Diner」は本当にうまくいっていて、みんなすごく楽しんでくれている。「Tim Peaks Diner」は今までも「Kendal Calling」や「ワイト島音楽祭」「Festival Number 6」「Field Day」などのすばらしいフェスでやっているんだ。実は「Liverpool Sound City」でやるのは今回が初めてなんだけど、リバプールの街は大好きだしフェスについてもいいことしか聞かないから今からとても楽しみだよ。ライブをするエリアはリバプールドックの倉庫だったり野外ステージだったりといろいろあるみたいで、The Flaming LipsやThe Vaccines、それからBelle And Sebastianなんかも出るんだ。「Tim Peaks Diner」では世界クラスのダンサーが出演するノーザンソウルのパーティをやったり、サウンドトラックを生演奏しながら映画を放映したりする。そこにtaffyにも出てもらうんだ。

ライブ情報
「New Modern Music」
2015年4月24日(金)
東京都 三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
<出演者>
taffy / 花ト散るらん / 死んじゃうじゃんか / 音の旅crew / MIRROR MOVES
「star trail vol.3」
2015年5月3日(日)
東京都 下北沢CLUB251
<出演者>
taffy / sugardrop / re-Peat / TENDOUJI / Cactus Flower / Siôn Russell Jones
DJ:ysk / antoine
taffy ミニアルバム「Darkle」 / 2015年6月17日発売 / 1500円 / Moderna Records / mdrn-0007 ※5月20日タワーレコード先行発売
「Darkle」
収録曲
  1. Suicidal Bunny
  2. Redamancy
  3. Young Tines
  4. Remember to Remember
  5. dr. K
  6. HBD
  7. Young Tines(The Brian Jonestown Massacre Remix)
taffy(タフィー)

東京在住のインディーロックバンド。何度かのメンバーチェンジを経て、現在の編成はアイリス(Vo, G)、小泉将希(B)、浅野芳孝(G)と粕谷謙介(Dr)の4人。2012年に1stアルバム「Caramel Sunset」をイギリスでリリースすると、これが現地で評判に。大手一般新聞「ガーディアン」などさまざまなメディアで絶賛され、音楽雑誌「NME」では日本人の新人アーティストとして初めて巻頭特集が組まれた。2013年には2ndアルバム「Lixiviate」発売後、3カ月のスパンで2度のUKツアーを実施。同年12月に「Lixiviate」を初の日本発売アルバムとしてリリースし、2014年には7inchのB面曲などを集めたコンピレーションアルバム「plus+++」をイギリスで発表。2015年初夏にミニアルバム「Darkle」のリリースを日本とイギリスで予定している。

ティム・バージェス

マンチェスターブーム以降のイギリスを代表するブリットポップバンドの1つ、The Charlatansのボーカリスト。1989年に加入して以来、現在に至るまでバンドのフロントマンとして活躍している。1995年にはThe Chemical Brothersのアルバム「Exit Planet Dust」の表題曲にボーカリストとしてゲスト参加し、2003年にシングル「I Believe in the Spirit」でソロデビュー。2011年には自身が主宰するレコードレーベル「O Genesis」を設立した。