新しい風が吹いた「SHAKA BOOM」
──シングルのアーティスト盤に収録されている新曲「SHAKA BOOM」は、これまで田所さんが発表してきた楽曲とはちょっと毛色が違いますよね。
「SHAKA BOOM」は、初めて海外の方に作曲をお願いした楽曲なんです。日本ではあまり聴かないようなメロディの曲になって、すごくお洒落な1曲です。
──洋楽由来なこともあって、譜割が独特ですよね。
リズムの取り方とかもいつもとちょっと違って、新しい風が吹いてきたかなと自分でも思ってます。レコーディングのときは作曲してくださったRafael Esparza-RuizさんがSkypeでディレクションしてくださったんですよ!
──Skypeでディレクションをするって初めて聞きました。
「あずさ! とにかく熱く歌ってくれ」みたいにちゃんとその場で指示をくれて。私も初めての経験でした。ミックスもRafaelさんが担当してくれて、普段私の曲ってあまり声を重ねたりしないんですけど、この曲ではトリプルで歌声を重ねているんです。今までの曲とはまったく違うテイストの曲ですね。
──アーティストとして新しい試みに挑戦できた1曲なんですね。
以前の自分だったらきっとできなかったことにチャレンジできている実感はあります。自分発信でアイデアを提案することもあるし、チームのみんなで物作りをしている感じがすごく楽しいんです。声優業は何かを演じるお仕事だから作品に対する責任感を感じながらやらせてもらっているんですけど、歌手としての活動は素の自分に近いお仕事だと捉えていて。声優業をやるときとはちょっと違う責任感を感じながらいろんなことにチャレンジさせてもらっています。
老若男女が楽しめるライブを目指して
──少し先ですが、12月16日には東京・Zepp DiverCity TOKYOでワンマンライブが開催されます。声優業と歌手活動をどちらも並行して行っている田所さんにとって、ライブってどういう存在ですか?
ライブ自体はもう何度も経験させてもらっているんですけど、今でもやっぱり緊張しますね。でも最初の頃より「ワンマンライブって自分のホームのような場所なんだ」ってことを理解してきたと思うし、「ちゃんとやんなきゃ」とか「間違えちゃダメだ」とかよりも「みんなに楽しんでもらうにはどうしたらいいんだろう」ってことをちゃんと考えられるようになってきました。今では私自身もすごくライブを楽しめています。
──田所さんが考えるライブの理想像ってどういうものですか?
老若男女が楽しめるライブですね。以前aikoさんのライブを観に行ったとき、本当にいろんな世代の方が音楽を楽しんでいる様子を観て、私もこういうライブができるようになりたいなって思ったんです。すごくアットホームな雰囲気だったし、MCとかもお客さんと会話するような距離感だし、でも歌が始まるとバシっと決まる、みたいな。まずはいろんな世代の方に私の名前を知ってもらわなきゃいけないですね。
──ちなみに12月のライブについては何か考えていますか?
スタッフさんからは「自由に曲を決めていいよ」と言ってもらえたので、1stアルバム「Beyond Myself!」の曲もやりたいなって思ってるんです。きっと1stアルバムの曲が懐かしくなってくる頃だと思うので。あ、でもこういうのって言わないほうがいいのかな。
──サプライズにしたいと?
そうそう! でもサプライズにするほどじゃないような気がするし……。
──書いてよさそうだったら原稿に残しておきます(笑)。
ありがとうございます。ライブありきで作った曲もたくさんあるから、12月のライブが今から待ち遠しいです。