田所あずさ|ファンのみんなに寄り添う歌

田所あずさが8月21日にニューシングル「イコール」をリリースする。

本作「イコール」は、2015年9月発売の2ndシングル「君との約束を数えよう」以来となるノンタイアップのシングル作品。表題曲「イコール」では、一般公募を通じて集まった“田所コーラス隊”によるレコーディングが行われたほか、田所のバックバンド・あずさ2号のテーマソング「あずさ2号のテーマ」が収録されるなど、ノンタイアップならではの楽曲を集めたシングルとなった。タイアップ曲を歌う機会の多い田所は自身のために書き下ろされた楽曲で、どのようなメッセージをリスナーに伝えようとしているのか。曲に込めた思いや、自身を支えるファンへの率直な気持ちを語ってもらった。

取材・文 / 倉嶌孝彦 撮影 / 塚原孝顕

ファンに寄り添うシングルを

田所あずさ

──田所さんがタイアップなしのシングルをリリースするのは、かなりひさびさですよね。具体的には約4年ぶりになります。

ひさしぶりですよね。実はけっこう前から「次はタイアップなしの曲を作るよ」とは言われていて、だったらタイアップがないからこそできることをしたいなと考えていたんです。そういう背景のもと生まれたのが、ファンの方にコーラスとして参加してもらう“田所コーラス隊”の企画でした(参照:田所あずさ、新曲RECに参加するコーラスを公募)。

──曲よりも先に企画が決まっていたんですね。

はい。タイアップ曲が作品に寄り添って作るものだとすれば、ノンタイアップの曲は、ファンの人に寄り添って作れたらいいなと思って。

──つい先日、“田所コーラス隊”のレコーディングがあったと伺いました。

そうなんです。私は立ち会えなかったんですけど、レコーディングの様子を動画で見せていただきました。「恥ずかしがってないかな」とか「声が出ないんじゃないかな」とか心配していたんですけど、みんな口を大きく開けて、すごく真剣に取り組んでくれていて。事前にカラオケに行って声出しをしてきてくれた方とか、のどのケアをしてきてくれた方までいたみたいなんですよ。みんなすごく真剣に「一緒に曲を作るぞ」という気持ちを持って取り組んでくれていたんだなって。

──「イコール」という曲は田所さんとファンの関係性がつづられた曲ですが、田所さんのファンってどんな方が多いですか?

私のことを優しく、温かく見守ってくれている、なんだか家族みたいな人が多いですね。ただ今回のレコーディング風景の映像を見させてもらって、薄々は気付いていたんですけど、めちゃくちゃ真面目な方が多いんだということを知りました。てっきりオフ会みたいな感じで、楽しみに来てくれるものだと思ってたんですよ。

──思わぬところでファンの新たな一面を知ることができたと。

はい。映像を見て、すごく感動したんですよ。それくらい、みんな真剣に歌ってくれていました。

ライブで完成する「イコール」

──新曲「イコール」の作曲を担当した高橋諒(Void_Chords)さんと、作詞を担当したきみコ(nano.RIPE)さんが田所さんの曲を手がけるのは初めてですよね。こういった制作陣はどのように決めたんですか?

田所あずさ

「もし叶ったらうれしいな」という感じで提案させていただいたのが、高橋諒さんときみコさん、それと編曲を担当してくれた堀江晶太(PENGUIN RESEARCH)さんなんです。きみコさんの書く飾らない歌詞が以前から好きで、「イコール」では互いに頼りすぎていない、互いが支え合うような言葉をつづっていただいてすごく感動しました。高橋諒さんときみコさんのお二人は「アイドルマスター ミリオンライブ!」で私が参加しているユニットの曲を作ってくださったこともあって、いつか田所あずさ名義の曲も書いていただきたかったんです。

──楽曲をオーダーする際、田所さんはどのような要望を伝えたんですか?

コーラス隊を入れることが先に決まっていたんですけど、みんなで盛り上がるアッパーな曲というより、個人的にはちょっと切ないメロディの曲にしたいと思っていて。「心にグッとくるような、サビで切なくなる曲をお願いします」とオーダーさせていただきました。

──編曲を堀江さんにお願いした理由は?

今までもたくさん作曲や編曲をお願いしてきて、心にグッとくるメロディだったら堀江さんに間違いないと思いまして(笑)。本当に神が勢ぞろいして作っていただいた曲だと思っています。

──「イコール」は、ライブを見据えて制作した楽曲でもありますよね?

はい。ライブの後半にみんなで大汗をかいて、みんなで涙を流しながら歌いたい曲ですね。CDは8月にリリースされるわけですけど、この曲が本当に完成する瞬間はライブの中でファンの方々と一緒に歌ったときだと思うんです。だから、ライブで「イコール」を歌う日が来るのが待ち遠しいですね。