田所あずさがニューシングル「RESOLVE」を7月25日にリリースする。
表題曲「RESOLVE」はNetflixで先行配信、TOKYO MXほかで放送中のテレビアニメ「バキ」のエンディングテーマ。タイアップの話が決まり、すぐに「バキ」を全巻読破としたという田所は、劇中のヒロイン役・松本梢江の視点で描かれたこの曲をエモーショナルに歌い上げている。音楽ナタリーでは田所にインタビューを実施。以前は“食わず嫌い”で原作マンガを手に取れなかったという彼女が考える「バキ」の魅力や、格闘アニメを彩る「愛」をテーマにした新曲「RESOLVE」に込めた思いなどを語ってもらった。
取材・文 / 倉嶌孝彦 撮影 / 塚原孝顕
花山さんがめっちゃ好き
──田所さんはこれまでいろんなアニメソングを担当してきましたが、今回は「バキ」のエンディングテーマという大きなタイアップを獲得しましたね。
はい! 誰もが知ってる作品の曲を歌えるのはすごく光栄です。
──そもそも田所さんは「バキ」のことを知っていましたか?
もちろん知っていました。「バキ」は兄がすごく好きな作品で、家に置いてあったんですよ。ただ昔の私は絵を見て読んでみようとは思えず……。
──女性の一般的な反応だと思います。
身近にある作品でもあったし、読まずとも有名なマンガであることは認識していたので、最初にタイアップのお話をいただいたときは「『バキ』ってあの『バキ』ですか?」って聞き返しちゃったくらいで。
──タイアップが決定してから「刃牙」シリーズは読みました?
もちろんです! 食わず嫌いをしていた身で偉そうなことは言えないんですけど、読んでみたらすっごく面白くて。今回アニメ化する「バキ」はすぐに全巻読破しました。一気に物語にのめり込めるストーリーの面白さもあるし、ところどころでツッコミどころもあったりして(笑)。どうしても女性は敬遠してしまいがちだと思うんですけど、読んでみるとすごくスカッとするんですよね。女性の方にも読んでもらいたい作品だと思いました。
──登場人物の中で田所さんが気になったキャラクターはいますか?
私、花山(薫)さんがめっちゃ好きで。登場人物の皆さんがいろんな戦い方をするんですけど、花山さんの戦い方が一番カッコいいと思うんです。
──武器を一切使わない“素手喧嘩(ステゴロ)”が彼の戦闘スタイルですからね。
身一つで戦いに赴く、その姿がとても男前だなあと。「バキ」で登場する死刑囚の1人・スペックと花山さんとの戦いは本当に痺れました。
──花山薫とスペックの戦いはシリーズの中でも名勝負と謳われているシーンです。
どれだけ反撃されても、花山さんは戦いの中でしゃべらないんですよ。ずーっと無言で拳を振ってようやく発したひと言が「まだやるかい」だけ。多くを語らないその姿もすごくカッコいい。
イントロから“バキ感”がすごい
──アニメ「バキ」のエンディングテーマの作曲は、これまでも田所さんの楽曲を数多く書いている神田ジョン(PENGUIN RESEARCH)さんが手がけています。
ジョンさんは私のライブでバンマスをやっていただいていたりもして、すごく気の知れた方なんですけど、今回の「バキ」のタイアップ曲を担当できたことがすごくうれしかったみたいで。メチャクチャ「バキ」のことが好きらしいんですよ。初めて曲を聴かせたもらったとき、イントロから“バキ感”を感じて。なぜ私がこのイントロを聴いてそう思うのか説明はできないんですけど、楽器でマンガの世界観を表現するジョンさんは本当にすごいと思いました。それに曲の持つ熱量がとにかく大きくて、最初に聴かせてもらったときは「エンディングって聞いてたんですけど、オープニングテーマが来ちゃった!」って思ったくらい(笑)。
──曲に関してジョンさんとどんなお話を?
レコーディングに来てくださったので、歌入れのところでいろいろアドバイスをいただきました。「すり抜けていく」って歌詞のところの「すり」の歌い方は「すりっ」にしたほうがいい、みたいなジョンさんのこだわりが本当にすごくて。あと、合間の時間は「バキ」の雑談をずっとしてました(笑)。
──「RESOLVE」のようなロックテイストの楽曲は田所さんの十八番になりつつありますね。
でも「RESOLVE」は今までの曲の中でも特にパワフルな曲だなと感じていて。レコーディングのときに体力面で大変だったんですよ。やっぱり曲や作品に負けないくらいのパワーを出さないと申し訳がないですから。息を切らしながら必死でレコーディングしました。
次のページ »
刃牙の彼女は大変そう(笑)