音楽ナタリー Power Push - チームしゃちほこ
夢に見た“おわり”とリアルな“はじまり”
歌詞の内容がリアルになってきた
──最後の「なくしもの」は高橋優さんの提供曲です。
坂本 最初に優兄さんの仮歌音源を聴かせてもらったんですけど、もう“優兄さんの曲”って感じで私たちどこに入ったらいいんだろうって思いました。
──この曲、歌い方をいつもと変えてませんか?
坂本 優兄さんからのアドバイスで音程を大事にして歌うというよりも、気持ちを一番大事にして歌ったらこうなったんです。
咲良 勝手に思ったんだけど、日本人向けな歌詞だなって。働きすぎたり必死になりすぎていっぱいいっぱいになっちゃう人たちに歌ってるような気がする。だからがんばってる人に聴いてほしいです。
──冒頭の歌詞にある「必死になって夢中になって走ってきたせいで 大事なものをどっかで失くしてきてしまったよ」っていう歌詞はなんとなく大人になっていく過程を歌っているようで、皆さんくらいの年齢の人が歌うのにぴったりなんじゃないかと思いました。
坂本 そうですね。今までだったらこんな曲歌わせてもらえなかったよね。
伊藤 うん。成長したからこそ歌える歌な気がする。ていうか「おわりとはじまり」の曲ってさ、歌いながら泣きそうになる曲が多いよね。
──なんで泣きそうになるんだと思いますか?
咲良 共感するからかな。なんか夢を歌いつつも、ネガティブな言葉があったりするからなのか、リアルな感じがする。だから気持ちを込めて歌いやすくなって、泣いちゃいそうになる。
秋本 歌詞の内容がリアルになってきたよね。昔はでっかいこと言い過ぎてたの。「恋人はスナイパー」(1stシングルの表題曲)なんて「ギラッとギラッと輝いて まるっと世界を照らし出すんだ」って。
大黒 こういう歌詞を歌わせてもらえるようになって、歌うことに責任を感じるようになったんですよね。このアルバムの曲を歌って成長して、また新たな道のりを歩んでいきたいと思いました。
もう「ちっちゃくたって名古屋嬢」って言えない
──昨年4月7日に始まった5年目の大箱ライブ計画「VICTORY YEAR」も気付けばあと2カ月で終わります。横アリ公演で自分たちの自信や糧になるライブを作れたことは、最終決戦にあたるガイシホールでの単独公演に向けていい足がかりになったのかなと思います。
坂本 横アリを終えて、やっとチームしゃちほことしてのスタート地点に立てた感じがしますね。なんか今までは「チームしゃちほこっていうグループをやってます」って堂々と言えなかったんです。チームしゃちほこというグループがどうやって動いているのか、私たちは表に立っているっていうだけで全然中身を知らなかったから。横アリ公演に企画段階から携わったことで、自分たちそれぞれがチームしゃちほこのメンバーとして成長したなって思います。
咲良 遅かったけどね、もう5年だよ?
大黒 アイドルとしてはなかなか若いとは言い難い年齢になってしまいまして……。
咲良 そうなんだよ! 最近は小学生のアイドルとかもいっぱいいるからさー。
大黒 もう「ちっちゃくたって名古屋嬢!」って胸張って言えないの(笑)。
咲良 自己紹介するときもう早口言葉で濁してるよね(笑)。
秋本 キャッチコピーを変えるならこのタイミングじゃない?
坂本 「人間50年、アイドル5年」っていう出囃子も変わると思うし。
名古屋の歴史に名を刻みたい
──3月21日に憧れのガイシホールでのワンマンライブを開催して、目標を達成しますね。
咲良 ガイシホールでワンマンやったら解散すると思ってたんですよ、私たち。
──前にそう言ってましたよね(参照:チームしゃちほこ「Chérie!」特集)。目標達成して解散っていうカッコいい散り方もあったと思うんですが、続けていくことになったのは自分たちの意志なんですか?
咲良 なんかツアー発表されたし……。
伊藤 アルバム名も「おわりとはじまり」だったし……。
咲良 武道館でのライブが終わったときに「ガイシ以降のスケジュールは決まってません」って言われたから本当に解散なんだなって思ってたの。したらいつの間にか「全国ツアーやります」って発表されて。
──結成から今までは目標に向かってがんばってきましたが、最近は自分たちでライブのプランを考えたりもしているから、ツアーが終わってからは自分たち主導で動いていくこともできるのかなと思いました。もし自分たちがやりたいことを実現していけるようになるのであればどんなことをしたいですか?
咲良 もう1回ガイシやったらいいんじゃない? 2日間くらい。
大黒 2DAYSを即ソールドアウトさせられたらホンモノだよね。
伊藤 やるならそこまでいきたいよね、次は。
──それ以外に何か夢はありますか?
秋本 私は、自分たちが名古屋名物になることを目標に活動をしていきたいなと思ってるんです。ういろうとか、手羽先とか買うついでにしゃちのライブを観に行こうみたいな。観光特使をやらせてもらっているし、名古屋の顔になりたい。
咲良 いい作戦がある! 名古屋駅前にオブジェを作ればいいと思うの。そしたらみんなそこで写真を撮ってSNSに載せるでしょ? ファンの人じゃなくてもそういうのって好きじゃん。
秋本 大きいオブジェ作るのはいいね。しゃちほこって名古屋感あるし。
──もはやアイドルの枠を超えたいということなんですね。
咲良 そうそう。もう私たちは名古屋出身の歴史上の人物になればいいんだよ。今でも名古屋が織田信長のゆかりの場所って言われるように、チームしゃちほこも名古屋と結びついた存在として100年後にも語られたらいいなって。
秋本 名古屋の歴史に名前を刻みたいですね。おじいちゃんとかおばあちゃんとかちっちゃい子にも知られたい。
──名古屋名物のチームしゃちほことして、4月からは全国ツアーに行くんですよね。アルバムを引っさげたツアーって、今回が初めてですよね。
秋本 そうなんですよ。ちゃんと全国でしゃちと名古屋のことをPRしてこないとね。
坂本 初めましての場所もいっぱいあるから、これまで来れなかった人もぜひ来てほしいですね。
伊藤 各地のごはんも楽しみだよね。
坂本 確かに。ファンの人たちも私たちのライブを観に行くついでにいろんなところへ行って名物を食べるっていうのもいいかもしれないですね。
- ニューアルバム「おわりとはじまり」2017年2月22日発売 / unBORDE / Warner Music Japan
- 初回限定盤A [CD+Blu-ray] / 4860円 / WPZL-31264~5
- 初回限定盤B [CD2枚組] / 3780円 / WPCL-12511~2
- 通常盤 [CD] / 3240円 / WPCL-12510
CD収録曲
- プロフェッショナル思春期
[作詞:小川貴史 / 作曲:浅野尚志、SAKRA / 編曲:シライシ紗トリ]
- START
[作詞・作曲:田邊駿一 / 編曲:BLUE ENCOUNT]
- 完全満足NGY
[作詞・作曲・編曲:浅野尚志]
- シャンプーハット(おわりとはじまり ver.)
[作詞・作曲:川谷絵音 / 編曲:CMJK]
- ロードムービー
[作詞・作曲・編曲:浅野尚志]
- Chérie!
[作詞・作曲:SAKRA / 編曲:CMJK]
- 天才バカボン(おわりとはじまり ver.)
[作詞:東京ムービー企画部 / 作曲:渡辺岳夫 / 編曲:CMJK]
- Kissy-麺
[作詞・作曲・編曲:大内正徳]
- 夢でもいいの
[作詞・作曲:SAKRA / 編曲:CMJK]
- ワタシノユウキ
[作詞:MICRO / 作曲:藤本和則、MICRO / 編曲:藤本和則]
- パレードは夜空を翔ける
[作詞:youth case、小川貴史 / 作曲:youth case / 編曲:youth case、北川暁]
- ULTRA 超 MIRACLE SUPER VERY POWER BALL
[作詞・作曲・編曲:浅野尚志]
- なくしもの
[作詞・作曲:高橋優 / 編曲:池窪浩一、高橋優]
初回限定盤A Blu-ray収録内容
- ROAD to 笠寺 ~4年間の軌跡と5年目の奇跡~<完全版>
初回限定盤B CD収録曲
- おっとりガールの憂鬱
- ベイビーミソカツ
- ら・ら・ら・アイドル
- 泣いてなんかいないよ
- 小さな夜のうた
- 翼を授けてグローリア
- レディオにおねがい
- 秘密のセレナーデ
チームしゃちほこ SPRING TOUR 2017 おわりとはじまり~#ナゴヤの大逆襲~
- 2017年4月7日(金)愛知県 Zepp Nagoya
- 2017年4月15日(土)沖縄県 ナムラホール
- 2017年4月30日(日)石川県 金沢EIGHT HALL
- 2017年5月4日(木・祝)福岡県 DRUM LOGOS
- 2017年5月5日(金・祝)広島県 広島CLUB QUATTRO
- 2017年5月7日(日)愛媛県 WStudioRED
- 2017年5月13日(土)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
- 2017年5月14日(日)新潟県 新潟LOTS
- 2017年5月28日(日)北海道 札幌PENNY LANE24
- 2017年6月10日(土)宮城県 Rensa
- 2017年6月18日(日)大阪府 Zepp Namba
- 2017年7月1日(土)東京都 新木場STUDIO COAST
- 2017年7月23日(日)愛知県 Zepp Nagoya
チームしゃちほこ
スターダストプロモーション芸能3部に所属する愛知県出身の秋本帆華、咲良菜緒、大黒柚姫、坂本遥奈、伊藤千由李の5人からなるアイドルグループ。2012年4月名古屋城にて“路上デビュー”ライブを行い、2012年10月にはワーナーミュージック・ジャパンよりシングル「ザ・スターダストボウリング」を発表し“名古屋メジャーデビュー”を果たす。2013年6月には“日本先行メジャーデビュー”シングル「首都移転計画」をリリース。同年12月には愛知・愛知県体育館にてワンマンライブ「愛の地球祭り2013」を行い、2014年8月に初の東京・日本武道館ワンマン、1stアルバム「ひまつぶし」をリリースと、人気を全国区に広げる。2015年は5月に初の単独アリーナ2DAYSとなる千葉・幕張メッセ公演「幕張HOLLYWOOD」、8月に愛知・ラグーナテンボス ラグーナビーチにて過去最大の野外単独公演「しゃちサマ2015」を大成功に収めた。活動5年目に突入した2016年4月からの1年間を「VICTORY YEAR」とし、“路上デビュー記念日”である4月9日にシングル「Chérie!」を発表。8月にシングル「ULTRA 超 MIRACLE SUPER VERY POWER BALL」をリリースした。また5月の千葉・幕張イベントホールでの2DAYSライブを皮切りに計5万人を動員予定のライブ「5年目5公演5万人」を各地で開催し、ファイナル公演として2017年3月に以前より目標に掲げていた愛知・日本ガイシホールにて単独公演を行う。2月22日に2ndアルバム「おわりとはじまり」を発表。このアルバムを携えたツアー「チームしゃちほこ SPRING TOUR 2017 おわりとはじまり~#ナゴヤの大逆襲~」を4月にスタートさせる。