音楽ナタリー Power Push - スキマスイッチ「re:Action」特集
スキマスイッチ&ベニー・シングス
宅録出身の2組が語る、ポップソングの定理
シンプルだけど「らしさ」も忘れないポップソング
──スキマスイッチもベニーさんもオーソドックスなポップソングに根差しているところは共通していると思います。日本でもヨーロッパでもダンスミュージックがメインストリームになっていますが、そのことについてはどう捉えていますか?
ベニー 確かにラジオなどで流れる音楽はダンスミュージックだったり、エレクトロな楽曲が中心になってるよね。曲の構成もワンコード、ワンシャウトみたいな感じのものが多くて。音楽というのはどんどん発展、変化しているし、今のメインストリームはそういうシンプルなものに集約されているんだと思う。それは全然悪いことではなくて、今がそういう時期だということだと思うんだよね。僕はノスタルジックでロマンチックな音楽が好きだから、こういうスタイルになってるけど。
大橋 ベニーと話していても、お互いに古い音楽が好きなんだなって思います。シンプルなものが流行っているのは僕も感じていますけど、僕らは凝ったコード進行も好きだし、それがスキマスイッチのカラーにもなっているので、しばらくはそれを続けていこうと思っていて。ただ、その時期に好きなもの、興味のあることを取り入れるのも大事ですからね。シンプルなものがいいと思えばそうするだろうし、今のベニーみたいに80'sサウンドをやりたくなることもあるかもしれないので。そのときの衝動で音楽を作っているところも、スキマスイッチとベニーの共通点かもしれないです。
ベニー 音楽は自由であるべきだからね。よくないのは、ずっと1つのところにいて、固執してしまうことだと思うから。
──今回のスキマスイッチのリアレンジアルバムは、まさに1つの方向に固執しないという意思の表れなのかもしれませんね。もう1つ聞きたいのですが、ポップスにとって一番大事なものはやはりメロディだと思いますか?
ベニー メロディとコードかな。
大橋 それは僕らも同じですね。一度聴いたらなんとなく覚えてしまって、自然と口ずさめるような曲は、まさにポピュラーミュージックやポップスと呼べるものだと思うので。覚えやすいというだけでは面白くないから、その中にクセというか、僕ららしいものを入れたりはしますけど、基本はメロディに対するコード感や、コードに対するメロディのあり方を意識しています。
常田 最初に印象に残るのはメロディだと思うけど、3回、4回と聴いて印象が深まるのは歌詞かな。
ベニー なるほど。
常田 僕自身は「10人いれば10通りの受け取り方ができるものがポップミュージック」という解釈なんですよね。そこを2人で追求していきたいな、と。
ベニー 素晴らしい。でも、ソングライティングって一番大変だよね(笑)。
──ベニーとスキマスイッチで新しい曲を作るとしたら、どんなやり方になりそうですか?
常田 まずはスタジオに入るでしょうね。
大橋 で、お酒を軽く飲んで(笑)。
ベニー いいね(笑)。今度ぜひやりましょう。
スキマスイッチ TOUR 2017 “re:Action”
- 2017年4月30日(日)愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
- <出演者>
スキマスイッチ / TRICERATOPS
- 2017年5月16日(火)香川県 高松festhalle
- <出演者>
スキマスイッチ / ORIGINAL LOVE
- 2017年5月17日(水)高知県 県民文化ホール オレンジホール
- <出演者>
スキマスイッチ / フラワーカンパニーズ
- 2017年5月23日(火)大阪府 オリックス劇場
- <出演者>
スキマスイッチ / KAN
- 2017年5月30日(火)東京都 中野サンプラザホール
- <出演者>
スキマスイッチ / フラワーカンパニーズ
- 2017年6月12日(月)宮城県 東京エレクトロンホール宮城
- <出演者>
スキマスイッチ / RHYMESTER
- 2017年6月20日(火)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
- <出演者>
スキマスイッチ / 澤野弘之
- 2017年6月22日(木)新潟県 新潟LOTS
- <出演者>
スキマスイッチ / RHYMESTER
- 2017年6月29日(木)北海道 ニトリ文化ホール
- <出演者>
スキマスイッチ / KAN
- 2017年7月4日(火)福岡県 福岡サンパレスホール
- <出演者>
スキマスイッチ / GRAPEVINE
- 2017年7月5日(水)福岡県 福岡サンパレスホール
- <出演者>
スキマスイッチ / 奥田民生
- 2017年7月14日(金)広島県 広島文化学園HBGホール
- <出演者>
スキマスイッチ / 真心ブラザーズ
- 2017年7月18日(火)愛知県 Zepp Nagoya
- <出演者>
スキマスイッチ / SPECIAL OTHERS
- ニューアルバム「re:Action」 / 2017年2月15日発売 / アリオラジャパン
- 初回限定盤 [Blu-spec CD2 2枚組] / 3900円 / AUCL-30040~1
- 通常盤 [CD] / 3240円 / AUCL-218
CD収録曲
- 全力少年 produced by 奥田民生
- 僕と傘と日曜日 produced by 田島貴男(ORIGINAL LOVE)
- フィクション produced by フラワーカンパニーズ
- ユリーカ produced by GRAPEVINE
- マリンスノウ produced by TRICERATOPS
- Ah Yeah!! produced by 澤野弘之
- 奏(かなで) re:produced by スキマスイッチ
- 晴ときどき曇 produced by BENNY SINGS
- 君のとなり produced by 小田和正
- ふれて未来を produced by 真心ブラザーズ
- ゴールデンタイムラバー produced by RHYMESTER
- 冬の口笛 produced by SPECIAL OTHERS
- 回奏パズル produced by KAN
初回限定盤付属CD収録曲
- 全力少年
- 僕と傘と日曜日
- フィクション
- ユリーカ
- マリンスノウ
- Ah Yeah!!
- 奏(かなで)
- 晴ときどき曇
- ふれて未来を
- ゴールデンタイムラバー
- 冬の口笛
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スキマスイッチ
大橋卓弥(Vo, G)、常田真太郎(Piano, Cho)のソングライター2人からなるユニット。2003年7月にシングル「view」でデビューして以降、「奏(かなで)」「全力少年」 などヒット曲を次々と生み出す。2013年7月にデビュー10周年を迎え、同年8月には初のオールタイムベストアルバム「POPMAN'S WORLD~All Time Best 2003-2013~」を発表。2016年4月には「POPMAN'S WORLD」と対をなすアナザーベストアルバム「POPMAN'S ANOTHER WORLD」をリリースし、同作を携えた新コンセプトの全国ツアー「POPMAN’S CARNIVAL」を大成功におさめる。11月にはテレビアニメ「ALL OUT!!」のエンディングテーマとして使用されている、奥田民生プロデュースのもと再レコーディングした「全力少年 produced by 奥田民生」を収めたシングルを発売。2017年2月15日には、12組のアーティストをプロデューサーに迎えて、過去に発表した楽曲をリアレンジしたアルバム「re:Action」をリリースした。
ベニー・シングス
オランダのドルドレヒト出身の音楽家。幼少時からThe Beatlesやスティーヴィー・ワンダーらの楽曲に親しみ、15歳のときに初めてバンドを結成する。その後コンピュータでの音楽制作をスタートし、2003年には初のソロアルバム「Champagne People」を発表。同作はオランダの「エッセント・アワード」で新人賞を受賞した。2007年にはアルバム「Benny...At Home」、2012年には自身初となるベストアルバム「The Best Of Benny Sings」をリリース。2015年発表のアルバム「Studio」が現時点での最新作にあたる。自身のスタジオを構え、ウーター・ヘメル、ジョヴァンカらのプロデュースも担当している。