STU48|2期研究生と迎える結成4年目の転換期

STU48の5枚目のシングル「思い出せる恋をしよう」が9月2日にリリースされる。

本作にはAKB48グループ初の試みとして、1期生とドラフト3期生が歌唱するバージョン、昨年12月にお披露目された2期研究生が歌唱するバージョンの2つの表題曲を収録。“1期生・ドラフト3期生歌唱ver.”では過去のシングル4作に引き続き瀧野由美子が、“2期研究生歌唱ver.”ではAKB48 Team 8の立仙愛理を姉に持つ高知県出身の15歳・立仙百佳がセンターを務めている。

当初このシングルの発売日は5月の予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により9月へ延期になり、そのほかの活動も一時的にストップ。7月にはグループのシンボルである船上劇場・STU48号が来春をめどに専用劇場としての役目を終えることが発表され、2期研究生を加えた形で本格的に活動を始めるなど、結成4年目で次のステップへと進もうとしていたSTU48にとって思わぬ変化が訪れた。音楽ナタリーでは1期生の石田千穂、今村美月、瀧野、薮下楓、2期研究生の高雄さやか、立仙にインタビューを行い、新曲や今後の活動について話を聞いた。

取材・文 / 近藤隼人 撮影 / 佐々木康太

末恐ろしい子!

──2期研究生である立仙さん、高雄さんは先輩たちから見てどんなメンバーですか?

薮下楓 ももちゃん(立仙)は“ザ・アイドル”というイメージですね。「僕の太陽」公演のユニット曲でセンターを担当しているのを見たときに、そう感じました(参照:「先輩方に追いつき追い越せるように」STU48の2期研究生、初めての劇場公演が開幕)。顔が小さくてスタイルがいいからなのか、すごく衣装映えするんですよ。

瀧野由美子 私もその公演を観たんですが、小さくてかわいくて、いい意味で子供っぽさがあるなと感じました。これから一緒に活動していく中で、外見はもちろん、内面的にも成長していく過程を見れるのがうれしいです。

石田千穂

石田千穂 ももちゃんにはおしゃれなイメージもありますね。最初は赤ちゃんみたいなイメージだったんですけど、お洋服はおしゃれで大人っぽくて、そのギャップにやられました(笑)。

立仙百佳 今まで先輩たちと仕事をする機会がほとんどなかったんですが、最近はこうやってご一緒させてもらうことが増えてきて。皆さんホントに優しくて、お姉さんみたいな感じなんです。今日みたいな取材で不安になって凹むこともあるんですけど、そういうときも元気付けてくれるし、皆さん尊敬する先輩たちです。

石田 できた子だ(笑)。

──(笑)。高雄さんについてはどういう印象ですか?

石田 私はCharming Tripという“女子旅”をテーマにした課外活動ユニットに所属しているんですけど、さーやんも2期研究生からなるlittle Charming Tripのメンバーなんですよ。なのでお仕事で接する機会もわりかし多くて……今いくつだっけ? もう20歳?

高雄さやか

高雄さやか 21です!

石田 そう、21歳なんですよ!(笑) ももちゃんと同い年と言われても違和感ないくらい幼く見えるんですけど、中身はすごくしっかりしていて。あとダンスを大きく踊るので、小柄なのにステージ上で目に付きやすいんです。何気にコミュ力も高いですし。

高雄 えっ、そんなことない!

石田 高いよ! めっちゃ話しやすいし、好きです(笑)。

瀧野 私とは1つしか歳が離れていないけど、そんな感じしないよね。まだじっくりと話したことはないんですが、SHOWROOM配信や公演を観ていると自分のやりたいことがはっきりしていて、芯が通っているのを感じました。なんというか、末恐ろしい子だなって(笑)。

今村美月 SHOWROOMの配信でいろんな企画をやってるんだよね。私も「僕の太陽」公演とlittle Charming Tripの公演を観たときに、ふわふわしていてかわいい印象を受けた一方、カッコよくキメたときの表情がすごく素敵だなと思いました。そのギャップが魅力ですね。

瀧野 2人共これからが楽しみですね。いきなりセンターやフロントメンバーに選ばれて不安もあっただろうに、ミュージックビデオの撮影でもすごくしっかり踊って、初めてとは思えない完成度でした。

薮下 私たち、活動を始めた頃はなんにもできなかったもんね。

石田 いっぱい怒られてきた(笑)。

薮下 2人に限らず、2期研究生全員「ホントにアイドル初めて?」という子たちばっかりで。私たちは(岡田)奈々さんにただただ付いていっていた感じだったのに、2期研究生はホントにしっかりしています。

高雄 ありがとうございます……! 自分としてはわからないことばかりで、とりあえずできることを一生懸命やっている感じなんです。

2つのバージョンはまるで別の曲のよう

立仙百佳

──5thシングル「思い出せる恋をしよう」には表題曲が“1期生・ドラフト3期生歌唱ver.”と“2期研究生歌唱ver.”の2つのバージョンで収録されます。立仙さんは“2期研究生歌唱ver.”でセンターを務めていますが、抜擢されたときはどう思いましたか?

立仙 最初は自分に自信を持てなくて。「私にセンターが務まるのかな」という不安が大きかったんですけど、そのあとからうれしい気持ちも芽生えてきて、「絶対いい作品にしたい」という思いが大きくなりました。これまでのMVを改めてよく観て、先輩たちの表情も研究しました。

──同じ2期研究生である高雄さんの目には、センターの立仙さんはどのように映っていますか?

高雄 いつ見てもちっちゃいなって。

石田 どっちも身長変わらないよ!(笑)

──(笑)。MVも2つのバージョンが制作され、YouTubeではその"Mix"バージョンが公開されています。1期生メンバーは「思い出せる恋をしよう」の“2期研究生歌唱ver.”の映像を観て、どんな感想を持ちました?

瀧野 同じ曲なのに全然違う作品になったなと思いました。ロケ地は一緒のところも多いんですけど、サビの振りが全然違うのもあって、なんだか別の曲のように感じました。

今村 2期研究生のバージョンはすごくキラキラしてるよね。こういう2つのバージョンの表題曲を作らせていただけるのは貴重な機会ですし、とてもありがたいことで。加入して早々に2期生のみんながシングルの表題曲に参加できたことが何よりうれしかったです。

──逆に2期研究生は先輩たちのバージョンを観て、何か感じるものはありましたか?

立仙 私たちはMVの中で、1期生たちの過去の役を演じているんです。私たちが演じたストーリーの先を観て感動しましたし、2期研究生のバージョンが初々しくてフレッシュなものになっているのに対して、先輩たちは大人っぽくて踊り方もきれいで、さすがだなと思いました。私も2つのバージョンがまるで違う曲になっているかのように感じました。

高雄 2期研究生のほうは元気いっぱいでワイワイしているんですけど、“1期生・ドラフト3期生歌唱ver.”にはどこか切なげな雰囲気があるんです。