武道館は地元の友達でも知ってる場所だから

──ライブと言えば、12月18日に日本武道館でのワンマンライブが決定しましたね。

IKE　はい、ありがとうございます！

──その前に、8月には渋谷CLUB QUATTROで“3番勝負”が開催されるということですが、これはどういう内容のライブなんですか？

IKE　コンセプトは「Road to 武道館」で、武道館ライブを経験しているミュージシャンたちと対バンをやります。先輩の胸を借りて、僕らも武道館に向かっていくというイベントです。夏フェスもそうですけど、対バンっていい刺激になりますから、すっごく楽しみですね。

UZ　勝負とは言ってますけど、そこまで気負った感じじゃなくて。3日間対バン相手が違うわけですから、もちろん勉強するという気持ちはありますけど、それぞれ違う感じで楽しめたらいいかなって。

MOMIKEN　うん。SPYAIR発信のお祭りだと思ってますから、来てくれる人たちもお祭りを楽しんでもらって、武道館への期待値を上げていければいいなって思ってます。

ENZEL☆　どれだけ自分たちが楽しめるか。それもすごく重要ですから。

──そして、その先に12月の武道館公演があるわけですか。赤坂BLITZで発表したときのファンの人たちの歓声がすごかったですよね。

KENTA　すんごい歓声でビックリしました（笑）。

──日本武道館という場所に対して、どんな思いがありますか？

UZ　正直に言うと、これまで武道館に対する特別な思いは何もなかったです。憧れたこともありませんでした。なぜ武道館なのかというと、地元の友達でも知ってる有名な場所だからです。「武道館でやる」って言ったら、「スゲエ！」って言ってくれるし、日本人のほとんどが知ってるような場所でライブをやることに意味があるって。BLITZで発表したときのみんなの反応、歓声を聞いて初めて「やることにして良かった」って思いました。

IKE　発表してからは、俺らのことをちょっとでも知ってくれてる人は「武道館やるんだね」ってまず最初に言ってくれますから、やっぱり武道館ってすごいんだなあって思いました。それぐらい知られてるライブができる場所ってないんじゃないかな？

UZ　まあ、武道館と東京ドームぐらいだよね。

100回練習するよりも、1回のライブのほうが身に付く

──ほかの皆さんはいかがですか？

MOMIKEN　俺ら、インディーズの頃にも、ライブハウスでどさ回りみたいなことをやってこなかったんですけど、それは自分たちを信じてたからなんです。自分たちのやり方、自分たちの音楽、自分たちが発信すること全てを信じて活動してきました。メジャーに上がってからも、メジャーのフィールドのでかさを肌で感じつつ、自分たちを信じるということを貫いてきたので、武道館という大きな会場で自分たちの正しさを証明したい。自分自身に対しても「俺は間違ってなかった」と言い聞かせたいんです。だから絶対に成功させたいし、成功させなきゃ意味がないし、自分たちが満足できるステージにしたいと思ってます。これまでのライブで経験した失敗から生まれた課題をキッチリとクリアして、さらに新しい力も手に入れつつ、先に進んでいきたいと思える1日にしたいんです。

ENZEL☆　とにかく「SOLD OUT」っていう文字を掲げたいですよね、なんとしても！ 広い会場なので、たくさんの人と盛り上がりたいんです！

KENTA　武道館ってさ、入口っていうか、門をくぐった瞬間に空気が変わりますよね？ あの独特の雰囲気がいいですねえ。きっと何かが起こる1日になるんだろうなって予感がします。とにかく、去年の野音（日比谷野外大音楽堂）のライブでは次への課題も残ったので、そういうのがないようなライブにしたいんです。

──野音でのライブはSPYAIRにとって、大きなターニングポイントのひとつだったと思いますが、課題もいろいろあったんですね。

KENTA　たぶんメンバー全員が感じてると思いますよ。

IKE　 「次はもっといいライブをするぞ」と思えたことは良かったと思いますけど。

──UZさんが思っている今のSPYAIRのライブでの課題はなんですか？

UZ　もう課題だらけですよ。挙げていったらキリがないぐらい。MCもそうだし、演奏力もそう。メンバー1人ひとりの存在感やライブの流れや構成……。もちろん、1年前と比べたら良くなってはいるんですけど、まだまだです。こんな程度で「完成した」と思ったら終わりだし、これからも満足することはないと思います。でも、この前の「My World」ツアーをやってみて、「バンドって、こうやって成長していくもんなんだな」っていうのを肌で感じました。2カ月でギターがメチャクチャうまくなるとか、そういうのはないんですけど、グルーヴみたいなものはライブを積み重ねていくたびに成長していくのがわかるんです。課題だらけなんですけど、夏フェスとか対バンライブとかで、もっともっと成長していきたいなって思っています。100回練習するよりも、1回のライブのほうが身に付くものがはるかに多いんですよ。

KENTA　ホント、そうなんです！ あれ、何なんでしょうね？

IKE　ライブはナマモノだから、そこでしか得られないものも多いんでしょうね。

UZ　野音で課題を残してしまった原因はそこにもあったんです。その前にライブを全然入れてなかったので、ライブの感覚を取り戻せずに本番を迎えてしまったから。

──日本武道館まであと半年間。本番のテンションや気持ちをどう持っていけるかは、これからの半年間の活動次第ってことですね。

IKE　はい、そうですね。ライブの経験をいっぱい積んで、当日は楽しめたらいいなって思ってます。