ナタリー PowerPush - Shimokitazawa SOUND CRUISING 2014

小林幸子&後輩アーティストの“シモキタ”音楽談義

下北沢って面白いんだぜ

──「Shimokitazawa SOUND CRUISING」は下北沢が舞台ですが、ほかのイベントとどんなところが違うと思いますか?

寺嶋 たぶんおしゃれな人が来るんだろうなと思ってます(笑)。おしゃれなお兄さんお姉さんとか。

やよい(つしまみれ / B, Cho)

やよい (笑)。下北沢はロックの街だって印象があって、自分たちはいても違和感ないけど、そこに小林さんが来て歌うっていうのはインパクトありますね。

──「小林幸子」と「下北沢」がなかなかうまく結びつかない。

小林 皆さんそうおっしゃいますね。でも、私、本多劇場にはよく来てるんですよ。知り合いがいっぱい出るんで。伊東四朗さんとか三宅裕司さんとか仲間が出てるときには必ず観に行くんです。でも、あんまり街中は歩かないので、さっきの撮影で出たときは楽しかった。

まり うふふ(笑)。小林さんがイベントに出演されることも含めて、「SOUND CRUISING」ってわざと下北沢で“変なこと”をしようとしてる気がして、それがいいなって。

小林 下北沢って面白いんだぜってことよね、要するに。この面白さを世界や日本に広めるイベントであることは間違いなくて。こういうイベント、どんどんやっていきましょうよ!

──寺嶋さんとつしまみれの皆さんにとって、会場は違いますけど“対バン相手”として小林さんがいる状況ってどんな気持ちですか?

まり とりあえず親に自慢しました!(笑) あとこの座談会のお話をいただいた瞬間に、実家の階段を駆け下りてお姉ちゃんに「ヤバい!」って伝えました。ひとしきり家族に自慢して(笑)。バンド組んで15年なんですけど、会場が違うとはいえ、まさか小林幸子さんと同じイベントに出られるなんて、ホントに死んだじいさんとばあさんに伝えたかった。だからライバル意識とかは全然ないですね。ひたすら喜んでるっていう。

やよい たぶん出るアーティスト全員がそう思ってると思います(笑)。

寺嶋 私もびっくりしすぎて、これがドッキリだったらおばあちゃんが悲しむと思って、自分から同じイベントに出るとか言わなかったんですよ。そしたら私のブログを見た祖父母から連絡があって、「小林幸子さんと同じイベントに出るの?」って。今日の座談会も最初はドッキリかもしれないと思って、話してないんです(笑)。お会いしてお話したって言ったら、飛び上がると思います。

小林 なんだかすごくうれしい……ありがとう。ほんとに……「母が喜びます」「父が喜びます」「じいちゃんばあちゃんも喜びます」ってほんとにいろんな方に言われるんです(笑)。すごくありがたいですよね。

みずえ それ以前に私がうれしいです!

小林 私も、こういう形でみんなに会えたことが私は本当にうれしいです。ありがとうございます。

なんでも面白がって50年

──最後に今年デビュー50周年を迎えられた小林さんから、後輩たちに音楽の世界でサバイブしていくテクニックをお伝えいただけませんか?

つしまみれのやよい(B, Cho)、まり(Vo, G)、みずえ(Dr, Cho)。

つしまみれ寺嶋 聞きたい! 聞きたい!

小林 そうねえ。飽くなき挑戦かな、やっぱり。なんでも面白がること。あと自分が今までやってきたから今があるってちゃんと認識すること。これは間違いないと思う。周りを見てみんなが面白がってることがあったら、自分も目線を向けてみると、新しくやりたいことが出てくるかもしれない。私はいつもそう。だから本当にありのまま。ただただ面白いと思うことをやってきて、いつの間にか50年経った感じなんですよね。

寺嶋 カッコいい。すごくシンプルなんですね。

小林 シンプルですよ。父親がハガキで「歌まね読本」に応募してなかったら、実家の小林精肉店を継いでおかみさんになってたかもしれないんだもの、私。小さい頃にお母さんの背中を見て、お客さんに「いらっしゃいませ!」って言ってる後ろ姿を見てカッコいいなって思って、大きくなったらこの店継ぐんだって思ってて。でもね、歌手をしてる今も同じようなことをやってると思うの。「いらっしゃいませ!」って言って、お客さんに元気になってもらうおっかさんだなって。

まり 小林さんはおいくつでデビューしたんですか?

小林 「歌まね読本」に合格して、古賀政男先生という日本の歌謡界代表する作曲家にスカウトされたのが9つのとき。だから10歳でデビューしたんです。

まり えー! 10歳!

小林幸子

小林 10歳から東京で1人暮らしですよ。四谷三丁目のアパートで。上京したあとで新潟の地震があって、実家が潰れちゃって。気付いたら小林一家を私が支えなくちゃいけない、生きるために、食べるためにお金を稼がなきゃいけないっていう時代がきたの。お金がなくて、どうにもならなかったことも長い間あったし。で、どうしたらいいかって考えたときに、「よし! じゃあ今覚えておこう」って、ジャズ習って、歌って。シャンソンも歌って。タップダンスを覚えて、日本舞踊やって、三味線やって、和太鼓やって……。全部自分の引き出しに入れておこうって思ったの。どんな仕事でも話が来たときに「OKやろう!」って思えるように。そういうことが今になって、全部役に立ってるの本当に。だから決して無駄じゃない。

まり なんか感動しちゃった。

寺嶋 うんうん(笑)。

──しかも先ほどのお話だと、それを面白がっていたわけですよね。

小林 今だから面白いって言えるんですけど、歌ってなかった時期はどうなるんだろうってすごく怖かったです。でも若かったから、本当に。なんとかなるっていう思いと、ハングリー精神と悔しさをバネにしてましたね。やっぱり「畜生!」って思いはあったの。誰かに対してじゃなくて、自分の中で負けるまいっていう思いがあったから。心の中のバネはすっごい必要だし、反骨精神は絶対大事。

まり がんばります。

小林 寺嶋さんもアイドルだから反骨精神ないと思うかもしれないけど、絶対彼女持ってるからね。持ってないとやってられないのよ。人前でやるのは、どこかで自分の芯持ってないとやれないって。

寺嶋 ふふふ(笑)。

──寺嶋さんにもやっぱりありますか、「なにくそ!」的なところは。

小林 アイドルだし言葉にしちゃったらよくないかもね。

寺嶋 なので、「うーん……わからない!」ってことで。

つしまみれ あはははは(笑)。

小林 もしかしたら彼女が一番強いかもね(笑)。

左から寺嶋由芙、小林幸子、やよい(B, Cho)、まり(Vo, G)、みずえ(Dr, Cho)。
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小林幸子×つしまみれ×寺嶋由芙 シモキタ女子座談会

Shimokitazawa SOUND CRUISING 2014

InterFM presents Shimokitazawa SOUND CRUISING 2014

2014年5月31日(土)

東京都 下北沢GARDEN / 下北沢ERA / 下北沢BASEMENT BAR / 下北沢ReG / 下北沢ReG Cafe /下北沢MOSAiC / 下北沢THREE / 下北沢Daisy Bar / LAGUNA / 風知空知 / 富士見丘教会 / altoto / MORE

小林幸子(コバヤシサチコ)

Shimokitazawa SOUND CRUISING 2014

1953年生まれの女性ボーカリスト。1963年、9歳で作曲家古賀政男に師事し、1964年シングル「ウソツキ鴎」でデビュー。同曲が20万枚の大ヒットを記録する。1979年1月リリースの「おもいで酒」が200万枚を超えるセールスを記録し、同年末「NHK紅白歌合戦」に初出場を果たす。以来「もしかして」「雪椿」「越後情話」などヒット曲の数々を引っさげ、現在までに同番組に33回出演し、1980年代末頃からはステージ演出にも注力。NHKホールのステージをフル活用した舞台装置と衣装が年末の風物詩のひとつと目されるようになる。他方、コメディやバラエティ番組、テレビドラマなどにも出演。また映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル」に主題歌を提供するほか声優として登場するなど、その多岐にわたる活動を通じて幅広い年齢層の人気を獲得する。さらに2012年、ニコニコ生放送「小林幸子降臨!『茨の木』夢は捨てずに生放送」「ニコニコ大忘年会2012 in nicofarre」に登場。2013年には歌ってみた動画「ぼくとわたしとニコニコ動画を夏感満載で歌ってみた」を投稿し、イベント「ニコニコ町会議 in 名古屋」「ニコニコ年越し!小林幸子カウントダウンLIVE ~オープニングアクト:ダイオウグソクムシ~」に出演するなど、ニコニコ動画を積極的に活用。ネットユーザーの多大な人気を集めている。

つしまみれ

Shimokitazawa SOUND CRUISING 2014

1999年に千葉大学のバンドサークルで出会った、みずえ(Dr, Cho)、まり(Vo, G)、やよい(B, Cho)によって結成。コピーバンドを経て、オリジナル楽曲の制作を開始する。2001年から大学外でもライブ活動をスタートさせる。2004年の初渡米以来、コンスタントに海外ツアーを行いワールドワイドな活躍を見せる。2009年4月に300円シングル「タイムラグ」でメジャーデビューしたのち、翌2010年にMojor Recordsを設立して独立。2014年に結成15周年を迎え、2月には初のベストアルバム「つしまみれまみれ」をリリースした。ポップでキュート、少し毒のあるガールズロックで音楽ファンを惹きつけている。

寺嶋由芙(テラシマユフ)

Shimokitazawa SOUND CRUISING 2014

1991年生まれ、千葉県出身の女性アイドル。幼少期にジャズダンスを習い、中学校では演劇部に、高校ではアコースティックギター部に所属する。大学1年のときにアイドルとしての活動を始め、2014年2月にシングル「#ゆーふらいと」でソロ名義でCDデビューする。ゆるキャラに造詣が深く、ゆるドルとしても活動している。