ナタリー PowerPush - ソノダバンド
ロックシーンを鮮やかに塗り替える“イケメン東大生バンド”の本気とは?
ソノダバンドはバイオリン、チェロ、キーボード、ギター、ベース、ドラムからなる6人組インストゥルメンタルバンド。現役東大生を中心としたメンバーが集まり、精力的なライブ活動を実施。2010年3月には米国最大の音楽ショーケースイベント「SXSW2010」に出演し異例のアンコールを許可されるなど、現地の音楽ファンを熱狂の渦に叩き込んだことでも知られている。
この若き実力派バンドが、アルバム「ルネサンス」でついにメジャーデビュー。ナタリーでは彼ら6人にインタビューを行い、その卓越した才能と音楽性の秘密について話を訊いた。
取材・文/大山卓也 インタビュー撮影/中西求
「イケメン東大生バンド」って自分で言ったわけじゃないんです
──今回ナタリー初登場よろしくお願いします。ふれこみとしては「イケメン東大生バンド」っていうことなんですけども(笑)。
園田涼(Key) スポーツ新聞的にはね(笑)。
──それにしても強烈なキャッチフレーズですよね。
園田 ねえ、ホントに。
──ご本人としては実際のところどうですか?
園田 まあスポーツ紙だし、そういう書かれ方もあるのかなと思ってましたけど。それよりも記事を見て「イケメン東大生バンド」っていうのを僕たちが自分で言ってるんだって思った人がいるみたいで。それはビックリしましたね。
一同 あはは(笑)。
園田 ちょっと考えたらわかるじゃないですか。自分たちで「僕たち東大です!」とか「僕たちイケメンです!」って言うわけないし。そこはわかってくれよとは思いましたけど(笑)。
──じゃあ反応は少なからずあったんですね。
園田 うん、さぞかしイヤな奴らなんだろう、みたいな(笑)。
──あはは(笑)。でもその記事でソノダバンドを知った人の中には「東大生がやってる音楽ってどんなもんだろう?」と注目している人もいると思うんですが。
園田 うーん、どうなんでしょうね。そもそも「東大生がやってる音楽」ってどういうイメージなんだろう?
──例えばなんとなく賢そうな音楽、とか?
熱田哲(Violin)でも東大生でヘヴィメタルやってる人もいるし、普通にジャズや歌モノのポップスやってる人もいますからね。
園田 デビューしてから「東大生バンド」って騒がれてますけど、インディでやってた頃は当然そんなことも言われなかったし、ホントに出会った場所が東大ってだけなんですよ。こう言うと逆に嫌味かもしれないけど(笑)。でもホントそういうことなんです。
──じゃあ東大卒っていう部分は自分たちでは特に意識してないと。
園田 むしろ逆にコンプレックスなくらいです。東大って音楽とはまったく関係ない場所だから。音大生に失礼じゃないかとかね。
熱田 少なくとも別にそこで胸は張らないですよね。
メジャーデビューするとはまったく思ってなかった
──そもそも結成のきっかけは?
園田 僕と、バイオリンの熱田とチェロの橋本が神戸の高校で一緒で、その当時から文化祭とかで演奏してて。で、大学に行ったらまたバンドをやろうって話をしてたんです。僕が一番先輩だったんで最初に大学に行って、彼らが入学してくるまでの間にいろんなバンドサークルに顔を出して残りの3人を集めてきた。だから最初は今みたいにこんなふうにバリバリ活動するってイメージもなくて、大学サークル内の軽いノリで作ったバンドなんですよね。
──初ライブはいつですか?
園田 2006年の五月祭(学園祭)が初舞台ですね。
熱田 そのとき初めて「ソノダバンド」という名前でやったんです。
園田 そう、だからこのバンド名も「なんでこんな名前なんだよ」って言われるんけど、それは初舞台がサークルの内輪の発表会だったからで。園田がバンドやるからソノダバンドっていうだけなんです。
──じゃあその当時はメジャーデビューしたい、というようなビジョンはなかったんですか?
園田 僕の中では音楽で食べていきたいって気持ちは実は昔からあったんですけどね。でも例えば赤股さんはなかったんじゃないかな。バンド組んだ当時に外に出てバリバリやってくみたいなイメージは。
赤股賢二郎(G) そもそもソノダバンドに誘われたときは、葉加瀬太郎さんのコピーで学祭に出ようっていう話だったから。それで次にライブハウスでやるときに、オリジナル曲も1、2曲やることになって。それからいつのまにかオリジナル曲がメインになっていったんです。だから最初はこんなバリバリやっていくって空気は全然なかった。気づいたらなんか引きずり込まれてたというか。
──そういう感覚は、メンバーの皆さんに共通してあるものですか?
熱田 はい、僕もこんなふうにメジャーデビューするようになるとはまったく思ってなかったです。
CD収録曲
- Soul River_2010
- Reflections
- 悲しい太陽
- 旅立つものたち
- 上海午前零時
- Tango-Fragments
- C'est la vie [Re:]
- 生きる
<BONUS TRACK>
- Spanish Ecstasy [LIVE]
- もうすぐ [LIVE]
DVD収録曲
- Trust Your Groove
- Flying Express II
- Spanish Ecstasy
- Brazilian Sunset
- float
- 悲しい太陽
- 上海午前零時
- Soul River
- Black Day
- 霧時雨
- ぼくのスウィング
- Shattered Love
- Take Me To The Carnival
- もうすぐ
- Moonset
ソノダバンド
園田涼(Key)、熱田哲(Violin)、橋本怜(Cello)、赤股賢二郎(G)、牧瀬崇之(B)、小山田和正(Dr)からなる6人組インストゥルメンタルバンド。2006年に東京大学の音楽サークルで結成。都内ライブハウスを中心に活動を開始し、インディーズで2枚のミニアルバムを発表。2010年3月に米テキサス州オースティンで開催された「SXSW」に出演し、現地の音楽ファンの熱狂的な支持を集める。同年5月に初のフルアルバム「shiftrise」をリリースし、10月にはFlyingStar Recordsよりアルバム「ルネサンス」でメジャーデビュー。12月にはライブDVD「2010年5月15日のソノダバンド」もリリース。