ナタリー PowerPush - ソノダバンド
ロックシーンを鮮やかに塗り替える“イケメン東大生バンド”の本気とは?
この編成だからこそできるオリジナルな曲がある
園田 3、4年かけてやっとこの6人でできるオリジナルな音楽がわかってきたんですよね。この編成だからこそできる曲があるんだっていうのは本当に最近気付いたっていう感じ。
──じゃあ今僕らが見ているソノダバンドの姿っていうのは、実はけっこうな紆余曲折を経てできあがったものなんですね。
園田 実はそうです。世間的には東大生イケメンバンドで華々しくデビューしたみたいになってますけど(笑)、本当にライブ叩き上げというか、地道にライブハウス回ってやってきましたっていう感じなんですよ。
──意外と着実にやってきてると。
園田 メンバーはみんな意外と冷静だと思いますよ。インストが基本的に売れにくいっていうのも当然わかってるし、ライブのお客さんが全然いない時期とかも経験してるし。
赤股 ただ、日本の歌モノを聴く層の人口と、世界のインストが好きな層の人口を比べたら、世界のが多いんじゃないかなって思うんで。インストが売れにくいっていうのは日本国内だけで見たらそうなんですけど、世界でみたらわりとそうでもないんじゃないかって。最近ちょっと思い始めてる感はありますね。
世界で一番新しいインストバンドをやってる自信がある
──音楽的には今後はどういう方向に進んでいきたいと思っていますか?
園田 数年後とかの先の話はわかんないですけど、次のアルバムはもうパッと聴いて「これはロックですね」って言われるようなのを作りたい。根っこにあるスピリットはやっぱりロックなんで、それならやってる音楽も一聴してロックだとわかるようなものを作ってみようかなって思ってます。
橋本 今のところ海外でライブやったことあるのはアメリカだけなんですけど、今後はヨーロッパとかアジアとか、アフリカとかでもライブをやって、ちゃんとみんなが熱狂してくれることを確認しに行きたいです。
──ウケるのはわかってて確認しに行くんですね(笑)。
園田 あはは(笑)。でも意識としては、たぶん今世界で一番新しいインストバンドをやってるってぐらいの自信がありますよ。ない?
赤股 ……あるよ(小声で)。
一同 あはは(笑)。
──じゃあソノダバンドの新しさっていうのはどこだと思います?
園田 新しいとか古いとかじゃないのかもしれないけど、やっぱり過去のいろんな音楽を聴いて、それを20代の感覚でアップデートしてるというか再構築してるというか、そういうイメージはありますね。だから例えば僕らの音楽を聴いた60歳の人に「新しいんだけどどっかで聴いたことあるような気もする」って言われたりもするし、逆に若い子が「こんなの聴いたことない」って言うこともあるし。
──その雑食的かつロック的な感性はソノダバンドの大きな武器ですよね。
園田 そうですね。インストバンドで、今の流行りのロックと通じるものがあるような音楽をやってるバンドって意外といないような気がしていて。同時代にあってロックっていう枠でくくれるようなインストバンド。僕らはそういうものになれるんじゃないかなっていう気がしてるんです。
CD収録曲
- Soul River_2010
- Reflections
- 悲しい太陽
- 旅立つものたち
- 上海午前零時
- Tango-Fragments
- C'est la vie [Re:]
- 生きる
<BONUS TRACK>
- Spanish Ecstasy [LIVE]
- もうすぐ [LIVE]
DVD収録曲
- Trust Your Groove
- Flying Express II
- Spanish Ecstasy
- Brazilian Sunset
- float
- 悲しい太陽
- 上海午前零時
- Soul River
- Black Day
- 霧時雨
- ぼくのスウィング
- Shattered Love
- Take Me To The Carnival
- もうすぐ
- Moonset
ソノダバンド
園田涼(Key)、熱田哲(Violin)、橋本怜(Cello)、赤股賢二郎(G)、牧瀬崇之(B)、小山田和正(Dr)からなる6人組インストゥルメンタルバンド。2006年に東京大学の音楽サークルで結成。都内ライブハウスを中心に活動を開始し、インディーズで2枚のミニアルバムを発表。2010年3月に米テキサス州オースティンで開催された「SXSW」に出演し、現地の音楽ファンの熱狂的な支持を集める。同年5月に初のフルアルバム「shiftrise」をリリースし、10月にはFlyingStar Recordsよりアルバム「ルネサンス」でメジャーデビュー。12月にはライブDVD「2010年5月15日のソノダバンド」もリリース。