SixTONES|デビュー2年目の幕開けを飾る珠玉の1枚

SixTONES初のフルアルバム「1ST」が1月6日に発売された。

昨年1月に「Imitation Rain」でデビューを果たしたSixTONESは、その後初の単独アリーナツアーを行い、3枚のシングル、1枚のライブBlu-ray / DVDをリリース。新型コロナウイルス感染拡大という未曾有の事態に見舞われながらも、音楽活動の充実ぶりがうかがえるデビュー1年目となった。また個人の活躍も目覚ましく、ドラマやバラエティ番組への出演を通じてお茶の間での認知度を上げ、ひいてはグループの成長にもつながった。

12月にはYouTube公式チャンネルの登録者数が100万人を突破するなど、快進撃を続けるSixTONES。そんな6人がロック、ポップス、ヒップホップ、R&Bなどさまざまなジャンルに挑んだのが1stアルバム「1ST」だ。音楽ナタリーではメンバーが“とんでもない自信作”と胸を張る「1ST」の魅力を掘り下げていく。

文 / 寺島咲菜

京本大我の夢が叶う

ジャニー喜多川氏によって命名されたグループ名・SixTONESには、6つの音色と音域、6人それぞれが持つ個性──言わば“原石”を磨いて輝かせようという意味が込められている。アルバム「1ST」はアーティスト名の由来に基づいた“原石盤”と“音色盤”の初回限定盤2種、通常盤の全3形態。各仕様には共通してシングル3曲と新曲7曲の10曲が収められ、原石盤にはジャニーズJr.時代の楽曲から厳選された5曲、音色盤にはteam SixTONES(SixTONESファンの呼称)待望のユニット曲、通常盤には新曲2曲と「Imitation Rain」のカップリング曲「Telephone」のアルバムバージョンが追加収録されるという盛りだくさんの内容だ。

2015年に結成されたSixTONESは、ジャニーズJr.時代からアイドルらしからぬワイルドかつアグレッシブなパフォーマンスで頭角を現した。グループの音楽性を象徴するのが「Imitation Rain」「NAVIGATOR」「NEW ERA」といったシングル曲。「Imitation Rain」は制作者・YOSHIKI(X JAPAN)の音楽性が色濃く反映された、ジャニーズグループのデビュー曲としては異色のロックバラードで、デビュー前に出演した「日テレ系音楽の祭典 ベストアーティスト2019」で初披露されるや否や話題騒然となった。デビュー曲の大ヒットで次作への期待が高まる中、続いてリリースされたのが、アニメ「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」のオープニングテーマである疾走感に満ちたダンスチューン「NAVIGATOR」。SixTONESはジャニーズJr.時代に培った高いボーカルスキルを生かし、日本語と英語が混じり合うテクニカルな楽曲を見事歌いこなした。3rdシングル「NEW ERA」でも彼らはアニメのオープニングテーマを担当。SixTONESでアニメソングを歌唱することが夢だったアニメ好きのメンバー・京本大我は、2作連続のアニメタイアップに喜びもひとしおだっただろう。「半妖の夜叉姫」のオープニング曲「NEW ERA」はSixTONESの曲の中ではキーが少し高く、ロックやヒップホップのテイストが織り交ぜられたエネルギッシュなナンバー。番組で披露するたびにボーカルやダンスのアプローチを少しずつ変え、豊かな表現力で視聴者の心をつかんだ。

SixTONESの真骨頂

アルバムの情報解禁前からニッポン放送「SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル」内で突如オンエアされ、リスナーをざわつかせていたリード曲「ST」。ジェシーが「SixTONES史上最もハードな曲」と豪語するこの曲では、ダイナミックなバンドサウンドに乗せて6人が感情を吐き出すかのように歌唱している。また歌詞に注目すると、「泣き笑っても憂いても未来は 強い光の方だ そこに向かって行くんだ」「世界を廻せ believe in myself, believe in myself 雨垂れ石を穿て」というフレーズは、世界進出へと突き進むSixTONESの強い決意表明にも取れ、田中樹が担当するラップパート「liSTen now make a STatement look up look up hiSToric moment STand up STand up」には、SixTONESの存在を鮮烈に印象付けるように“ST”の文字が並ぶ。

世界基準の音楽を武器に、海外進出も視野に入れ活動するSixTONESの真骨頂とも言えるのが、英語詞を中心としたEDMチューンだ。6人はデビュー前からKAT-TUN「THE D-MOTION」やSMAP「Battery」をカバーし、エレクトロミュージックを彼らなりの解釈でSixTONESの音楽に昇華してきた。「1ST」にもグループの持ち味を生かした「Special Order」「Dance All Night」「S.I.X」が収録されており、いずれもライブのアンセムになりうる、聴く者を踊らせることに特化した楽曲に仕上がっている。パワフルなアッパーチューンの多い「1ST」の中でも異彩を放つのが、ヒップホップ要素を盛り込んだグルーヴィな「Coffee & Cream」。6人は「チルしよう all day long」を合言葉に日常の1コマを感じさせるフレーズを歌うことで、リスナーをブレイクタイムへと誘う。ボーカリストとしてのSixTONESを存分に味わうなら、憂いのあるギターフレーズで始まる「Curtain Call」、荘厳なピアノサウンドが楽曲を牽引する「Lifetime」。特に「Lifetime」の大サビのユニゾンは圧巻で、メンバーやファンとの絆を想起させるような歌詞が聴き手の胸を打つだろう。

team SixTONESが待ち望んだユニット曲

「1ST」はSixTONESにとって名刺代わりの1枚で聴きどころ満載のアルバムだが、長年のファンがうれしいのは原石盤のみに収められているジャニーズJr.時代の5曲と、音色盤収録のユニット曲3曲。ジャニーズJr.時代の代表曲である「光る、兆し」「JAPONICA STYLE」「Hysteria」は「NAVIGATOR」のカップリングとしてすでに音源化されており、今回、原石盤ではデビューツアー「TrackONE -IMPACT-(トーンインパクト)」でも披露された「この星のHIKARI」「BE CRAZY」「"Laugh" In the LIFE」「Rollin'」「RAM-PAM-PAM」が新たにCD化された。一方、音色盤ではユニット曲「EXTRA VIP」「My Hometown」「ってあなた」を聴くことができ、「EXTRA VIP」はトリップ感のあるトラックに乗せてジェシーのボーカルと田中のラップが交差する挑発的なナンバーに。Carlos K.がアレンジした牧歌的なムードの「My Hometown」では、横浜育ちの髙地優吾と森本慎太郎が地元への愛をポップに歌唱している。そして「ってあなた」では高音を得意とする京本と、低音パートを担うことが多い松村北斗がタッグを組み、心が弱ってしまった男性の切ない感情を表現。2人のハーモニーが艷やかに響くR&Bバラードとなり、各ペアのオリジナリティがつぶさに感じられるユニットソングが出そろった。

通常盤にもボーナストラック3曲を収録。このうち、タイトルからファンのさまざまな憶測が飛び交った和テイストの「うやむや」、全編英語のリリックの中に人気曲のタイトル「RAM-PAM-PAM」をさりげなく忍ばせた「Mad Love」の2曲は、このアルバムのために録り下ろされた新曲だ。ギャングスーツ姿のメンバーがクールに歌い踊り、ライブで起爆剤的な役割を果たす既発曲「Telephone」は、メロディアスなエレキギターなどが追加された“1ST ver.”に生まれ変わった。また原石盤と音色盤には内容の異なるDVDが付属し、原石盤ではリード曲「ST」のミュージックビデオとそのメイキング映像、ソロアングル映像、音色盤ではユニット曲のMV3本が楽しめる。

昨年10月にライブBlu-ray / DVD化されたデビューツアー「TrackONE -IMPACT-」のセットリストは先輩楽曲のカバーを含む内容だったが、現在開催中のツアー「on eST」(オンエスト)で披露されているのはオリジナル曲のみ。SixTONESの真価が問われるこのツアーと、初のアルバム「1ST」でデビュー2年目のスタートを切った6人は、2021年もさらなる活躍で注目を浴び、その輝きは日本のみならず世界の人々を照らすだろう。

ライブ情報(日程や内容に変更の可能性あり。)

on eST
  • 2021年1月4日(月) 神奈川県 横浜アリーナ START 18:00(※公演中止)
  • 2021年1月5日(火) 神奈川県 横浜アリーナ [1回目]START 12:30(※公演中止) [2回目]START 18:00(※公演中止 / 生配信実施)
  • 2021年1月6日(水) 神奈川県 横浜アリーナ [1回目]START 12:30(※公演中止 / 生配信実施) [2回目]START 18:00(※公演中止 / 生配信実施)
  • 2021年1月7日(木) 神奈川県 横浜アリーナ [1回目]START 12:30(※公演中止 / 生配信実施) [2回目]START 18:00(※公演中止 / 生配信実施)
  • 2021年1月28日(木) 愛知県 日本ガイシホール [1回目]START 12:30(※公演中止) [2回目]START 18:00(※公演中止)
  • 2021年1月29日(金) 愛知県 日本ガイシホール [1回目]START 12:30(※公演中止) [2回目]START 18:00(※公演中止)
  • 2021年2月6日(土) 宮城県 セキスイハイムスーパーアリーナ [1回目]START 12:30 [2回目]START 18:00
  • 2021年2月7日(日) 宮城県 セキスイハイムスーパーアリーナ [1回目]START 12:30 [2回目]START 18:00
  • 2021年2月16日(火) 大阪府 大阪城ホール START 18:00
  • 2021年2月17日(水) 大阪府 大阪城ホール [1回目]START 12:30 [2回目]START 18:00
  • 2021年3月13日(土) 福岡県 マリンメッセ福岡 [1回目]START 12:30 [2回目]START 18:00
  • 2021年3月14日(日) 福岡県 マリンメッセ福岡 START 16:00
  • 2021年3月20日(土・祝) 新潟県 朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター [1回目]START 12:30 [2回目]START 18:00
  • 2021年3月21日(日) 新潟県 朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター [1回目]START 12:30 [2回目]START 18:00
  • 2021年3月26日(金) 北海道 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ START 18:00
  • 2021年3月27日(土) 北海道 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ [1回目]START 12:30 [2回目]START 18:00
  • 2021年3月28日(日) 北海道 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ [1回目]START 12:30 [2回目]START 18:00